薬剤のみで繁殖は改善できない 北酪検「検定員中央研修会」その3

2019 年 3 月 1 日

Filed under: — djito @ 4:31 午後 セミナー報告

s-繁殖研修会1

北海道酪農検定検査協会は3月1日、札幌市で「繁殖性等向上対策研修会」を開催した。
全道の検定農家、検定組合や関係者など180名が参加した。

最初に、きくち酪農コンサルティング(株)の菊地実氏が、「酪農経営と周産期の管理について、様々な観点から、とくに低カルとケトーシスについて」と題して講演した。
まず酪農産業の方向性(規模拡大、労働効率など)に触れ、「規模拡大のブレーキ要因として、当面は低カルとケトーシス、中期的には粗飼料の品質と量、初産牛の体格があげられる」と述べ、低カルの予防法を管理・施設・栄養などの観点から解説した。
低カル気味の牛は目や背の毛並みに違和感が表れたり、反芻が弱かったり、脇が空いていたり、背を舐めたりする、ケトーシス気味の牛は搾乳後に疲れてすぐ寝るなど、牛を観て判断する方法なども紹介。「病気になる前に見つけなければならない。そのカギは牛にある」と語った。

s-繁殖研修会2

次の講演は、NOSAIオホーツク 佐呂間家畜診療所 ・獣医師の大脇茂雄氏が、「発情発見からの繁殖改善」と題し、経営対策農場が繁殖改善で立ち直った事例を紹介した。
妊娠率を上げるため発情発見率の改善に着手し、自然発情の発見への誘導、カウコンフォート(牛が満足し、日常が平常化し、微弱な発情も見つけやすくなる)の改善を、繁殖検診ごとによく話し合い、実行してもらった。
その結果、発情発見率は34%から60%に、受胎率は29%から34%に、妊娠率は11%から18%に、リニアスコアは4.2から2.4に、管理乳量は24.2kgから31.1kgに向上した。「これは施設や設備の投資なし。畜主の成長(意識と行動)によって改善されたもの」と述べた。
また、「薬剤のみでは繁殖は改善できない。獣医師の仕事は薬剤投与ではなく、繁殖を改善させること」と語り、自然発情の発見による授精の重要性を強調した。

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