生乳生産基盤強化と価値競争への転換がテーマ

2017 年 1 月 6 日

Filed under: — maetomo @ 3:23 PM ニュース

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日本乳業協会など乳業13団体は1月6日、都内で平成29年合同新年賀詞交歓会を開いた。

開会に当たり川村和夫会長は、「酪農乳業界は昨年、例年以上にさまざまな課題に見舞われた。一つは指定団体改革、二つには新たな補給金制度のスタート、そして三つ目には、社会的に大きな関心を寄せた液状調整乳の課題である。一方では、業界内部からは、別の視点で大変注目される年であった。それは需要と供給のアンバランスである」と昨年の酪農乳業を総括した。

そして需要について、「牛乳乳製品の需要は総じて好調だった。これまでも好調だったヨーグルトとアイスクリームは引き続き好調で、これに加えてチーズも好調に推移した。これらの需要はいずれも過去最高を記録する予測だ。そして何よりも大きな事柄は、長年にわたって減少を続けてきた牛乳が、一年を通じて前年を上回ったこと。いよいよ下げ止まりの徴候を占めているのではないか」と話し、供給については、「一旦持ち直した生乳生産は、昨年の9月以降、台風被害や乳牛頭数の減少が影響して年末に発表された11月の数字を入れると、年間累計でも減産に転じており、生乳生産基盤の弱さについてはなかなか払しょくできない年だった」とまとめた。

2017年の酪農乳業の課題については、生産基盤強化と価格競争からの転換だとした。生産基盤について川村会長は、「生乳生産基盤の弱さは酪農だけの問題でなく、乳業にとっても大きなリスクになる」とし、乳業としても、これ以上の生産基盤の弱体化は静観できない考えを示した。

乳用牛への黒毛和種の交配割合:全国で35.4%

2016 年 12 月 27 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 10:00 AM ニュース

一般社団法人日本家畜人工授精師協会は12月26日、乳用牛への黒毛和種精液及び性判別精液の交配状況について公表した。平成28年第3四半期(平成28年7~9月期)の黒毛和種の交配割合は、全国において35.4%(前期比2.2%増、前年同期比0.8%減)、北海道において21.8%(前期比0.8%増、前年同期比0.7%増)、都府県において51.6%(前期比3.9%増、前年同期比1.7%減)となっている。また、性判別精液の割合は、全国において9.8%(前期比0.1%増、前年同期比 2.4%増)となっている。

※一般社団法人日本家畜人工授精師協会HPより

※一般社団法人日本家畜人工授精師協会HPより

Solbiosur社を取得:オルテック社

Filed under: — Yayoi Uruno @ 9:30 AM ニュース,未分類

動物の健康と栄養ソリューションを提供するグローバル企業のオルテック社は、このたび農業・園芸作物ソリューションサービスを専門に扱うSolbiosur社(スペイン)を買収した。Solbiosur社は、生産量および効率性の向上を目指した、生産者のための革新的な農業・園芸ソリューションサービスを提供する企業として、スペイン国内で高い評価を得ている。Solbiosur社は10年以上にわたり、生産者にとって費用対効果が高い、環境に配慮した農業・園芸ソリューションの製造販売を行なってきた。このたび、Solbiosur社がオルテックグループ会社に加わることにより、ヨーロッパの農業・園芸生産者は高品質の栄養ソリューション及び効率性に優れたソリューションを手に入れることが可能になる。

搾乳ロボットやドローン、アシストスーツなどに興味津々―北海道スマート農業フェア

2016 年 11 月 30 日

Filed under: — djito @ 1:34 PM ニュース

北海道スマート農業フェア

スマート農業に関する幅広い技術を一堂に集め、最新の技術情報を直接見て・触れて・学べる『北海道スマート農業フェア』が11月30日から2日間、札幌市で開催され、生産者はじめ研究者や関係者ら多数が来場している。
主催は、北海道スマート農業フェア実行委員会(北海道、ホクレン、北海道高度情報化農業研究会)。

スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用し、超省力生産や高品質生産を実現する新たな農業のこと。
担い手の減少や高齢化が進む農業の将来を支える力として大きな期待が集まっている。

初の開催である同フェアは、搾乳ロボット、近赤外線カメラ搭載のドローン、腰の負担を軽減するアシストスーツ、自動操舵トラクターなどの約60社がブース出展し、実演や関連セミナーも行なわれている。

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乳房炎はもっと減らせる=純利益はもっと増やせる

2016 年 11 月 25 日

Filed under: — djito @ 7:09 PM ニュース

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北海道乳質改善協議会は11月25日、札幌市で『第24回 乳房炎防除対策研究会』を開催し、道内の酪農家はじめ乳質改善に関わる関係機関や獣医師、農業改良普及員ら約320名が参加した。
今回の研究会は3部構成で6題の講演が行なわれた。

講演1『乳房炎を基礎から考える』では、まず大塚浩通氏(酪農学園大学・准教授)が『乳房は細菌とどのように戦うか』を、次に鈴木貴博氏(北海道NOSAI・技術主幹)が『ケトーシスの早期発見とその応用』を、続いて岡谷利幸氏(オリオン機械・酪農開発部長)が『搾乳システムと乳房炎』を講演した。

講演2『優良農家による事例発表』では、オホーツク管内湧別町の酪農家である安藤弘司さん・千穂さん夫妻が日頃の取り組みを紹介した。
平成22年に繋ぎ牛舎を新築、現システム(自動給飼機、搾乳ユニット自動搬送装置など)を導入して以来、出荷乳量は増加、バルク乳体細胞数は減少、周産期疾病は激減している。
安藤夫妻は「乳牛の健康を継続し、かつ個体乳量(現在は平均約1万2000kg)をもう少し高めたい」と目標を語った。

講演3『農協における乳質改善の具体的取り組みとその効果』では、まずオホーツク管内津別町の酪農家であり同町酪農振興会・副会長の為国浩貴さんが『酪農家自身が気づきできること』、永井照久氏(釧路農協連・酪農技術支援室長)が『釧路農協連の取り組み』を講演した。
為国さんは「乳質改善は“正常なとき・状況”を知っていることが重要だ」と述べ、「乳房炎はもっと減らせるし、廃棄乳をもっと減らせる。つまり、酪農家の純利益をもっと増やせる」と語った。

※詳報はDairy Japan 1月号で。

2016年検定種雄牛生産者感謝状贈呈式

Filed under: — Yayoi Uruno @ 4:36 PM ニュース

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(一社)家畜改良事業団は11月25日都内で、2016年検定種雄牛生産者感謝状贈呈式を行なった。本表彰式は国内の乳用牛および肉用牛の改良を牽引する検定済種雄牛の生産に貢献した生産者に対して感謝の意を表するもの。平成元年に始まり、今年で28回目を迎えることとなった。今回の贈呈式ではホルスタイン種雄牛4頭、黒毛和種種雄牛1頭が受賞し、信國理事長より各受賞者に感謝状と記念品が授与された。表彰対象牛および生産者は下記のとおり。

[ホルスタイン種雄牛の部]

JP5H55723 モンマ ブリスク ET 
門馬一彦氏(北海道 枝幸町)

JP5H55816 ヘンカシーン スーパー レジエンド
喜多正人氏(北海道 湧別町)

JP5H55950 テイーユー レデイスマナー ジエイドET 
上田雅樹氏(北海道 美瑛町)

JP5H55983 イナパート エステイローダ ET 
奥孝氏(北海道 富良野市)

[黒毛和種の部]

P黒876  秋忠平 
間所恒克氏(北海道 豊頃町)

オリオン機械(株)が国内初!乳量計付自動離脱装置「MMD500」のICAR認証取得

2016 年 11 月 24 日

Filed under: — AsanoHiroko @ 4:33 PM ニュース,新商品

MMD500のICAR認証を持つ太田哲郎社長

MMD500のICAR認証を持つ太田哲郎社長

11月24日にオリオン機械(株)新商品発表会が東京・八重洲の同社東京営業所にて行われた。
同社はこの度、日本で初の乳量計付自動離脱装置「MMD500」が国内初のICAR認証(家畜の能力検定に関する国際委員会)を取得した。MMD500は牛毎に正確な乳量測定ができると同時に乳温・電気伝導度も計測し、リアルタイムで表示する。
同社はこのMMD500との乳牛飼養管理ソフト「VMAP-3」と連携させた、精密飼養管理システム「CM20P(チャレンジ マネジメント 20 プレッション)」として今後つなぎ飼養の酪農家に提案していくと発表。CM20Pは、日々の測定結果の変化により病気の早期発見、発情予定日などを表示でき、繁殖・搾乳・給飼の一元管理が実現できる。VMAP-3で管理している牛舎情報・繁殖情報・治療履歴などの個体情報を元に、搾乳時にMMD500で計測した乳量・乳温・電気伝導度の情報を自動で取り込み、正確な乳量から牛に合った給飼量・飼料割合を算出し、マックスフィーダーへ自動送信されることで、設定された時刻に自動で多回給飼する。
このシステムにより乳量の増加、労働時間・労力の低減、飼料コストのロスの低減、また病気の早期発見、繁殖管理の向上など経営に大きく寄与することが期待できる。
同社の将来構想としてはIoTとクラウドコンピューターの活用で、牧場や牛のデータを家畜改良事業団・農協・獣医師・生産者をつなぐデータ通信網を構築し、どこにいても牧場や牛の状況を各機関と情報共有できるようになり、さらなる酪農経営の向上が期待できる。
発表に先立って同社・太田哲郎社長は「飼料コストが経営を圧迫している現状で、酪農生産者は長年、勘と経験によるエサ給与を行ってきたが、牛の個体毎必要量食べられていない牛にマッチングしていない部分もあって、ロスにつながっていた。我々が提案するシステムで飼料コストの低減に貢献できるのではないか、そして日本の酪農家の収益改善ができるよう活動に拍車をかけていきたい」と述べた。

十勝のTMRセンター同士が情報交換会

2016 年 11 月 23 日

Filed under: — djito @ 11:29 AM ニュース

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十勝TMRセンター連絡会議(山本利浩会長/広尾町・サンタドリームサプライ)は11月22日、帯広市で『第1回研修会』を開催し、十勝管内のTMRセンター14法人および関係者ら65名が参加した。

同連絡会議は、十勝管内でもTMRセンター稼働が増えているなか、「全道規模の北海道TMRセンター連絡協議会の研修会(札幌開催)に行きたいけれど時間などの都合で行けない」「十勝には十勝ならではの悩みがある」などの声が多いことから、今年3月に発足したもの。
管内各TMRセンターの課題解決のため、相互の情報共有化と生産技術の研鑽、会員間の交流を活発にすることを目的としている。

研修会の第一部では、根釧農試の金子剛氏が『TMRセンターのタイプ別経営状況』と題して、道内のTMRセンターの動向、問題意識、財務収支、単価などの調査研究を講演した。

研修会の第二部では、参加者が7班に分かれて意見交換会を行なった。
課題や悩みとして、TMR単価を下げるためにできること、センター役員が世代交代の時期に来ていること、粗飼料収穫作業に出役する人・出役しない人がいること、今年は粗飼料(とくにコーンサイレージ)が不足していること、土地面積が増えて管理作業の労働力も増えていること、構成員間で個体乳量差が10kg/日以上あること、カラスによるバンカーサイロの穴開けで莫大な損失が出ていることなどが報告され、それらの解決策や関連情報が活発に交わされた。

※詳細はDairy Japan 1月号で。

『TACSしべちゃ』が現状報告 平均乳量33.1kg、出荷は計画比135.4%

2016 年 11 月 21 日

Filed under: — djito @ 5:08 PM ニュース

JAしべちゃ雪印種苗標茶町の3者で設立された、農地所有適格法人『TACSしべちゃ』が、この11月で設立3年が経過する。
また本年4月で搾乳開始から1年が経過したことから、同牧場は、1年間を振り返るとともに、今後の動きなどについて報告した。

【平成27年度】
●経営概況:順調な増頭と自給飼料生産により、総体の出荷乳量は計画対比134%と売り上げを伸ばした。乳飼比も33.4%と計画を上回った。
●草地型酪農の普及や技術発信:約30ha草地に追播を、約20haの草地更新を実施し、町内外の酪農家および関係者を対象にデモンストレーションや講習会を開催した。また、フロストシーディングや雪腐れ防止のための殺菌剤散布などの取り組みを推進した。
●担い手の育成支援:当初2名の長期研修生からスタートし、年度末までに8名を受け入れた。
●取り組みの波及:視察を積極的に受け入れ、99組・約1000名の来場者があった。

【平成28年度上期(9月末)】
●搾乳牛群は安定した飼養頭数で推移しており、乳量は1頭当たり平均33.1kgで(9月乳検)、出荷乳量は計画対比で135.4%となった。
●1番草はサイレージ品質を落とすことなく調製できた。トウモロコシは生育遅れで前年の収量までは届かなかったが、単収は平均4.2t(町平均3.6t)だった。
●長期研修生で家族3組の6名、単身研修者1名を受けいれている。短期研修生および体験希望者19名を受け入れている。

【今後に向けて】
●来年度は自家育成した初妊牛が分娩することから、本年度は管理体系を軌道に乗せるための大事な1年である。
●TACSしべちゃの一部門として『放牧形態農場』を設立し、牧場運営(営農計画や収支計画など)は研修生に任せ、研修生が自ら作ったプランを遂行させるなど、より実践的な研修内容を設定したなかで、即戦力となる担い手の育成に注力する。

黒澤賞に幌延地方連盟の中嶋仁志さん

2016 年 11 月 16 日

Filed under: — maetomo @ 5:31 PM ニュース

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日本酪農青年研究連盟は11月16日、神戸市で第68回日本酪農研究会を開催した。全国から盟友らが230名超参加した。

今回は経営発表7題、意見事例発表4題が発表された。また、兵庫県立播磨農業高等学校・畜産科の生徒らが「畜産科生徒の取組と畜産への夢」を講演した。最優秀賞を受賞したのは北海道・幌延地方連盟の中嶋仁志さん。中嶋さんは「家族・地域と共存する経営をめざして」を発表した。

中嶋さんは北海道天塩郡天塩町で経産牛91頭(総頭数175頭)を繋ぎ牛舎で飼養している。帯広畜産大学を卒業後、道職員として就職した後、実家の酪農を後継した。中嶋さんは就農後、搾乳ユニット自動搬送装置や自動給飼機などを取り入れた省力的な繋ぎ牛舎を新築した。

また、パソコンで個体の産次や乳量、BCS、泌乳ステージに応じた飼料給与メニューなどを管理し、データに基づいた酪農で着実に成績を伸ばしてきた。同時に繁殖と改良に精力的に取り組み、平均分娩間隔400日以下の優れた繁殖成績を達成している。

中嶋さんの発表は、生産性、収益性、安全性、効率性で高い評価を得ました。なかでも繁殖成績が高いことなどが、高く評価されてた。

優秀賞には、北海道協議会・清水中央研究会の藤井稔さんが発表した「挑戦〜究極の酪農経営法印を目指して〜」が選ばれた。

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