中曽根氏(岩見沢)・細澤氏(千歳)・加藤氏(旭川)が宇都宮賞を受賞

2009 年 3 月 2 日

Filed under: — djito @ 6:58 AM 未分類

(財)宇都宮仙太郎翁顕彰会は3月1日、札幌市内で第41回宇都宮賞表彰式を開催した。
今回の受賞者は以下の3氏。

《酪農指導の部》中曽根 宏氏(岩見沢市)
乳牛の能力・体型の技術的向上を図るための仲間作りに努め、地域検定組合の設立に尽力。BSE擬似患畜の範囲縮小、耳標装着の実現に奔走。酪農ヘルパー利用組合の設立など、JA・行政に地域酪農振興対策への支援を働きかける中心的な役割を担った功績は多大。また、空知地域を越えた北海道の農政運動を展開し、その牽引役として果たした役割は多大。

《酪農経営の部》細澤 伸一氏(千歳市)
 「よい土・よい草・よい牛づくりを基本とした、時代に対応する技術への挑戦」をモットーに、常に新時代を見据えた取り組み姿勢を持ち続けている。企業として成り立つ新たな挑戦として農事組合法人を設立し、効率的な酪農システムを導入。バイオガスプラントを導入し、近隣の食品加工工場から出る残渣物処理と、それから発生するメタンガスを燃料として販売。新しい畜産業の可能性を示した。

《乳牛改良の部》加藤 孝志氏(旭川市)
 牛群検定成績乳量1万955kg、乳脂率3.71%、乳蛋白率3.36%、平均体格得点86.6点と体型・能力のバランスの良さは北海道屈指。雌牛NTPのトップ10%以内に、牛群の26%にあたる10頭が入っており、改良集団のトップクラスに位置づけられている。生涯生産性の向上のために、長命連産性に富んだ牛群の作出に努力している。共進会においても常に上位成績。

健康な子牛とは、健康な母牛から生まれた、胸腺の充実した子牛である

2009 年 2 月 27 日

Filed under: — maetomo @ 5:49 AM 未分類

江別酪農研究会の例会が24日に開催されました。
今回は『子牛の疾病予防管理』をテーマとした、小岩正照先生(酪農学園大学・獣医学部・教授)の講習会が行われました。

○米国の調査によれば、母牛体重比7%で生まれた子牛、妊娠期間が282日(つまり、ほぼ予定日どおり)に生まれた子牛は死亡率(分娩後4時間以内)が一番少ない。
○子牛は酸欠で生まれてくる。酸素の戻りが悪いと、初乳を与えても抗体が上がらない。

《下痢子牛に対する処置》
○吸乳欲ある(指を出すと吸う)→拍水音(腹を触るとバシャバシャ音)ある→断乳、ネッカリッチサプリメント
○吸乳欲ある(指を出すと吸う)→拍水音(腹を触るとバシャバシャ音)ない→ミルク給与(回数を増加)、ネッカリッチサプリメント
○吸乳欲ない(指を出しても吸わない)→強制哺乳しない→輸液が必要、ネッカリッチサプリメント
※ちなみに子牛に差し出す指は、指のなかで細菌学的に一番きれいな「小指」がよい。

○虚弱子牛は「胸腺」が形成不全であり、充実した胸腺は肺炎予防につながる。
○子牛の健康は胎子(生まれる前)で決まる。
○子牛の病気の原因は、妊娠母牛の栄養(分娩前2カ月、アミノ酸、微量ミネラル、ビタミンA)に起因する。

などを小岩先生から解説してもらい、質疑応答も活発でした。
その後、同研究会会員の子牛の発育調査結果が発表され、来年度はさらに発育調査を充実させることなどが、深夜まで話し合われました。

二つの「ワクワク」

2009 年 2 月 20 日

Filed under: — maetomo @ 6:03 AM 未分類

今週は、外国人を講師として招いたセミナーを二つ、取材しました。
一つは、全酪連の酪農セミナーで、講師は、米国ニューヨーク州で活躍している、栄養・飼養管理コンサルタントのダニエル・ホタン氏。
もう一つは、北海道アルバータ酪農科学技術交流協会のセミナーで、講師は、カナダ・アルバータ・ミルクの総括部長であるマイク・サウスウッド氏。

その二つのセミナーで、くしくも“ワクワク”という言葉が出てきました。

前者の“ワクワク”は、「成功する酪農家は、毎朝起きると、新しいチャンスを発見することに“ワクワク”している」というもの。

後者の“ワクワク”は、「消費者に、“ワクワク”する新商品を開発して届けたい(オーガニックミルク、オメガ3乳製品、メラトニン強化ミルク、共役リノール酸、プロバイオティック・ヨーグルトやチーズ、エスニック・チーズなど)」というものです。

どの仕事においても、こうした“ワクワク”は大事ですね。
みなさんも、“ワクワク”していますか?

繁殖性と長命性、そしてジェノミクス

2009 年 2 月 6 日

Filed under: — maetomo @ 5:22 PM 未分類

石狩乳検主催の研修会が2月3日、北広島市で行われました。
講師は中込稔氏(?野澤組・札幌営業所長)、テーマは『遺伝子と牛群検定の利活用による酪農経営の向上』です。

そのなかで中込氏は、
「遺伝改良の目的は、それを上手く取り入れて、自分の経営をより安定させること」
「改良目標は、酪農家個々に設定すべきものである」
「理想的な牛群、最も収益性の高い牛群とは、高能力、高成分、健康で繁殖性、長命性に優れている牛群であろう」
「それらなかでも、繁殖性と長命性は、世界的に最大のテーマである」
と述べ、アメリカとカナダの改良方針や内容、また繁殖と生産寿命に影響を与える要因などを解説しました。

さらに、アメリカとカナダが精力的に取り組んでいる『ジェノミクス』が、今後、遺伝改良や酪農経営にどのようにインパクトを与えるかも解説しました。
ちなみに『ジェノミクス』とは、まだ日本語が無いようです。
いわゆるDNAで遺伝子型を測定するもので、それによる改良能力評価の信頼度はかなり高いのだそうです。
そして北米では、実用化の時代に来ているそうです。

弱った体力を一刻も早く取り戻しておかなければならない

2009 年 1 月 30 日

Filed under: — maetomo @ 12:11 AM 未分類

一昨日、サツラク青年同志会の研修会に参加させていただきました。
テーマは『乳牛の栄養管理と飼料給与』、講師は請川博基氏(北海道立中央農業試験場・技術普及部)で、3回シリーズの2回目です。

福屋栄人会長は冒頭の挨拶で、「3月から乳価が上がるが、その先のことを考えると、予断を許さない状況にある。だから今この時期、より一層丁寧に搾り、弱った体力を一刻も早く取り戻しておかなければならない」と語り、参加者全員が気を引き締めました。

研修会では、「飼料給与の基本的な考え方」として、
■最も効率の高いルーメン発酵
■攻めの姿勢が大切
■一口でも多く喰わす
■楽して得取れ(カウコンフォート)
■初産牛を大切に
■乳量向上、繁殖改善は両立する
■TMRが理想
などが詳しく解説されました。

子牛の健康度合いを判断する方法

2009 年 1 月 23 日

Filed under: — maetomo @ 12:13 AM 未分類

『十勝地方で酪農を巨視的に考える』と題した、伊藤紘一氏(ウイリアムマイナー農業研究所)によるセミナーが1月21日、帯広市で開催されました。
主催は、十勝乳牛検定組合連合会、十勝管内農協畜産技術員研究会、十勝農協連です。

糞尿問題、補助金問題、動物福祉の問題、雇用問題、優れたオーナーの考え方…等々、内容が盛りだくさんのセミナーでした。

そのなかで、「道具を一切使わず、子牛の健康度合いを判断する方法とは?」が解説されました。
それは、以下です。
1 耳の動きを見る
2 音を発して敏感かどうかを見る
3 ハッチの奥から俊敏に出てくるかを見る
4 肩甲骨のあたりを平手でやや強めに押して、突っ張り返してくるかどうかを見る

写真は4を解説しているときの様子です。
子牛役は、Y専門普及指導員です。

この内容は、弊社刊『ふたたび酪農』でも詳しく解説されています。

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