北海道石狩管内のK牧場は、キング式牛舎の2階を「体育館」に改造しました。
そこにはテニスコート(シングルス1面、規定の大きさ)が施されています。
床面の素材は、まず畳、その上にコンパネを敷き、そしてグリーンマットが張られています。
テニスはもちろん、バスケット、ソフトボールの練習などにも使っているそうです。
うらやましい!
乳糖率をみれば、肝臓の健康具合がわかる!
道央広域酪農研究会による田中義春氏(本誌連載でお馴染み)の第3回目の勉強会が一昨日、長沼町で開かれました。
今回のテーマは「乳(にゅう)からモニタリングする」。
そして以下の項目が詳しく解説されました。
1 乳量からモニタリングする
2 乳脂率からモニタリングする
3 乳タンパク質からモニタリングする
4 乳糖率からモニタリングする
5 P/F比からモニタリングする
6 MUNからモニタリングする
7 体細胞からモニタリングする
8 ソフト「ミルちゃん」の活用方法(実演)
その中から「乳糖率からモニタリングする」の概要を紹介します。
乳糖率がわからなければ、以下の式で求めます。
無脂固形分率-乳蛋白質率-灰分(1.0%)=乳糖率
〈例〉8.6-3.2-1.0=4.4%
乳糖率はズバリ、乳腺の健康で変わります。
だから乳房炎になると、乳糖率は下がります。
乳糖率はズバリ、肝臓の健康で変わります。
だから体脂肪が動員されて高乳脂肪率だったり、また高MUNだったりすると肝臓が一生懸命に働いているから、乳糖率は下がります。
乳糖率が4.3以下ならば、その牛の体調は悪いはず。
4.2以下は疾病のはず。
ちなみに全道平均は4.5だそうです。
先の式からもわかるように、乳糖は乳蛋白と同様に無脂固形分の中の一つです。
乳糖率が下がらないようすれば、牛は健康、経済(乳価)的にも儲かる、というわけです。
ぜひ、お宅の牛たちの乳糖率をモニタリングしてください。
なお、田中氏の著書「乳からのモニタリング」「飼養管理から疾病・繁殖を改善する」にも詳しく解説されています。
中国のホルスタイン能力は数年のうちに北米並みになる!?
石狩乳牛検定組合の講習会が先週、北広島市で行われました。
講師は酪農学園大学・家畜繁殖学研究室の堂地修教授で、講演テーマは「乳牛の受胎率低下を考える」でした。
講演では、
○繁殖成績低下の現状とその理由
○発情発見率の低下要因
○人工授精適期の再考
○分娩前後のボディコンディション・スコア推移と繁殖機能回復および受胎率の関係
○高泌乳牛群の繁殖成績向上に関する試み(排卵同期化処理による定時人工授精の利用、長期不受胎牛への肺移植の効果)
などが、詳しく解説されました。
そして最後に、驚く事実が紹介されました。
それは、最近の世界における肺移植の実施状況で、とくに中国の動きです。
中国の移植頭数は驚異的に増加しているそうです。
今後も急速に増加する見込みで、北米(アメリカ・カナダ)のET企業が受精卵、分別精子の大量輸出を計画しているのだそうです。
堂地教授は「あくまで個人的見解だが」と前置きしたうえで、「中国は北米企業の技術指導を受けながらこのまま進めば、近いうちに北米と同じ能力レベルになり得る。日本は中国の動きをウォッチングする必要があるのでは」と述べました。
こりゃ何だ? へぇ?、聞いてみるものですね
帯広の最低気温は?15度以下が連日です。
厳寒の十勝の農道を走っていたら、畑に雪の畝(うね)がありました。
こりゃ何だろう?
取材で同行いただいたAさんに聞いたところ、へぇ?、なるほど?、でした。
ここはジャガイモ畑で、収穫後にはどうしても残渣(小さなイモ)が残り、それをそのままにしておけば春になると雑草化します。
それを「野良イモ」というそうです。
その対策、つまり「野良イモ」を防除するために、このように畑表面の雪を除けることで土壌凍結をきつくして、畑の表面や地中にある収穫残渣のイモを凍らせてしまう(腐って発芽できなくなる)のだそうです。
土壌凍結というハンデを逆手にとったこの手法、先達の知恵に感激しました。
何でも聞いてみるものですね。
分娩間隔が1日縮まれば1頭当たりの年間増収はHow much?
道央広域酪農研究会が先週、長沼町で行われました。
本誌連載でお馴染み、田中義春氏の連続講座、第2回目です。
今回のテーマは「繁殖改善と今後の技術的対応」でした。
繁殖を良くするためには、疾病対策を良くしなければならない。
疾病対策を良くするためには、栄養管理を良くしなければならない。
一つのことを改善するためには、深く掘り下げて検討しなければならい、と田中氏はさまざまな事例をあげて解説しました。
繁殖の問題は乳質にも大きく影響しているとして、繁殖改善を図ったら、乳質については何もしなかったのに、体細胞数が40万から10万に減った事例も紹介してくれました。
そして標記の答え、これは田中氏らが複雑な計算を重ねたもので、分娩間隔が1日縮まれば1頭当たり年間で「1,050円」の増収となるそうです。
経産牛頭数50頭で、分娩間隔430日を390日にすると、年間200万円の増収となるそうです。