渡島管内のある牧場は、バルク乳の体細胞数のばらつきに悩んでいました。すると、ある獣医師は牛に与えている飲料水に着目しました。それまではその牧場は地下水を引いて与えていました。
「飲料水を水道水にしてみたら?地下水は地域によって牛に不要な成分が過剰に含まれていたりするんだよね」とアドバイスを受け、水道水に変えたところ体細胞数の減少と安定に成功。
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「乳房炎の減少にもなりました。水道料金は少し高くなるけど、それ以上の価値につながっています」と牧場主さんは話しています。
DJニュースにある「北海道乳質改善大賞」授賞式。
その授賞式の後、受賞者6名による特別講演が行われました。
そのなかで、
川崎俊治氏(JAようてい)は「基本技術を徹底している」
小川学氏(JAひがし宗谷)は「乳牛の健康管理に努めている」
畠山政博氏(JAきたみらい)は「乳頭口をとくにきれいにしている」
山岸利明氏(JA士幌町)は「ラクトコーダーを活用して搾乳作業をチェックしている」
水谷善則氏(JA釧路太田)は「前搾りは乳頭1本につき最低5回を実行している」(代理発表)
久保義則氏(JA中春別)は「家族全員が乳質改善に向けて同じ気持ちを持っている」
などと日頃の取り組みを発表しました。
そして、特別講演の進行を務めた田中義春氏(北海道総括普及指導員、本誌連載でお馴染み)は最後に、発表から以下の五つのポイントを再認識したと話しました。
1 牛の体調が良好
2 牛にストレスが少ない
3 牛がきれい
4 乳房炎の早期発見・早期治療
5 食品を扱っているという意識
〈詳しくはDairy Japan 1月号で〉
十勝管内のM牧場には、年代物(40年くらい前か?)のトラクターが、ロールカッターの駆動用に使われています。
実は、このトラクター、離農する人からわけてもらったものだとか。
「かなりひどい状態だった。エンジンはなかなか掛からないし、ようやく走るだけだった。ハンドアクセルも動かなかったし、燃料ポンプの付け根からはジャージャー燃料が漏れるし、ラジエーターもクーラントがザブザブ出てくるし…」
「でも、いい機会だから、自分で修理してみることにした」とMさん。
冬場で仕事がそれほど忙しくないときに、ディーラーに通いつめて、壊れている個所を見ては部品を取り寄せてもらい、ついに蘇らせた。
Mさんは、「お金を出せば何でもできる。ほしければ買えばいいじゃん。それじゃつまんない」と言う。
【関連】
Dairy Japan12月号(12月1日発売)の特集は『うちのDo It Yourself(自分でできる/自分でやろう)』です。
買うのは簡単。でも「自分に合ったモノがほしい」「使えるものは使っちゃおう」など、“こだわり”や“リサイクル感”から、農場には自作・手作りの施設がたくさんあります。
そこで、全国各地の“うち(牧場)のDo It Yourself”を集めました。
お楽しみに!
江別酪農研究会の例会に今週、参加しました。
今回のテーマは「乾乳期の管理について」、講師は(株)丹波屋・技術部・副部長の内田勇二氏です。
内田氏は「乾乳の栄養管理はいろいろある」と前置きしたうえで、乾乳前期に高繊維/低エネルギー(ハイ・ファイバー/ロー・エナジー)プログラムを行なって成果をあげている北海道の農場の事例を紹介しました。
その農場は、麦稈(輸入)、コーンサイレージ、ミックスヘイなどを使って同ブログラムを行い、乾乳前期の乾物摂取量(DMI)が12kg、乾乳後期のDMIは13kgでした。
同プログラムは、乾乳前期と後期のDMIの差を少なくすると言われていますが、そのとおりになった事例です。
内田氏は、併せて同プログラムを実施するうえでの注意点、ルーメンサイズやボディコンディション・スコア、DMIの動きをモニターすることの重要性、適切な乾乳期間などについても解説しました。