自分の責任と役割を見つめる「会」に

第43回 宇都宮賞を受賞した奥孝氏の祝賀会が19日、地元の富良野市で開催され、全道各地の酪農家仲間や関係者など約120人が参加しました。
(授賞式の模様、奥孝氏の功績は3月1日付けのDJニュース、本誌4月号を参照してください)

そこではまず、東日本大震災の被災者に黙とうが捧げられました。
そして、発起人代表の磯江敏昭氏は、
「このたびの災害の大きさと原発事故の不安で、祝い事の自粛ムードにあるなかで、あえて開催させていただいた。それは、それぞれのお立場で今一度、自分の責任と役割を見つめていただけるような会にしたいと思ったからで、その主旨をご理解いただきたい」
「過去に例を見ない災害からの復興と再生のためには、みなさんのそうした意識によるところが大きいし、当然、成し得るものと確信している」
と挨拶しました。

北海道からも、被災地に向けて自分ができることを考え、実行し、一日も早い復興を祈っています。

「ほくれん丸」品川港に向けて運航再開

十勝農協連等は17日、帯広市で「十勝酪農フォーラム2011」を開催し、酪農家、JA職員、関係機関職員など約100名が参加した。
その冒頭で、ホクレン帯広支所・石村正志次長が、東日本大震災による北海道の生乳受託・販売状況、資材関係の状況などの緊急報告を行なった。

同氏はまず、「被災された皆様には心から哀悼の意を表します」と述べ、その後、関東向けに生乳を運ぶ「ほくれん丸」は2隻とも無事だが、茨城県の日立港の復興めどが立たないため、運航先を東京都の品川港に変更し、17日から運航再開することを報告した。
なお、従来の日立港までの運行時間は約20時間だが、品川港までは30時間。
都府県の乳業工場が計画停電下における稼働であること、製品を運ぶ燃料が不足していること等により、道内で製造受託した牛乳を運ぶ。

配合飼料については、釧路工場は津波の影響で13日まで立ち入れなかったが、津波警報の解除とともに製造が再開された。
肥料工場については、広尾工場は肥料集積所の一部が水に浸かったが、供給については問題ない。

生産者だからできる、こだわりのシュークリーム

来週発売のDairy Japan 4月号の特集は「酪農の6次産業化」です。
その取材で、ニセコ町の高橋牧場に「成功までの道のり」をうかがいました。

15年前から製造・販売を手がけている高橋牧場。
今の商品は、アイスクリーム、のむヨーグルト、スイーツ(プリン、バームクーヘン、シュークリーム、ロールケーキ、カステラ、チーズケーキなど)です。

「われわれはスイーツのプロではないが、プロが唸るものをつくっていかなければならない」と高橋さん言います。
その一例は、シュークリーム。
高橋牧場のクリームは牛乳をたっぷり入れているから非常にやわらかいのです。
だから注文をもらってからシュー(皮)に注入し、いわば吸いながら食べてもらいます。
「そういうものは、プロはつくらない。それが許されるのはプロではない農家だから。われわれは味で勝負あり、そういうポリシーを持って、ぶれないことが大事だ」と高橋さんは言います。

1万1000kg以上は180戸、1万kg代は568戸

今週、北海道酪農検定検査協会から、平成22年(1月から12月)の経産牛1頭当たり年間成績の速報値が発表されました。

乳量:8853kg(8839kg)カッコは前年
乳脂率:4.01%(4.06%)
蛋白率:3.28%(3.31%)
無脂固形:8.78%(8.79%)
体細胞数:21万(20万)
リニアスコア:2.6(2.6)
分娩間隔:428日(427日)
初産月齢:25カ月(25カ月)

やはり昨夏の猛暑の影響が、乳成分、繁殖に表れています。
乳量階層別戸数は、1万1000kg以上が180戸、1万kg代が568戸となりました。