オンファーム・カルチャー

十勝管内のY牧場を訪問したら、事務所に「生うに」の発泡スチロール箱が置いてありました。
何かと思って尋ねたら、それは、乳房炎を発見したときに牧場で乳房炎乳を培養し、原因菌に基づいて治療方法を決定する「オンファーム・カルチャー」の培養器の手作りカバーでした。

「乳房炎原因菌の特定は、検査に出して結果が帰ってくるまでに通常3日、菌種によって4日かかることもある。その間に、乳房炎がどんどん進んでいく場合もある。自分で培養すると、遅くても48時間で判定できるし、それによって薬剤の選定を素早くできる」とYさん「オンファーム・カルチャー」の利点を話してくれました。

また、「ただ単に牧場で培養するだけではダメ。下手すると大きな間違いにつながる可能性もある。その牧場の傾向をきちんと把握して取り進めることが大事だ」と注意点も加えてくれました。

「オンファーム・カルチャー」について詳しくは、Dairy Japan 2012年2月臨時増刊号「乳房炎の防除–乳質向上と免疫力アップ–」をご覧ください。

身近なもので暑熱対策

今年も処暑を過ぎたというのに、残暑に苦しめられますね。
北海道の酪農地域でも街中でも、
今年の暑さは去年と比べてキツいという声を聞きます。

そんな今年ですが、根室管内にあるK牧場では、
手軽にできる家庭用スプリンクラーを使った暑熱対策を実践しています。
もともとは牛舎屋根の上で使用していたのですが、
「屋根よりも牛対に直接の方が効果あるんじゃないかと思った」とのことで、
牛舎内の水飲み場付近の柱に設置。
連日30℃を超えていて人でも苦しいくらい暑い日は、
日中2時間ほど散水することで、「牛は喜んで集まってくる」そうです。

夏場の暑さは、人も牛もちょっとしたアイデアで乗り切りたいものですね。

この時期の観察が一番大事

十勝管内T牧場の、乾乳牛群の飼槽です。
乾草に雨や雪が当たらないように被せているカバーは、
高速道路パーキングエリアの売店の屋根部材だそうです。

「この時期(とくに乾乳後期)の観察が一番大事」というTさん。
一日に何回も様子を見に行きます。
そうした綿密な管理があって、牛達の肋は見事に開張しています。

気持ち和む牛舎の絵

十勝管内にあるI牧場の牛舎の壁は、見ているだけで気持ちが和みます。
同牧場には2年前に建てた新築牛舎と、昭和53年に建てた古い牛舎があります。
その古い牛舎の壁一面に、牛の絵が描かれているのです。

4年ほど前に、同牧場で働いてくれていた漫画家志望の方が、
ペンキとスプレーを使って絵を描きたいと、
写真のような絵を描いてくれたそうです。
最初、Iさんは描いてもらった絵を気にしていなかったそうですが、
その後、Iさんが気持ちの沈んでいたとき、
この絵を見たら自然と気持ちが明るくなったそうです。

やはり、人の描いた絵には心を動かす力があるのかもしれませんね。

コンパクトながら一目瞭然

十勝管内・T牧場の手作り「牛群管理盤」です。
文具店で売られている「卓上のホワイトボード」と「マグネット」で、
「今現在、どの牛が、どの群にいるのか」をビジュアル表示するものです。
コンパクトながら一目瞭然で、T牧場ではとても重宝しています。