石狩管内のK牧場は、乾乳牛舎(フリーストール)のサイド・パーティションを、
ループ型から「棒型」に変更しました。
「牛にとって、より自由度が高く、これは良い」とKさんは好感触です。
「乾乳牛舎の居心地を良くする(コンフォートを高める)ことを優先して、
まず乾乳牛舎に設置したが、
搾乳牛舎でもこの棒型は良いと思う」とKさんは言います。
万一、牛が「棒」に寄りかかったりしても大丈夫。
棒は弾力があり、それを想定したジョイントになっていました。
11月19?22日の4日間で、
オルテックジャパン合同会社主催のデーリィスクールは、
中標津に始まり、北見、帯広、最後は富良野で締めくくられました。
今回が初開催で、テーマは“カビ毒と有機ミネラル”
参加させてもらった北見会場では、少人数での参加だったので、
写真のように、講師の方と参加者とで随時質疑応答でした。
その中の一つの事例(タワーサイロ)をご紹介します。
ある農家でカビ毒による下痢などの症状が表れ、
抗生物質やカビ毒吸着剤など使ったが効果なし。
なぜかとサイロ内側を覗いたら、
内側にカビがビッシリだったそうです!!
タワーサイロは清掃が難しいのですが、
サイロの清掃が大事なのだと改めて気付かされる事例でした。
やはり食べ物を扱う場所はいつでも清潔に保ちたいですね。
今回のデーリィスクールの詳細は、
Dairy Japan 2013年1月号をご覧ください!
十勝管内のS牧場(経産牛165頭、未経産牛135頭)は、
分娩移行期(乾乳および産褥)の飼養管理改善に取り組んだところ、
経産牛1頭当たり乳量8409kgだったものが、
1年で9362kgに引き上がりました。
前年比+953kg、111%の伸びです。
取り組みのポイントはいくつかあるのですが、
一番のポイントは、乾乳群のエサを薄い栄養濃度のTMR(ほとんどが粗飼料)
としたことです。
詳細は、来週発売のDairy Japan 12月号をご覧ください。
また、「過去10年間でクロース・アップ期のエネルギー給与に関する推奨値がどんどん低くなっている」
「乾乳牛のDMIは非常にばらつきが多いため、それぞれの牛群のDMIを把握することがクロース・アップの飼料設計の出発点になる」
と極めて重要な内容が解説されている書籍「移行期を科学する」(好評発売中)
も併せてお読みください。
紅葉も落ち着いた今日この頃、
11月7、8日に帯広で北海道酪農技術セミナーが開催されました。
今回は、栄養・周産期・繁殖・乳質・蹄病・経営など
多方面からの講演が行なわれました。
そのなかで、唯一の酪農家としての講演が
富良野市の藤井牧場でした。
今回、夫婦で講演台に立ち、妊娠率の向上への取り組みを紹介しました。
講演のなかで、「再発場を見つけることが最強の繁殖管理であり、
最大の仕事である」と語り、
酪農家にとって繁殖とは「損失を抑える場所ではなく、
成果を積極的に取りに行く場所である」と
自らの取り組みから学んだ事柄を力説しました。
最後に、「発情発見率を高められるのは酪農家だけである」
という言葉とともに、
「牛舎に酪農の成果への道がある」と締めくくりました。