とりあえずミルク!

酪農の町、根室管内・別海町の居酒屋さんです。
「とりあえずビール!」と言おうとしたら、「とりあえずミルクでカンパーイ!」と書かれたポスターが目に飛び込んできました(写真上)。

そこで「とりあえずミルクで」とお願いしたら、小瓶でミルクが運ばれてきました(写真下)。
「今日は、べつかいの牛乳屋さんです」とのこと。
ミルクは日替わりだそうです。
そして、これは、なんと無料です。
居酒屋さんもミルクの強力応援団、さすが酪農の町です。

この「とりあえずミルクでカンパーイ!」が全国的に展開できたらいいですね。

昔のプレートクーラー?

猛暑・酷暑の各地の様子が新聞やTVで報告されています。
北海道も今週は暑い日が続きました。

乳牛の暑熱対策もさることなら、牛乳も昔から冷却対策が付き物だったことは容易に想像できます。
雪印乳業史料館(札幌市)を取材した際に、写真の牛乳缶を見て感心しました。
これは「トップクーラー」という牛乳を冷やすための器具だそうです。
昔のプレートクーラーでしょうか?
知恵と工夫は、いつの世も感動的です。

驚きの「札幌農学校第2農場」

これは北海道大学構内にある重要文化財「札幌農学校第2農場」です。
同大学獣医学部での取材帰りに立ち寄りました。
というか、当時の面影が漂うこの一角に、吸い込まれる感覚でした。

同施設は明治9年、クラーク博士の大農経営構想によって、一戸の酪農家をイメージした北海道開拓の模範農場(モデルバーン)として建てられたものです。
施設の中には貴重な資料がいっぱいあり、「へぇー」の連発でした。

同農場の代表的種雄牛キング・ヘンドリク(1921年生まれ)の娘牛クイーン・ヘンドリク・ノブ(1923年生まれ)は、6.5才・305日で、乳量1万4250kgだったそうです。
その当時に、そんなに高い能力の牛がいたことに驚きました。

平成元年以降に生まれた北大農場産雌牛は「ホクダイ」の文字から始まりますが、明治時代は「コチヨー」「ユタカ」「マサゴ」「ミドリ」などの文字がよく入っていたそうです。
実はこの名前、先生のごひいきの芸者さんの名前を付けていたということで、これにも驚きました。

まだまだ、たくさんの驚きがありました。
お勧めの視察コースです。

畜産が盛んな国は昔から口蹄疫に苦労していた

上の図は、先日取材した疫学調査の専門家からいただいた資料です。
専門家は、「畜産が盛んな国(ヨーローッパ諸国)は昔から口蹄疫に苦労していた。しかし、その発生件数・発生国数は着実に減少してきた。それは経験で学んだことを防疫体制に活かしてきたからだ」と話していました。

農水省も6月24日、今回の経験を踏まえた「口蹄疫防疫措置実施マニュアル」を通知しました。
それは口蹄疫の疑いを発見したら、迅速かつ的確な初動対応を講じるためのものです。
本誌8月号に詳細を掲載します。

新たな感染が今週(7月5日)確認されましたが、そのマニュアルに基づき、「点」で封じ込められたようです。
このまま終息を迎えることを願うばかりです。
がんばれ宮崎!

エゾシカの口蹄疫の感染リスクは?

DJニュース(6月30日)でお伝えした酪農学園大学主催の「緊急セミナー 口蹄疫」。
講演の一つ「口蹄疫と野生動物管理」で演者の伊吾田宏正氏(同大学・環境システム学部講師)は、野生シカの口蹄疫の感染リスクについて解説しました。

そのまとめは以下です。
・野生シカ類の感染事例は稀。
・エゾシカは増加しているので、高密度下で感染したら蔓延する可能性もある。
・保全生物学的リスクを念頭において、冷静な評価と普及啓発が肝要。
・効率的な情報収体制と段階的な対応体制を構築すべき。
・食の安全と野生動物管理がリンクする北海道を目指すべき。

ちなみに北海道庁は口蹄疫侵入防止対策の一つとして、野生シカの口蹄疫に関する窓口を設置しています。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/yaseijikakouteieki.htm