こんにちは!
牧草はそろそろ落ち着き、デントコーンもあとひと息?農場さんによっては3番草、4番草(!?)があるでしょうか。
例年、10、11月頃から春にかけて、さまざまなセミナーや勉強会、イベントが開催されますね。今年もすでに開催案内のご連絡を各所様より頂いており、順次弊社ウェブニュース・らくコネ・SNSに公開しております。
うちの勉強会も告知してほしい!という企業様はぜひお気軽にご相談ください。
milk@dairyjapan.com
先日皆様のお手元に届いたDairy Japan10月号の63ページにも、セミナーやイベントの開催案内が記載されていますのでぜひチェックしてみてください!
私も各所に取材に参りますので、お会いした皆さんよろしくお願いいたします。
さて、突然ですが今日は書籍を紹介します。
『完結編 「乳」からのモニタリング 〜乳検成績を活用して〜』
乳検データからは、さまざまな情報が読み取れます。乳量、脂肪や蛋白など乳成分、体細胞数など……
それら「乳」から示してくれる情報は牛の状態や健康、管理の状態などさまざまな背景を知らせてくれます。
具体的に本書で何を知ることができるのか?
乳量からのモニタリング、乳脂肪・乳蛋白質からのモニタリング、乳糖率からのモニタリング、MUNからのモニタリング、体細胞数からのモニタリング、ケトン体(BHBA)からのモニタリング、乳中遊離脂肪酸(FFA)からのモニタリング、などです。
私は編集をしながらわからないことや「この数値が高いと何がどうなんだっけ?」とすぐにピンとこないことが、めちゃめちゃよくあります。その時に本書で学び直すと、+αの情報を得られて少し詳しくなれますね。
せっかくなので、第1章-1)の立ち読みをしてみましょう。
1)低乳量群は立ち上がり乳量が低い
→乾乳後期における栄養管理を
分娩後の立ち上がり乳量(乳検では分娩後10日以内の乳量)で、それ以降および全体の泌乳量を推定することができる。図1-1-1は個体乳量の高い酪農家での400頭、図1-1-2は低い酪農家での328頭、それぞれ10戸での泌乳曲線を示している。
個体乳量の高い酪農家は、最初の乳検で35kgを超え、50日前後でピークに達し、以降滑らかに低下し、きれいな曲線を描いている。しっかりした個体乳量の立ち上がりが泌乳量を高く保つ。最初の乳検が28kg前後だと、ピークが出ても35kg程度までしか上がらず、以降の泌乳量は低い。高乳量群は35.2kg、低乳量群は20.4kgで、立ち上がり乳量が泌乳曲線全体の形に影響していることがわかる。
これは分娩後の飼料条件はもちろんだが、乾乳後期、特にクローズアップといわれている妊娠後期3週間の管理に差が生じていると考えられる。分娩が近づくと胎子の成長に伴いエネルギーの要求量は増加するが、エストロジェンというホルモンが乾物摂取量(DMI)を抑制する。そのため、乾乳後にエネルギーや粗飼料をいかに上手く取り込ませるかが重要であり、農家差を産む要因となる。
乾乳期には体重の増加を避けることが重要である。必要な乾物量の摂取で体重の7%程度のふえ方が望ましく、摂取量の減少に伴い胎子発育量も不足する。この時期における胎子の発育はエネルギー必要量増加を直に反映する。この乾乳後期に消費される栄養素量は50〜60%がグルコース、30%がアミノ酸(Bell)。乾乳後期は胎子が母体全体の20%の重さに達し、酸素消費量は35〜50%を占め、母体が代謝されるグルコースの65%を消費し、700gのアミノ酸を取り込む。泌乳初期は脂肪が主な発酵をせず、アンモニアの解離能も不十分である。ルーメン内非分解性タンパク質の給与を組み込む必要がある。
初産牛のタンパク質は、分娩21日前から12%から15%に増加し乳タンパク質が上昇し、妊娠末での授精回数が減少。経産牛の乾乳期ルーメン非分解性タンパク質給与で産子のタンパク質含有量を高めることでケトーシスが減少したとの報告もある(R.R. Grummer, 1998)。
乾乳後半の栄養管理を徹底して、立ち上がり乳量を高め、泌乳期全体の乳生産性に結びつけるべきであろう。
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かなりボリューミーな書籍ですが、役に立つ本ですので是非1農場に1冊置いておかれることをお勧めしています。
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