ご縁がありますように

緊急事態宣言が解除され、取材活動を再開させていただきました。
久しぶりにお邪魔する現場は兵庫県のT牧場さま。テーマは「妊娠率アップ策」で、すなわち繁殖成績の向上です。いかに妊娠頭数を確保するか、これはいつの時代も酪農のメインテーマの一つですね。
取材日はちょうど繁殖検診日で、T牧場の繁殖を担当するO獣医師ともお話することができました。
T牧場では分娩後40日以降で全頭フレッシュチェックを実施することや、繁殖検診を月2回行ない、授精チャンスを逃さないよう取り組み、現在は分娩後50日以内にほぼ全頭の初回授精を済ませるまでになっていると言います。また授精後28〜30日でのPAGs検査の実施、約40日でのエコー検診、約60日での再鑑定という細かなスケジュールで妊娠の可否を調べています。これによって、受胎しなかった場合などは積極的に次の授精チャンスを狙えるようになったと言います。
そんなT牧場の取り組みはDairy Japan8月号で。
ちなみに写真は、注入器に5円玉を通したもの。T牧場での授精業務の際に、O獣医師が「ご縁がありますようにというおまじないですよ」と教えてくれました。
皆さんも、受胎するためのジンクスやおまじないをお持ちですか? お持ちでしたらぜひ教えてください。

取材を再開しました

こんにちは。前田真之介です。

新型コロナの影響で中断していた取材活動ですが、6月より状況を見ながら再開しました。伺う農家さんと相談をしたうえで、訪問先に極力インパクトを残さない注意をしながら訪問しました。

今年の年明けから入社をした私ですが、間もなくこのような情勢になってしまい農場に伺うことができずにいました。

久々に訪問して感じたことは、いくら情報媒体で知識を得ようが、実践と経験を伴わないと、ただの「情報」に過ぎないということです。

自主期間中は、記事や書籍と向かい合う時間がほとんどで、ピンポイントで情報を得ることはできました。しかし実際にその情報を生かすべき場所(農場)に伺うと「なぜ、こうなっているのか」「この仕組みの背景には何があったのか」など、視覚的・感覚的に飛び込んでくる情報が多く刺激的でした。

酪農経営が上手くいくための選択肢である多くの技術情報を提供するのが本誌の使命ですが、その技術の背景や、情報をより活かしてもらえるようなところも含めて伝えていきたいです。

ちなみに今回、私は初めて「繁殖」と「つなぎ牛舎・飼料の分離給与」を初めて見ました。「フリーストールなどとはどう違うんだろう。どちらが良いだろう」など、結論が出ない疑問が次々に浮かびます。しかし、伺った酪農家さんに共通していた結論の一つに「牛にとって良いか」が根底にあったように感じます。

もちろん、「経済のために」「人のために」などほかにも要因はさまざまあります。そのなかで今の選択をした農家さんの背景や考えに触れたいのでこれからも動ける範囲で取材へ行き、お話を聴いていこうと思います。農場さんの考えや方針によっても取材受け入れの良し悪しはあるかと思いますので、可能な範囲でご協力いただけますと幸いです。

 

 

ゴクゴク

牛もヒトも水分補給が話題になる時期ですね。
十勝管内A牧場の育成牛舎です。
「どの牛も十分に飲水できるように」ということから、プラ容器を利用した自作の水飲みが設置されています。

ちなみに乳牛の飲水要求量は以下とされています(『乳牛管理の基礎と応用』Dairy Japanより)。

コロナ緊急事態宣言は解除されましたが、今月いっぱいは農場訪問取材を取りやめているので、取材後記の蔵出しでした。

オンラインで座談会

 

全国に発出された緊急事態宣言も、1都1道3県を除いて解除となりました。これも外出自粛をはじめとした個々の努力の結果だと思います。引き続き、感染拡大の防止に最大限の努力を続けたいと思います。
弊社編集部では現在、外出を伴う取材活動は自粛中です。早く取材で皆様の農場にお邪魔したいと切に願っているところです。
さて、そんな取材活動の自粛のさなか、編集部は各地の酪農家さんとオンラインで座談会を開催いたしました。5名の若手酪農家に参加していただき、新型コロナウイルス感染症による影響や、今後農場で取り組みたいことなどを話し合っていただいたものです。
このなかで、参加した皆さんが口を揃えとくに印象に残ったのは、「牛乳消費を支えてくれる消費者(応援団)に感謝」という言葉です。
新型コロナウイルス感染症に関しては、ストレスのたまる情報が圧倒的に多いなか、こうした感謝の言葉を聞くことができたことで心が暖かくなりました。
まもなく「牛乳の日・牛乳月間」がスタートします。これを機に、私も今一度、牛乳の応援団にありがとうを伝えたいと思います。
オンライン座談会の様子は、Dairy Japan7月号で。

※画像は加工しています。

自由摂取

十勝管内K牧場(平均乳量約1万2000kg)は、すべての搾乳牛に糖蜜を自由摂取させています。
「全頭を高泌乳牛ととらえて、デンプンに頼らないエネルギーも与えることで牛の健康維持を図っている」とのこと。
糖蜜容器を置く台は、地元の鉄工所に作ってもらったそうです。

これは以前に取材したときの一場面です。
現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、農場訪問取材を取りやめております。
今は、大好きな牛乳・乳製品を自由摂取しながら、一日も早い終息を願い、こうした取材後記ブログを配信できることを待ち望んでいます。