蹄をいつもきれいに

群馬県のA牧場にお邪魔しました。今回のテーマは「蹄管理」。搾乳ロボットを備えたフリーバーン牛舎は、竣工から約3年と言います。

フリーバーンはコンクリート部分が少なく、蹄へのダメージは比較的少ない牛舎形態だと個人的に思います。

A牧場は年2回の定期削蹄のほか、月に1回程度、削蹄師に来てもらいケアをお願いしていると言います。

「フットバス使っています?」という問いに、嬉しそうに見せてくれたのがオートフットバス。搾乳ロボットからのリターン通路に設置されたオートフットバスを見ていると、「水の交換の様子も見ます?」と洗浄・交換の様子も見せてくれました。

フットバス内の水(週2日はフットバス溶液)が排水されると、強い勢いの水がフットバス内の汚れを洗浄。その後自動で水を張るという一連の流れを見させていただきました。搾乳ロボット設置エリアから飼槽に戻る際には、必ずこのオートフットバスを通過する牛達。いつもきれいな蹄を保てていると感じることができました。

今や必需品?

写真は先日お邪魔した兵庫県のF牧場での一コマです。

F牧場は生まれた子牛をお湯で洗って徹底的にきれいにし、その後タオルでリッキング。臍の消毒や初乳を与えてからカーフウォーマーで保温するのだと言います。分娩には必ず立ち会うFさん。分娩後速やかに、かつスピーディーにこれらの作業を進めることで子牛の事故が減ったと言います。

そういえば、最近では本当に多くの農場でカーフウォーマーを見るようになりました。暖冬とはいえ、まだまだ寒さの残るこの時期、子牛をより大切にケアしたいですね。

きれいな牧場は良い経営?

整理整頓。自分には苦手な分野ですが、整理整頓が行き届いた牧場は、良い経営をされているケースが多いように感じます(エビデンスはありませんが……)。そうした牧場でお話を聞くと、乳量や乳成分、繁殖成績などのデータがパッと出てきます。
写真のようにほうきなどの道具が、それぞれきちんと「住所」を持ち、用途を終えたらそれぞれの場所に片付けられる、そんな光景には気持ち良さを感じます。
この写真を振り返り、自分のデスクと仕事道具もきちんと整理整頓しなければと戒められた思いです。

【お薦め書籍】
ちょっとした酪農の話
著者:永井 照久(釧路農業協同組合連合会 酪農技術支援室長)
B5判/248頁

https://dairyjapan.base.ec/items/65569231

 

搾乳タオルの保温に

先日、愛知県のS牧場にお邪魔しました。
S牧場は経産牛約190頭を管理する牧場です。搾乳は8頭Wのミルキングパーラーで行ないます。
取材の主目的はエコフィードの利用とそのポイントについてですが、ミルキングパーラーを見せてもらうと、見慣れない大きなステンレス製のタンクのようなものが目につきました。
フタを開けてみると結構な厚みのある容器です。Sさんは、「搾乳タオルの保温に使っている」と教えてくれました。おそらく、大きな魔法瓶のような作りなのだろうと。
搾乳前に洗濯・殺菌・脱水した搾乳タオルを、お湯を入れたペットボトルとともにこの容器に入れるのだそう。
「搾乳中にタオルが冷めることはない」とその保温性は高いことが伺えます。
皆さんは搾乳タオルの保温、どのようにしていますか?
ちなみに私がよく見かけるのはクーラーボックスを使うケースです。
「うちはこんな方法で保温しているよ」という情報があれば、ぜひ教えてください。

小回りが効いて便利

1月4日16時に農林水産省が発表した令和6年能登半島地震にかかわる農林水産関係の被害状況によると、石川県では畜産農家で停電18件、断水46件、施設損壊32件、集乳不可など32件をはじめとして、多数の報告があげられました(https://www.maff.go.jp/j/saigai/attach/pdf/r6notojishin-16.pdf)。数値は速報値ですが、これ以上の被害拡大がなく、また一日も早い復旧・復興を願って止みません。被災された方々には改めて、心よりお見舞いを申しあげます。

さて、写真はPC内を整理していた際に見つけた宮崎県のY牧場での一コマ。手押し、エサ寄せロボット、ローダーなどいろいろな方法でエサ寄せが行なわれていると思います。Y牧場では4輪バギーを改造したエサ寄せバギーを使っていました。小回りが効くうえサイズもコンパクト、さらに牛舎外の悪路にも強いので牛舎間もスピーディに移動することができます。

写真の女性は視察でご一緒した酪農家さん。初めてのエサ寄せバギーもなんなく乗りこなすことができました。これはおすすめ!