牛乳減少者を減らす:「牛乳、飲もうよ!」の声かけを

あらゆる生産資材価格の高騰+増産抑制+猛暑+天候不順……まさに令和の酪農危機です。
もはや生産現場レベルでは対処不可能ゆえ、国家支援、しかも一時的ではない対応が必至です。

そんな中、ショッキングな調査結果がJミルクから今週発表されました。
それは、「牛乳を飲む機会・回数が減ってきている」と回答した消費者(=牛乳減少者)が10.1%で、昨年10月より4.4ポイント上昇したというもの。
6月に行なわれた「牛乳の購買・飲用の状況に関する緊急調査」の結果です(https://www.j-milk.jp/)。

牛乳減少者を減らす、少しでも牛乳の消費を回復させる—-そのために酪農乳業に関わる人すべてが今できることの一つは、「牛乳、飲もうよ!」と周囲の知人(一般消費者)に声かけすることではないでしょうか。
酪農乳業に関わっているがゆえのネタ(酪農話し、牛乳話し、等々)と併せて、ぜひ声かけを。

イラストは中央酪農会議のホームページ「酪農イラスト素材集」より(https://www.dairy.co.jp/)。

金曜日は「大掃除の日」

釧路管内C牧場です。
毎週金曜日は「大掃除の日」。牛舎掃除やベッド消毒などを丁寧に行ないます。
写真はフレッシュ牛群。この日は金曜日で、掃除と消毒が丁寧に行なわれました。
こうした取り組みが奏功して、「乳房炎治療牛ゼロ」の月がたくさんあります。
※詳しくはDairy Japan 7月号で。

全入口に踏み込み消毒槽

釧路管内C牧場です。
衛生管理に常に気を配り、牛舎のすべての入口に、石灰の踏み込み消毒槽を置いています。
牛舎に出入りする際は、来場者(獣医師や人工授精師など)はもとより牧場スタッフ全員も必ず踏み込み消毒します。
消毒槽は糖蜜の空き容器。「蓋(ふた)もあって便利ですよ!」とのことでした。

利益率を上げたい

「酪農は稼げる職業」と確信して2年前に新規就農したYさん夫妻。
ただし「稼ぐには良い草(自給飼料)が絶対条件」と言います。
というのは、実習や研修でお世話になった牧場、また視察でまわった牧場で共通かつ印象的だったのが、「良い草を採っている牧場は儲かっている」「草へのこだわりが強い牧場は経営も良い」ということだったから。
そこでYさん夫妻は研修中から、就農物件の草地の土壌分析、植生調査、簡易更新、そして早刈り収穫を着々と取り組んできました。

写真は昨年産の高品質ロールパックサイレージ。
「喰い込みが抜群に良く、併給する濃厚飼料は少量で済む」とYさんは利益率に手応えを実感しています。
さらに、「どうすればより利益率が上がるか」を探求し、今春から新たなチャレンジに挑みます。

※詳しくはDairy Japan 6月号(来週発売)で。

ネクタイをして搾乳しよう!

タイトルはT牧場が数年前に掲げたキャッチコピーです。
これは実際にネクタイをするのではなく、「他産業の企業と何ら差がない職場にしよう」という意思表明でした。
そして働き方改革に取り組み、休日や労働時間を大幅改善。完全週休2日(連休)制を5年前に実現しました。
さらに2年前から長期休暇として9連休を年2回とれるようにもしました。1日労働時間は8時間に収めています。

そのT牧場が今取り組んでいるのが“やりがい”創出。
その一環として独自で作成・活用している「サポートシート」を見せてもらいました。
そこにはクレド(=スタッフ全員が心がける信条や行動指針)が冒頭に書かれていました。

●牛の豊かさの先に
1 良質な牛乳の安定的出荷→牛が豊かだからこそ能力を最大に引き出せる
2 やりがいのある仕事→牛が豊かだということが仕事が正しかったことの証
3 プライベートな生活の豊か→牛が豊かでいられることで安心して休暇を満喫できる
4 地域とのつながり→牛が豊かだからこそ周りにそれを誇れ認めてもらえる
5 理想を現実にする発想→牛が豊かだからこそ次のステップが見えその先を望むことができる
●でも牛の豊かさってなんだ?
産業動物である中で最大限に牛の望むことをしていく
・質の良い飲食の提供
・気持ちよく寝、安心して歩く
・ストレスの無い対人関係
・安心できるいつもと同じ環境

※詳しくはDairy Japan 5月号で。
http://dairyjapan.com/backnumber/dairy-japan-2022%e5%b9%b45%e6%9c%88%e5%8f%b7/