低脂肪で使いやすくなったDDGS
2014 年 11 月 13 日
アメリカ穀物協会(浜本哲郎代表)は11月12日、北海道帯広市で「米国での酪農の飼養管理とDDGSの利用に関するセミナー」を開催した(十勝農協連共催)。飼料・栄養の技術者、関係機関や企業など約50名が参加した。
最初に、アメリカ穀物協会の米持千里氏が、「トウモロコシDDGSの飼料原料としての利用」と題して、トウモロコシDDGSの利用状況、製造工程、栄養成分などについて講演した。
従来のDDGSは粗脂肪含量が10%以上だったが、最近は約7%が主流になり、ユーザーからは「使いやすくなった」という声が多いことなどを報告した。
次に、米国サウスダコタ州立大学・酪農科学科のアルバロ・ガルシア教授が、「乳牛用飼料としてのDDGS」と題して、DDGSの飼料特性を解説した。
DDGSは、エネルギー、ルーメン内非分解性蛋白質、ミネラルの良い供給源であること、アミノ酸バランスとしてリジン/メチオニン比を3に調整する必要があること、NDFは30~40%であること、リノール酸を主体とする不飽和脂肪酸の割合が高いこと、近年は粗脂肪含量が低くなったことなどを解説した。
続いて、北海道/畜産・飼料調査所、御影庵主宰の阿部亮博士が、「北海道のTMRセンターとDDGS」と題して、DDGSを活用していくうえでのポイントを解説した。
北海道十勝の粗飼料にDDGSを20%添加給与した場合を示し、低脂肪DDGSであれば、乾物中の粗脂肪含量は3%程度で、ルーメン微生物の活性や増殖を阻害することが懸念されるレベルにはならないとした。
ただし、アメリカの試験のほとんどが、アルファルファとトウモロコシサイレージの粗飼料構造を基盤としていることから、北海道十勝の自給飼料構成で実際に飼養試験を行ない、その効果を検証する必要があると提言した。
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