9月の営農技術対策
2013 年 9 月 2 日
北海道農政部は「9月の営農技術対策」を発表した。
家畜飼養における「今月の重点項目」は、
・畜舎内環境の改善と栄養管理に留意して、夏場に低下した体力の早期回復に努める。
・繁殖器官の早期回復、繁殖台帳の活用及び発情観察の徹底で、受胎率の向上を図る。
・牛床・パドック等の衛生管理と搾乳の基本技術を励行し、乳房炎の発生を防止する。
乳牛の「飼料給与」においては、以下の注意を促している。
(1)飼養環境
ア 9月は残暑が予想されている。飼養環境を良好に維持することで、夏場に低下した体力の回復を図る。引き続き牛舎の開口部を広くして自然換気を促進するとともに、扇風機やダクトファンの適切な使用により、乳牛の体感温度を低下させて、ストレスの軽減を図る。
イ 水槽を清潔に保ち飲水量を高めるとともに、飼料摂取量の増加を図る。
ウ 牛床の敷料管理等を徹底し、牛体の清潔と安楽性を高める。
エ 先月までの高温で、飼料のかため食いや選び食い、長い時間起立している牛が多い等、蹄疾患を発症しやすい状態にある。乳牛の蹄の状態、起立姿勢や歩様等をよく観察し、異常牛の早期発見に努める。
(2)飼料給与
ア 牧草サイレージに腐敗やカビ等を発見した場合は、取り除き、安全な粗飼料の給与に努める。また、飼料タンク内の配合飼料や単味飼料にカビが発生していないか確認する。さらに給餌機等の内部や送り出し部にカビ等が発生していないか確認し、清潔な状態で飼料給与する。
イ 気温の低下に伴い、乾物摂取量が徐々に増加してくる。日々の残飼量を確認し、採食量が不足しないように飼料給与量を調節する。
(3)繁殖管理
ア 8月に分娩した牛が多いことから、9月は産褥期及び泌乳ピークへ向かう牛が多くなる。この時期にボディーコンディションの激しい低下が起きないよう、栄養管理を徹底する。
イ 分娩後は子宮の回復状態を観察し、回復が遅れている場合は適切な治療により受胎を促進する。
ウ 繁殖台帳を活用し、発情徴候の観察を十分行い、受胎率の向上を図る。
(4)放牧管理
ア 放牧地は草勢が衰えてくるので、休牧日数の延長や牧区面積の拡大を行う。また過度の放牧依存は避けて、良質サイレージや乾草を併給する。
イ 公共牧場では草量に見合った放牧頭数の維持に努めるとともに、牛群の監視を強め、発育不良牛や異常牛を早期に発見して処置する。
(5)搾乳衛生
ア 細菌が増殖しやすい時期なので、洗剤や殺菌剤は決められた温度と濃度を厳守し、ミルカー、バルククーラーなどの搾乳機器を衛生的な状態に保つ。
イ 排出口コックの分解洗浄や、バルククーラー内部の洗浄状態の確認は毎回行う。
ウ 環境性乳房炎が多くなる時期なので、搾乳の基本技術を徹底するとともに、牛床の敷料管理及びパドックや屋外通路の泥ねい化を予防して、牛体の汚染防止に努める。
(6)農場衛生
ア 暑熱ストレスにより、家畜の抵抗力は低下傾向であることから、牛舎の開口部にはネットやフェンスなどを設置し、鳥や野生生物の侵入を防ぐなど防疫対策を徹底し、病原菌の侵入を防ぐ。
イ 家畜の観察をこまめに行い、異常が見られる場合は直ちに獣医師に相談する。
詳しくは、北海道農政部・生産振興局・技術普及課のホームページへ。
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