異例づくめの酪農発表大会 表彰式を都内で開催

2010 年 7 月 15 日

Filed under: — maetomo @ 9:52 AM ニュース

 全国酪農青年女性会議は7月14日、都内で第40回全国酪農青年女性会議・酪農発表大会の表彰式を開いた。4月20日以降、感染が拡大した口蹄疫の影響と発生地域への配慮から、今大会は開催を自粛。審査は書類およびDVDで行われる異例の形だった。表彰式も関係者のみを集め、都内で開かれる形となった。

 開催に際し、同会議・黒沢寛寿委員長は「(口蹄疫発生地域の)多くの畜産農家は財産である家畜の全頭処分を強いられ、経営的・精神的な損害は想像を絶する状況である。被害にあわれた畜産農家の中には酪農家も含まれており、大変心苦しく思っている」「全国大会の中止はやむを得ない、また当然の判断だった」と開催中止の理由を説明。
 全酪連・砂金甚太郎代表理事会長も同様に、「年に一度、優秀な経営を学び、感動を分かち合うために全国の酪友が一堂に会することこそ、本大会の醍醐味であった。今回の中止は、苦渋の決断になったと推察するが、宮崎県の酪友を思い、このような結論となったことは、全国酪農青年女性会議の絆を改めて認識させるものである」と挨拶した。

 農林水産祭参加表彰行事である本大会。当初の予定どおりの開催は断念せざるを得なかったが、審査は書類および参考DVDによって7月初旬に開催された。経営発表部門、意見・体験発表部門それぞれに九州地区を除く全国5題が審査対象となった。審査の結果、最優秀賞を受賞したのは、経営発表部門で中山斉さん(北海道)、意見・体験発表部門で小笠原和美さん(東海)の両名だった。
 中山さんは近隣の畑作農家との交換耕作による耕畜連携、搾乳ロボットとミルキングパーラー併用による乳牛の長命性への取り組み、高い所得率などが評価された。
 また中山さんは地域の酪農女性との連携、同氏らが企業した合資会社「酪」を通じた食育・普及活動などが高く評価された。

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