小額投資で効果的カイゼンを 酪総研シンポジウム

2019 年 1 月 31 日

Filed under: — djito @ 9:37 PM セミナー報告

00酪総研シンポジウム

雪印メグミルク 酪農総合研究所は1月31日、札幌市で酪総研シンポジウムを開催した。
全国から約240人が参加した。
今回のテーマは「酪農現場の“カイゼン”を考える パート3~小額投資で生産性の向上を!~」として3氏の講演が行なわれた。

●牛の行動を基に施設や飼養管理を見直す~牛も人も幸せに~
 森田 茂氏(酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 教授)
乳牛行動の観察・解析は飼養環境改善に有効な手段であり、「行動を観察して評価する」を継続することでPDCAサイクルへと進展する。1 行動(姿勢)を直接見る、2 記録されたデータを読む、3 痕跡を見る、ことで乳牛の状態を読み解くことができる。乳牛の行動を観察して改善することで、乳牛も人もハッピーになる。

●酪農における光環環境制御の効果とそのメカニズム
 粕谷 悦子氏(農研機構 畜産研究部門 畜産環境研究領域 飼養環境ユニット 上級研究員)
メラトニンは家畜の生産性に関与するホルモンであり、その分泌パターンは、昼(明期)は低く、夜(暗期)は高い。泌乳牛に関しては、明期を16~18時間/日にすると、メラトニンのメカニズムにより乳量が増加する(長日効果)。逆に、乾乳牛に関しては、明期を8時間にすると、次乳期の泌乳前期乳量が増加する(短日効果)。また、ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制する。

●カイゼンの道しるべ~乳検データの活かし方を考える~
 佐坂 俊弘氏(北海道酪農検定検査協会 乳牛検定部 検定課 課長)
3年前から運用開始した「牛群検定WebシステムDL」は、乳検加入者にとっては、まさに、お金のかからない情報分析ツールである。1 繁殖管理、2 バルク情報、3 損失チェック、4 支援者の専用などの機能が盛り込まれている。新情報の、PAG検査、FFA、ケトン体も反映される。

※詳報はDairy Japan 3月号で

さらに一段上げの94.5万円 ホクレン家畜市場 1月の初妊牛相場

2019 年 1 月 30 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM 業界情報

2019-01-29

ホクレン家畜市場・初妊牛相場の1月集計(速報)がホクレン酪農部家畜販売課より発表された。

1月については、出回りの中心が春分娩となり、全国的に需要が活発化したことから、価格は94万5000円(前月比6万2000円高・前年比5万3000円高)と一段値を上げて推移した。

2月については、引き続き出回りの中心が春分娩となり、通常の更新需要に加え春産み需要の継続が見込まれることから、相場は保ち合いで推移することが予想される。

セミナー案内「ロボット搾乳システムの牛舎と牛舎管理」十勝乳検連

2019 年 1 月 22 日

Filed under: — djito @ 6:24 PM セミナー開催案内

十勝乳牛検定組合連合会らは以下の日程で、標記セミナーを開催する。

●日時:2月26日(火) 午前10時~午後3時

●場所:ホテル日航ノースランド帯広

●テーマ:ロボット搾乳システムの牛舎と牛舎管理

●講師:ジャック・ローゼンバーグ 氏(Dairy Logix社)
 ロボット搾乳システムや牛舎管理に精通するコンサルタントで、北米を拠点に世界各国で活躍。
 ロボット搾乳を利用する際にポイントとなる、乳牛の行動学や牛舎管理の考え方について紹介。

●対象:酪農家、農協、乳検組合、NOSAI、授精師、普及センター、酪農関連機器メーカーなど関係団体酪農関係者

●参加費:当日支払い
 1 主催団体会員および関係者=2,000円/人
 2 その他(関係者以外、当日参加など)=5,000円/人

●申し込み:2月15日(金)までに、所属団体、氏名を明記のうえ、事務局へFAXもしくはメールで。

●事務局:十勝農業協同組合連合会 畜産部 酪農畜産課(担当/渡邊)
 TEL 0155-24-2536 FAX 0155-25-4680
 メール t_watanabe@nkrtwosv.nokyoren.or.jp

●注意:
 参加者に変更がある場合は、2月22日(金)までに事務局へ連絡。
 当日キャンセルの場合は、該当者の参加費を徴収。

●主催:十勝乳牛検定組合連合会、十勝管内農協畜産技術員研究会、十勝管内家畜人工授精師協会、十勝乳質改善協議会、十勝農業協同組合連合会、畜産システム研究所

●協賛:コーンズ・エージー、デラバル、北海道オリオン

JNC サイエンティフィックキャンプ開催案内:日本ニュートリション

2019 年 1 月 15 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 10:12 AM セミナー開催案内

日本ニュートリション(株)は2月19~22日、鹿児島市、東京、札幌市内で「JNCサイエンティフィックキャンプ 2019」を開催する。詳細は下記のとおり。

【鹿児島会場】
日時:2 月19 日 9:00~15:10 ※定員50 名
場所:TKPガーデンシティ鹿児島中央
住所:鹿児島県県鹿児島市中央町26−1 南国アネックス TEL:099-214-2525
〔講演〕
(1)養豚生産農場における生産記録を活用した、生産性向上のための疫学研究
宮崎大学 佐々木羊介博士
(2)動物生産における腸管の炎症
How gut inflammation influences animal production
Phytobiotics Futterzusatzstoffe GmbH
Michael Boddington, Director Business Development Asia
Dr. Guangda Danny Xue, Chief Inflammation Officer
(3)豚への二ギ酸カリウムの利用
Application of Potassium Diformate in Pig Diets
ADDCON GmbH
Ryan Von de Leon, Technical Application Manager
(4)リグノセルロースの家畜飼料への利用
Feeding Lignocellulose in animal production
Link Asia Partners Pte. Ltd. (Agromed GmbH)
David Sanders, CEO

【東京会場】
日時:2 月20 日 10:00~17:00 (セミナー終了後に懇親会開催) ※定員150 名
場所:TKP赤坂駅カンファレンスセンター
住所:東京都港区赤坂2-14-27 国際新赤坂ビル東館 TEL:03-5552-7811
〔講演〕
(1)採卵養鶏業:パラダイムシフトの予兆?
 ??放置不可:OIEのAW二次案への(UEPの敗北?から学ぶ)対応策
 ??関東地区1千万羽増羽計画の必然性とは
(株)ウチナミ代表取締役 高田雄詳社長
(2)動物生産における腸管の炎症(以下、鹿児島会場と同じ)
(3)豚への二ギ酸カリウムの利用
Application of Potassium Diformate in Pig Diets
ADDCON GmbH
Kurt Wegleitner, Managing Director
Ryan Von de Leon, Technical Application Manager
(4)リグノセルロースの家畜飼料への利用(以下、鹿児島会場と同じ)

【札幌会場】
日時:2 月22 日 9:00~15:10 ※定員50 名
場所:TKPガーデンシティPREMIUM 札幌大通
住所:北海道札幌市中央区南1 条西1 丁目8 番地2 高桑ビル TEL:011-252-7933
〔講演〕
(1)食品安全に向けた飼料畜産業界におけるマネージメントシステム
日本ニュートリション(株) 管理第二ユニットマネージャー代行 長島 太郎氏
(2)動物生産における腸管の炎症(以下、鹿児島会場と同じ)
(3)豚への二ギ酸カリウムの利用(以下、東京会場と同じ)
(4)リグノセルロースの家畜飼料への利用(以下、鹿児島会場と同じ)

◆参加費:無料 (懇親会は一人5000 円)
◆申込方法:申込書に必要事項をご記入のうえ、FAXあるいはメールで申込む。
◆問い合わせ:日本ニュートリション(株)セミナー事務局 岡田、榎田まで
TEL 03-5771-7891 FAX 03-5771-7894
E-mail:seminar@jnc.co.jp

宇都宮賞が決定:上田敏光氏(美瑛町)・瀧澤義一氏(鶴居村)・木村博文氏(大樹町)

2019 年 1 月 11 日

Filed under: — djito @ 5:53 PM ニュース

宇都宮賞

宇都宮仙太郎翁顕彰会(北良治理事長)は1月11日、「第51回宇都宮賞」の表彰者を以下の3氏に決定した。
表彰式は例年どおり、同翁の命日にあたる3月1日に札幌市で開催する。

●酪農経営の部=上田敏光氏(美瑛町)
乳牛個々の能力を最大限に引き出して生産性を高めるためには、自給粗飼料の品質向上が不可欠と考え、当時研究が開始されはじめたルーサンに着目して導入を図るとともに、土壌分析に基づく完熟堆肥の草地還元、草地の植生改善などに積極的に取り組んだ。また、良質な自給飼料の安定確保や労働力負担軽減のため、TMRセンターの設立、運営にも貢献した。
乳牛改良の不断の取り組みに加えて、良質な自給粗飼料の給与、カウコンフォートを追求した飼養管理の実践により、昭和61年には、それまで全道で数名しか達成していなかった牛群平均乳量1万kg以上を実現し、直近の牛群検定では、乳量1万2388kg、乳飼比17%と極めて優れた成績を収めている。

●酪農指導の部=瀧澤義一氏(鶴居村)
平成23年にホクレンの代表理事副会長に就任、生乳生産基盤の強化を目的とした「生乳生産安定対策」等の構築に指導力を発揮するとともに、酪農家の所得向上と経営基盤強化を図るため、草地の適期更新、搾乳牛の増頭や搾乳システムの改善など、酪農が抱える課題の解決に向けた支援策の実現に大きな役割を果たした。
加工原料乳生産者補給金制度について、チーズや液状乳製品向け生乳への交付対象拡大を強く国に働きかけるとともに、同補給金が改正畜安法において恒久的制度として措置されるなかで、生乳の共計・共販体制が適切に維持されるよう提言するなど、北海道酪農の長期的な安定・向上に尽力した。

●乳牛改良の部=木村博文氏(大樹町)
カナダオンタリオ州において2年間の牧場研修後に就農、体型レベルの向上を基にした長命・連産の牛群作りを目指して、牛群検定や体型審査に積極的に取り組むとともに、全道共進会等へ毎年のごとく出品し、数多くの名誉ある賞を受賞している。
牛群検定においては、乳脂肪率、乳蛋白質率等の乳成分が全道平均を大きく上回り、また産次別牛群構成において、3産以上の占める割合が47%と十勝管内平均、全道平均を上回るレベルにある。
体型審査では、35頭のエクセレント牛を生産するとともに、ホルスタイン農協の優秀牛群表彰を平成15年度から13年間連続して受賞し、平成29年度の体型審査においては、平均体型得点85.2点、平均体型偏差値143.0という傑出した成績を収めている。

2019年のスタート

2019 年 1 月 8 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 2:29 PM ニュース

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日本乳業協会など乳業13団体は1月8日、都内で平成31年合同新年賀詞交歓会を開催した。
開会に当たり日本乳業協会の宮原道夫会長は、昨年の酪農乳業界の話題として「昨年は自然災害が非常に多い年だった。酪農乳業界における生乳流通は台風や北海道胆振東部地震により、北海道から都府県への生乳の移出制限が幾度も発生し、小売では一時的に飲用牛乳の品切れなどが発生した」と述べ、「これにより改めて明らかとなった酪農乳業の課題は、北海道と都府県のバランスを保った生産に加え国産の乳製品需要に見合った供給体制が必要であること」と課題を指摘した。また宮原会長は、「国際的には昨年12月30日に発効されたTPP11、2月発効予定の日EUEPAなどにより、今後民間貿易による乳製品の輸入数量の増加が見込まれ、需要に応じた国安牛乳乳製品の生産や酪農乳業のより一層の競争力の強化が求められる。このような牛乳乳製品における需給の調整実態や国際化の進展による調整機能低下を認識いただき、本年度見直しが検討される酪肉近における最重要課題の一つと位置づけ、全国特に都府県酪農を中心として生産基盤の強化を図っていただけるよう改めて強く願う」と述べた。
牛乳乳製品の消費に関して宮原会長は、「健康志向の高まりや消費者ニーズを踏まえた商品開発などに支えられて堅調に推移している。当協会の会員や関係団体との連携を強化し、積極的な普及啓発活動を推進していく」と述べた。学校給食用牛乳の風味問題については、「各種研修会や食育活動などを通じて引き続き風味問題発生抑制に努めたい」と強調し、最後に「2019年も課題は山積しているが、将来をしっかりと見据えたうえで方向性を探り、外部環境の変化に柔軟に対応しながら課題を一つずつ解決していくとともに酪農乳業界の価値向上に努めていきたい」と述べた。

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