昔も今も乳房炎防除は重要課題 十勝乳房炎協議会設立20周年記念シンポジウム

2014 年 10 月 26 日

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十勝乳房炎協議会は10月25日、十勝川温泉のホテルで、同協議会設立20周年を記念したシンポジウムを開催した。
会員はじめ、乳房炎防除および乳質改善に取り組む研究者、獣医師、関係機関など約80人が参加した。

開催にあたり大林哲会長(十勝NOSAI)は、同協議会の軌跡として、20年間の取り組み内容を紹介した。
同会が設立された1994年当時は、各地で乳質改善がさかんになってきたものの、関係機関の横のつながりが希薄であったことから、各機関から8人が集まって同会はスタートした。
その活動は、乳房炎について関係機関同士の情報交換、乳房炎の基礎知識や新しい知見の習得、実地調査・研究などで、生産現場に準拠した活動を念頭に、得られたことを生産現場に還元することを心がけている。
同協議会の研究は、乳房炎防除プログラム、診療指針の確立などに貢献してきた。
同会長は、「これもひとえに、乳房炎を少しでも減らして乳質を良くしたいという各位の熱い想いの賜物である」と感謝の意を述べた。
また、今もなお、十勝における乳牛事故の約43%は乳房炎であることから、「乳房炎防除は生産現場の事故低減のために避けて通れないものである」と語った。

特別講演では、まず、2009年まで同協議会の初代会長を務めた河合一洋氏(元・十勝NOSAI、現・麻布大学)が「日本における乳房炎防除の展望と課題」と題して講演。次に、日本乳房炎研究会事務局長の林智人氏(動物衛生研究所)が「乳房炎と牛の免疫機構について」と題して講演した。

その後、「今さら聞けない乳房炎の話」と題した公開座談会が行なわれた。
河合一洋氏が座長を務め、林智人氏、大林哲氏、馬場幸宏氏(十勝農協連)、平井綱雄氏(道立畜産試験場)、海田佳宏氏(農業改良普及センター)がパネラーとなり、フロアや十勝青年獣医師集談会からの質問に答えた。

十勝乳房炎協議会は設立20周年を記念して、乳房炎防除の最新知見を盛り込んだ「MASTITIS CONTROL II」を自費出版した。希望者には製本代金として3800円で頒布中。
申し込みは同会HP=http://www.tmc-hp.sakura.ne.jpで。

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