「ジョッキ牛乳宣言」の町:別海町

生乳生産量日本一(全国の生乳の7%を生産)である根室管内の別海町では、
町をあげてのご当地B級グルメが有名です。
それは、「別海ジャンボ牛乳&別海ジャンボホタテバーガー」で、
地産地消型「新・ご当地グルメ」と銘打ち、交流人口を増やし、
地域を元気にするという目的があります。
現在、提供している店は全6軒で、別海ジャンボ牛乳と
別海ジャンボホタテバーガーと道産ジャガイモ使用のポテトフライを
スタンダードメニューと定義しています。

「別海ジャンボ牛乳&別海ジャンボホタテバーガー」は、
どの店でも簡単に提供することができるわけではなく、
三つの定義とルールのうえに成り立っています。
この三つによって、基本は守られながらも各店で工夫を施し、
異なる味を楽しむことができます。

このような町をあげての消費喚起はパワーが感じられます。
ご当地グルメは全国的に人気のあることから、
全国各地で「牛乳を使ったご当地グルメ」が出てくると良いですね。

「繁殖管理盤」が経営を変えた

釧路管内の標茶町では、関係機関が連携を図って、繁殖成績の改善に成功しています。
その際、非常に好評なのが「繁殖管理盤」の利用です。

繁殖管理盤は周知のとおり、世界中で古くから利用されてきているもの。
牛個体を示す磁石が、今日の繁殖状況(分娩・発情予定・授精・受胎・未受胎など)を示しています。
一目盛りずつ毎日、右に回転させていきます。
分娩後50日から84日に授精適期が示されています。
受精に失敗したら、その個体を示す磁石を一欄中央に寄せるというものです。

その使い勝手についてR牧場さんは、
「今現在の繁殖の状態が一目瞭然。発情予定牛も把握しやすいし、非常にわかりやすい。そして文字を書き込むわずらわしさもない」と絶賛しています。
その言葉どおり、R牧場は、この「繁殖管理盤」の利用で、繁殖成績が見事に改善されました。

詳報は、来週発売のDairy Japan 10月号の特集「繁殖成績を落とさない管理のポイント聞きました」で。

2色のラップフィルムで中身を区別

北海道十勝管内のH牧場は、ラップサイレージ調製する際、
ラップフィルムの巻き方を工夫しています。

一般的には、1色のラップフィルムで巻きますが、
H牧場では、オプションでダブルストレッチ方式にアップグレードして、
巻く回数を少なくすることによる時短効果にプラスして、
白と黒の2色のラップフィルムを使っています。
そして、白が多いものは1番草、黒が多いものは2番草と、
刈り取り時期の区別をわかりやすくしています。

こうしたラップフィルムの色の違いで、遠くからでも中身の区別が一目瞭然です。

布団の雨除け

昨夏の暑熱で分娩がずれ込み、今、お産が増えていますね。
釧路管内のA牧場でも、続々と子牛が誕生しています。

その子牛の管理、雨が強く降ってきたらA牧場では、カーフハッチ内に雨が吹き込まないように、写真のように布団(ふとん)で庇(ひさし)をつくってあげます。
「子牛の体や敷料が濡れると、風邪や下痢になったりする場合がありますからね。子牛は、この時期をきちんと管理してあげることが大事ですよ」と手間をいとわず、子牛をケアしています。

布団は風で飛ばないように、ゴムマットを重石代わりにしていて、そのゴムマットは、カーフハッチの後ろ窓の庇にもなっています(写真)。

ちなみに、これらの布団、自分の家で使っていたものもあるそうですが、これを見て、持ってきてくれる人たちも多いそうです。

予想以上の効果! 新・暑熱対策システム

本誌9月号の特集「あと一口エサを喰わせる-DMIの重要性-」のルポで取材させていただいた釧路市阿寒町の大西牧場さん。
牛舎内のすべての個所で、空気がうまく流れるように設計されたトンネル換気です
そして、「今年は暑熱対策として、入気側に細霧を発して、冷えた空気を牛舎内に取り込むようにした。その効果が期待される」とのことでした。

その効果は、はたしてどうだったのか? 気になって再訪しました。
すると「予想以上の効果! やって良かった」と大西さん。

朝8時から夕5時の間、外気温が23度を超えると、細霧を30秒間発し、30秒間休止するように基本設定したそうです。
そして暑い日に、外気温と牛舎内気温を測ったら、その差は、なんと5度だったそうです。

なお、このシステムを喜んだのは牛だけではありません。
お子さんたちは、牛舎に涼みに来て、大喜びされたそうです。