土壌凍結と冬枯れに注意!

北海道は今冬、記録的な少雪と言われています。
「雪が少ないときは凍害・凍上害・切根害に注意を!」と佐藤尚親氏(雪印種苗 トータルサポート室 主査)は、先週、札幌市で開催された酪総研シンポジウム(既報)の講演で警告し、以下の対策を紹介しました。

《2019~2020年冬季の土壌凍結と早春の冬枯れに対する技術対応》
〇本年は積雪が少なく、土壌凍結深が平年より深いので、牧草地に冬枯れや早春の牧草個体の乾燥による生育不良が懸念されます。
〇凍結が抜けたら、「根と土を活着させるため」「土壌水分を保持するため」「凍上・転びによる牧草個体の乾燥枯死を防ぐため」、まずは、ケンブリッジローラーによる鎮圧をお勧めします。
〇地下に空隙がある状態で鎮圧しないと、早春の施肥の効きが悪く、1番草収量減少が懸念されます。なお、裸地・枯死対策のため、早春の施肥に牧草種子を混ぜる場合は、施肥+種子を散布した後に、ケンブリッジローラーによる鎮圧が効率的です。
〇作溝法で牧草追播する場合は、いきなり作溝播種機を引っ張ると、「めくれ」が著しいので、一度、ケンブリッジローラーによる鎮圧で落ち着かせてから、低速で追播するのが良いでしょう。
〇現地で牧草地の越冬状態を、写真のケース1~ケース5のどの状態かを調査して、冬枯れダメージを受けた牧草地を早春に修理しましょう。


(資料・写真提供=雪印種苗株式会社、佐藤尚親氏)