予想以上の効果! 新・暑熱対策システム

本誌9月号の特集「あと一口エサを喰わせる-DMIの重要性-」のルポで取材させていただいた釧路市阿寒町の大西牧場さん。
牛舎内のすべての個所で、空気がうまく流れるように設計されたトンネル換気です
そして、「今年は暑熱対策として、入気側に細霧を発して、冷えた空気を牛舎内に取り込むようにした。その効果が期待される」とのことでした。

その効果は、はたしてどうだったのか? 気になって再訪しました。
すると「予想以上の効果! やって良かった」と大西さん。

朝8時から夕5時の間、外気温が23度を超えると、細霧を30秒間発し、30秒間休止するように基本設定したそうです。
そして暑い日に、外気温と牛舎内気温を測ったら、その差は、なんと5度だったそうです。

なお、このシステムを喜んだのは牛だけではありません。
お子さんたちは、牛舎に涼みに来て、大喜びされたそうです。

パワースポット

ナウマン象の化石発掘の地として知られる南十勝・幕別町忠類。
酪農が基幹産業です。

その忠類の公共牧場(共栄牧場)の管理棟の横に「乳牛感謝の碑」があります。
これは昭和24年11月2日、「忠類酪農研究会」により旧家畜品評会場に建立されたもの。
その後、昭和44年に品評会場の移転に伴い移設され、さらにその後、平成20年に現在地に移設されました。

戦後間もない頃の「忠類酪農研究会」とは、どのような研究会だったのでしょうか。
きっと、乳牛改良、飼料作物の栽培・貯蔵、生乳の販売など…情熱に満ち溢れた議論が交わされていたことでしょう。
この碑の前に立つと、そうした先人のパワーを感じます。
そのパワーを受け継ぎ、士気を高めていきましょう。

北海道の搾乳農家数7000切る。フリ・パラは20%超

北海道農政部畜産振興課はフリーストール牛舎・ミルキングパーラーの導入状況調査である「新搾乳システムの普及状況」を発表しました。

これは今年(平成23年)2月1日現在の調査で、搾乳農家数は6983戸、前年の7156戸と比較すると173戸減(2.4%減)でした。

ミルキングパーラーを導入している酪農家は1456戸(道内搾乳農家比20.9%)。
フリーストール牛舎を導入している酪農家は1561戸(同22.4%)。
そのうち両方とも導入している酪農家は1446戸(同20.7)で、前年度に比べて25戸(1.8%)増加しています。

ちなみに搾乳ロボットを導入している酪農家は127戸(同1.8%)です。

全戸に扇風機と殺虫剤を配布―JAしべちゃ

釧路管内の標茶町は酪農家戸数295戸、乳牛頭数約3万8000頭、年間生乳生産量約16万4000tという一大酪農生産地です。
そこでの酪農産業を支える「JAしべちゃ」は先週、組合員全員に扇風機とサシバエ防除の殺虫剤を配布しました。
これは、昨年の猛暑の影響で繁殖がずれ込み、これから続々と分娩を迎える牛が増えることを考慮し、急きょ行われたものです。
JAの担当者は、「分娩牛のストレス軽減、事故防止をはかって、生産性を上げてほしい」と話していました。