十勝管内のY牧場は、7基目のバンカーサイロを増設中です。
毎年1基ずつ、徐々に増やしてきました。
このたびは運良く補助付きリース事業で建設しましたが、今までは毎年、全額を自己資金でまかなってきました。
「1年間の収支の中で、バンカーサイロ代を支払っても年末に組勘で多少の余裕があれば、借金せずに自力でやれた、という気持ちになるものですよ」とYさんは言います。
「何をするにもお金を借りなければならないのでは、つらい酪農をやっている、という気持ちになっちゃいます」とも。
「男爵(だんしゃく)イモ」の生みの親として知られる川田龍吉男爵(1856-1951年)は、近代農業を実践するため、道南の北斗市に試験農場をつくり、アメリカからさまざまな農機具や農業資材を輸入しました。
大正13年に建てられたキング式牛舎は、今は「男爵資料館」として生まれ変わり、そこには川田男爵が輸入して使った農機具がたくさん展示されています(http://www15.plala.or.jp/dansyakuimo/)。
その資料館で注目したいのは、「牛床」です。
なんと「木(もく)レンガ」なのです。
そしてそこには、「牛の爪を保護するために、畜房の床一面に敷き詰められていた。素材はカリフォルニア産のダグラスファーを使用。ダグラスファーは日本の杉と松のほぼ中間の硬さを持ち、松脂成分が多く、腐食しにくい」と解説されています。
牛の護蹄を考慮した牛床素材。
昔から、ちゃんと考えられていたんですね。