牛舎の途中でもう1種類のTMRを調製できる

十勝管内のO牧場(搾乳牛180頭)はフリーストール牛舎の左右で、泌乳前期群と泌乳中・後期群との2群に分けて栄養管理しています。
TMRはそれぞれの群に合わせた栄養設計をしていますが、その調製方法に、作業効率を考えた一工夫を施しています。

まずTMRミキサー(15立米)で、泌乳前期群分も含めた全頭分(180頭分)のTMRを、泌乳中・後期群用の栄養設計で調製します。
そして給飼通路に入って、泌乳中・後期群(牛舎片側の群)に給飼します。

その給飼が終わったらUターンするのですが、そこ(牛舎の逆入口)には配合飼料タンクからのオーガーが設置されています。
だから、その場で配合飼料を投入して再度ミキシング。
泌乳前期牛群用のTMRが、すぐにその場で調製できます。
そして、それを牛舎のもう片側の泌乳前期群に給飼しながら戻ります。

つまり、給飼途中でもう1種類のTMRを調製できるというものです。
こうしたことで、「配合飼料タンクに戻る手間が省けて作業効率が上がった」とOさんは言います。

ロールでも自動給餌

今週お邪魔した十勝管内A牧場(75頭繋ぎ)では
自動給餌機を使っての飼養管理を行なっています。
しかし、その自動給餌方法は一般的なものと少し違います。

A牧場では、ロールベールサイレージを自動で
1日8回給餌できるシステムになっています。
1日に使うロールベールサイレージ2個をセットしておけば、
後は自動で決められた時間にカットされ、
ベルトコンベアーで自動給餌機に投入されるようになっています。

このシステムにより省力化を図ることができ、
「経営寿命が延びた」とAさん(60歳)は言います。

生産者のグチやボヤキも大いに結構

2月3日付DJニュース「サツラク青年同志会 創立50周年記念式典 開催」にあるように、そこでは記念講演が行なわれました。
その記念講演は「サツラクどうでしょう-ローカルから全国へ-」と題されたものです。
講師は人気TV番組(水曜どうでしょう)を産み出したディレクターらで、同志会員らも壇上に上がりユニークなディスカッション方式がとられ、いかにして消費者の心をつかんでいくか、などが話し合われました。

そのときの取材メモの一部です。

「自分達は良いものを作っている」という誇りがあり、それを仕事の目的の一つとしている。
そのことを消費者に、なかなか知ってもらえない。
でも、知ってもらうことは、ちょっとしたきっかけを作っていくことで可能となる。
それにはまず、生産者、作り手の想い、その商品の特徴を、こだわっている感を出しながら、どんどん発信していくこと。
草の根(口コミ)、ブログ、商品パッケージなどを使って発信していく。
その際、作っている人の空気感を出すこと。
そして、グチやボヤキも大いに結構。
生産者、作り手がグチやボヤキを発信すると、(今の時代は)多くの消費者から共感を得ることもたくさんある。

子牛専用車

1月13日付の北海道支局だよりの続編です。
北海道十勝管内のS哺育育成牧場では、子牛の集荷のために、宅配業者が使用していた箱車(1.5tカーゴトラック)を改造し、利用しています。
ちなみに定員は最大で12頭です。
内装は牛床マット貼りで、床は麦稈でフカフカです。

さらにこの車の工夫しているところは、本来バックモニターとして使われていたカメラを箱の内部に取り付け、運転席から子牛の状態をモニターできるところです。
これにより、荷台を開けずとも子牛をチェックすることができます。
輸送は子牛にとってストレスがかかるため、細心の注意を払っています。

気持ち良さそうー

豊富な敷料の中で気持ち良さそうに爆睡している牛。
それを舐めている牛。
十勝管内Y牧場(92頭繋ぎ飼養)です。
微笑ましく、また、繋ぎ牛舎でもこのように行動できるのかと感心して、
思わずシャッターを押しました。

ちなみに、自分で自分の体を舐める行動を「セルフグルーミング」、
他の牛を舐める行動を「ソーシャルグルーミング」といい、
牛群には以下の三つのカテゴリーがあるそうです。
・舐めるサービスを提供する牛
・舐めるサービスを受ける牛
・この関係に属さない牛

なぜそうなのかはよく理解されていないようですが、
舐めるサービスを提供する牛をすべて群から除外したら、
乳量が低下したという試験報告があるそうです。
「ふたたび酪農」(伊藤紘一著、弊社刊)より