土壌凍結と冬枯れに注意!

北海道は今冬、記録的な少雪と言われています。
「雪が少ないときは凍害・凍上害・切根害に注意を!」と佐藤尚親氏(雪印種苗 トータルサポート室 主査)は、先週、札幌市で開催された酪総研シンポジウム(既報)の講演で警告し、以下の対策を紹介しました。

《2019~2020年冬季の土壌凍結と早春の冬枯れに対する技術対応》
〇本年は積雪が少なく、土壌凍結深が平年より深いので、牧草地に冬枯れや早春の牧草個体の乾燥による生育不良が懸念されます。
〇凍結が抜けたら、「根と土を活着させるため」「土壌水分を保持するため」「凍上・転びによる牧草個体の乾燥枯死を防ぐため」、まずは、ケンブリッジローラーによる鎮圧をお勧めします。
〇地下に空隙がある状態で鎮圧しないと、早春の施肥の効きが悪く、1番草収量減少が懸念されます。なお、裸地・枯死対策のため、早春の施肥に牧草種子を混ぜる場合は、施肥+種子を散布した後に、ケンブリッジローラーによる鎮圧が効率的です。
〇作溝法で牧草追播する場合は、いきなり作溝播種機を引っ張ると、「めくれ」が著しいので、一度、ケンブリッジローラーによる鎮圧で落ち着かせてから、低速で追播するのが良いでしょう。
〇現地で牧草地の越冬状態を、写真のケース1~ケース5のどの状態かを調査して、冬枯れダメージを受けた牧草地を早春に修理しましょう。


(資料・写真提供=雪印種苗株式会社、佐藤尚親氏)

わかりやすく伝える

搾乳衛生なくして良質乳なし――釧路管内の牧場で、この標示を見て、改めて思いました。
それと同時に、時代は変われども、ルールを正確に伝えて順守してもらうためには、この方法が最良であることも改めて思いました。

大事なことを、わかりやすく、正確に伝える――Dairy Japanは来年も、それを大切にしていきます。
皆さま、良いお年をお迎えください。

強制換気牛舎

写真は岡山県のK牧場のフリーストール牛舎です。

K牧場は今年、新たに大型フリーストールを稼働させました。牛舎は横抜き式の強制換気牛舎。ミルキングパーラーを挟んで反対側にも同様の強制換気牛舎がありますが、新たに建てたほうが換気効率が良いと言います。

取材時はまだ暑熱が残る頃。汗をかいてから牛舎内に入ると、寒く感じるほどでした。

そして、今回K牧場が選んだ排気ファンは82インチと超大型のもの。排気側にズラリと並ぶファンは壮観でした。

暑熱期は終わり、すでに冬の便りを耳にしますが、冬も換気は大切です。牛舎内の環境は乳牛の健康、そして乳質にも大きく関与します。ぜひ、寒い時期も換気を考えてみたいものです。

ふわふわがんもどき

先日、Jミルクの乳和食サイト「乳和食でおいしく減塩」を参考に、「ふわふわがんもどき」を作りました。手作りカッテージチーズを作り、豆腐の代わりに使用。乳清で作った特製付けダレに、たっぷりとくぐらせてから食べてほしい一品です。詳しい作り方は『Dairy PROFESSIONAL Vol.15』で紹介します。ぜひ作ってみてください!

換気は大切です

九州における記録的大雨により、被害を受けられた皆様へ心よりお見舞いを申し上げます。

さて昨日、仕事で姫路にお邪魔しました。基本はさほど高くないものの、高い湿度で体力を奪われたような気がします。乳牛にとっても、高いヒートストレスに晒され続ける時期が続きますね。高温多湿の時期を迎えると、いやでも換気を意識せざるを得ません。

暑熱期に推奨される換気回数は、1時間当たり60回以上とされています(Dairy PROFESSIONAL Vol.11参照)。ファンの能力などから計算できるようですが、一度専門の方に換気回数を計算してもらうとわかりやすいかもしれません。

そして、アンモニアや二酸化炭素は重く、淀みやすいため、これらの発生を抑えることも暑熱と換気のポイントとか。そう、こまめな除糞で糞尿を牛舎からなるべく早く排出してあげることが暑熱対策にも繋がるといいます。

快適な環境で、牛も人も暑熱期を乗り切りましょう。