新しい働き方

近年よく耳にする「スマート技術」——それは単に自動化して労働力削減と生産性向上を実現するにとどまらず、人材を育て、地域の酪農の担い手を輩出することに貢献するものとされています。
「酪農の経験がない人でも活躍できる牧場にしたい。そうした“新しい働き方”の現場を構築していくことが、これからの仕事だ」と、先を見据えてスマート技術に取り組んでいる酪農経営者の言葉が印象的でした。

※詳しくは本日発売のDairy Japan 1月号で。

「ゲノム評価」活用ポイントと注意点

K牧場はゲノム評価を活用しながら、産乳量・乳成分が高く、搾乳作業のしやすい乳房・乳頭・立ち方(肢)の牛群作りを着々と進めています。
さらにOPU/IVF(経膣採卵/体外受精)で改良速度を上げ、牛群が急速に斉一化してきていることを実感しています。

ただし、これらの改良技術を活用する際の注意点も、以下のように語ってくれました。
・自分で選抜圧を高めていかなければ意味がない。
・選抜圧を高めるからには、飼養管理がきちんと伴わなければならない。
・周産期疾病などのトラブルが多いと台無しになってしまう。

※詳しくはDairy Japan 12月号で。

現場の感覚は常に正しい

「繁殖がうまくまわっていれば乳房炎も少ない傾向にあると思う」と言うKさん(Dairy Japan11月号・ルポ特集「うちの農場の乳房炎コントロール策」)。
こうした現場の感覚や経験則は、きわめて貴重かつ重要で、大切にしなければならないと思います。

そうしたKさんの感覚を裏づける研究報告が、近刊にありました。
「乳房炎による排卵障害および黄体機能異常によって、初回排卵や初回種付けあるいは受胎が遅れ、それにより空胎期間も伸びる」(磯部直樹「炎症反応と繁殖機能」、Dairy PROFESSIONAL vol, 13 特集/今、繁殖を見直そう)。

やはり、現場の感覚は常に正しい!

地元の酪農を知ってほしい 北海道苫前町の酪農女性グループが冊子作成

「みなさんにウシのこと・酪農のことについて知ってもらいたい、そして、牛乳をたくさん飲んでほしいなー」という想いから、北海道留萌管内苫前町の女性酪農家グループ「windmillk」(ウィンドミルク)は昨秋、『“とままえとらくのう”の本』(A4判・32ページ、全カラー)を作成して、地元の小学生に配布しました。
内容はグループメンバー5人が企画。牛の品種、食べているエサ、苫前町の牧場風景、苫前町で搾られた牛乳、そして小学生が大好きなウンチのお話なども、写真とイラストで楽しく解説されています。
イラストを担当したのは、メンバーの一人でDairy Japan連載「酪農学習シート」の作者・伊藤沙智さん。
「各地の女性酪農家グループでも、こうした活動が活発になればいいなぁ、と思っています」と話しています。

解決策は叱ることではない

作業の流れが悪くなったり、ミスが生じたりすると、家族や従業員に対して「何やっているんだ! ちゃんとやれ!」と怒鳴って終わり……となりがちです。
しかし「それは“仕組み”が悪いからだ」とH牧場のHさんは言い、「問題が起きたときの解決策は、手順(仕組み)に直ちに修正を加えることであって、誰かを叱ることではない」ことを強調します(Dairy Japan 10月号ルポ特集「農場を発展させるマネジメントシステム」より)。
どの職場にも共通することですね。