参加者にプラスの効果、酪農教育ファーム

2011 年 3 月 2 日

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 3月2日東京で、平成22年度酪農教育ファームモデル事業研究報告会(主催:中央酪農会議、後援:農畜産業振興機構)が行なわれ、6題の研究が発表された。酪農教育ファームとは、子どもたちに出前学習や牧場体験学習などを通じて、食やいのちの大切さを学んでもらいたいとする活動。それとともに、親たちにも酪農現場を認識してもらえる良い機会になっている。これに関しては、昨年10月よりスタートした、母親対象のMILK JAPANの草の根活動と重なるところもある。それぞれの研究では、教育ファームは子どもにプラスの影響を与えると発表された。

 開会に先立ち、中央酪農会議・専務理事の門谷廣茂氏は「昨年4月の口蹄疫の影響で、22年度上期はほとんど活動ができなかった。下期はこの遅れを取り戻していきたい。しかし韓国で猛威を奮っており、外部からの出入りや農場との接触を自粛してもらっているところ」と、まだまだ本格活動ができない旨を語った。

 発表された研究報告は以下の通り、
・酪農教育ファーム活動の経営効率性に関するモデル分析
千葉大学大学院園芸学研究科 大江靖雄氏
・酪農体験学習が子ども達の牛乳飲用行動におよぼす効果についての研究
東京辻中経営研究所 辻中俊樹氏・(株)東急エージェンシー
・牧場での体験学習活動が、児童の意識や行動におよぼす教育的効果の検証
早稲田大学大学院教職研究科 田中博之氏
・酪農教育ファーム活動の教育的効果にかかる実践事例研究
広島大学大学院教育学研究科 鈴木由美子氏
・酪農体験学習のモデルカリキュラムおよび指導法の開発に関する研究
広島大学大学院教育学研究科 木下博義氏・同大学院生 秀島哲氏
・牧場体験を通じた価値構築過程に関する研究
法政大学経営学部 木村純子氏

奥氏(富良野市)、鈴木氏(帯広市)、竹田氏(別海町)に宇都宮賞

2011 年 3 月 1 日

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宇都宮仙太郎翁顕彰会(黒澤信次郎理事長)による第43回宇都宮賞表彰式が、同翁の命日である3月1日に札幌市内で開催され、関係者など128名が参加した。
今回の受賞者、その功績は次のとおり。

【乳牛改良の部】=奥 孝氏
良質粗飼料の確保による経営の規模拡大とコスト軽減に努めるとともに、牛舎環境にも改善を加え、暑熱対策としてトンネル換気の設置、連続水槽の設置などを行い、乳牛のストレス解消に努めた結果、乳質も改善され、安定した酪農経営を継続している。
能力の遺伝的向上を目指して、泌乳能力の高い種雄牛の選定交配を実践した結果、平成21年の牛群平均能力は83頭で1万3590kgと全道第2位の成績をあげ、過去トップ10に6回ランクインし、現在までに乳量2万kgを超えるスーパーカウを3頭輩出している。
さらに牛群雌牛遺伝情報では、総合指数(NTP)+739で全国トップクラスの長命で生涯生産性に富んだ牛群をつくり上げている。

【酪農指導の部】=鈴木 三義氏
長年にわたり手がけてきたホルスタイン種の雌雄の遺伝評価法やフィールドによる後代検定システムの確立は、乳牛改良の飛躍的な向上に大きく寄与した。
北海道での実績は全国的な遺伝評価公表にも応用され、評価手法の開発検討の座長として重責を担い、平成7年には、わが国初の乳牛におけるNTPの公表に寄与した。
帯広畜産大学教授として家畜育種研究室から、この分野に関係する企業や団体などに研究者や実務者として、北海道はもとより全国的にも乳牛改良をリードする多くの人材を輩出し、酪農指導に貢献してきた。

【酪農指導の部】=竹田 國男氏
昭和35年に根釧パイロットファーム開拓者として入植。
昭和39年に根釧パイロットファームホルスタイン改良同志会を組織し、地域における乳牛改良の中心的役割を担った。
乳牛改良団体の役員として、国際化の進展への対応や家畜人工授精事業の体質強化を図るため、道内事業体の再編に取り組み、平成13年にジェネティクス北海道の設立に尽力した。
地域で培われた経験と実績は、全道レベルの農業団体役員としての重責を担うなかで一層発揮され、とくにBSEに対応した農家支援対策の基盤構築や、生乳生産に係わる体制強化対策の推進など、課題解決に向けて精力的な活動を展開してきた。

暑熱対策、TPP問題など、喫緊の課題を研修

2011 年 2 月 28 日

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北海道酪農検定検査協会および乳用牛群検定全国協議会主催の「平成22年度 検定員中央研修会」が28日に札幌市内で開催され、全道から「乳検」関係者360名が参加した。
今年は以下の四つの講演が行われた。

「去年の暑熱から学ぶ」=田中義春氏(北海道・技術普及課・総括普及指導員)
「技術や作業は人主体ではなく、牛主体でなければならない」と前置きし、暑熱ストレスの見分け方とその影響、現場で可能な技術的対応、乳検成績での判断などを解説。
「改善は一度に全部をやろうとしないこと。酪農技術は連結していることから、一つを徹底的に改善すれば良い成果が表れ、次の課題もまた自然と出てくる」と述べた。
※田中義春氏は弊社刊書籍「牛の習性を理解して 技術で分娩前後をのりきる」でお馴染み。

「私の酪農経営と乳検」=松下雅幸氏(鶴居村・検定農家)
改善の取り組みは、乳牛改良、良質粗飼料生産、飼養管理。
衛生的乳質を目指して、パドックの整備、敷料管理、PLテスターで早期発見している様子、また乳牛のモニタリングとして、けん部および肋の張り、反芻、乳房の張り、糞、ボディコンディション、蹄、歩様などを常に確認していることを紹介した。

「乳用牛改良を巡る情勢等について」=葛谷好弘氏(農水省・畜産振興課・課長補佐)
乳用牛への黒毛和種の交配割合が高まっていること、輸入精液の約7割はNTPトップ40より能力が低いものである状況などを紹介。
「平成12年頃までは、国内種雄牛由来と海外種雄牛由来の雌牛の遺伝的能力は同程度であったが、輸入精液が増加し始めた同年を境に、海外種雄牛由来の雌牛の遺伝的改良量が大幅に低下した」と注意を促した。

「どうする酪農?」=鈴木宣弘氏(東京大学大学院・教授)
TPP参加の弊害について詳しく解説し、「冷静に国民的な議論をすれば、拙速な対応は回避できるはずであり、今ここで、酪農家や関係者が(将来不安で)やる気をなくすようなことがあってはならない。事態の正常化に努め、より強い農業づくりにつなげてほしい」と述べた。

2011-2月評価トピックス(国内種雄牛版)を発表

2011 年 2 月 25 日

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家畜改良センターは22日、乳用牛遺伝的能力評価2011-2月の評価結果(国内種雄牛分)を発表した。

1位は総合指数+3298のエンドレス ジアンビ、
2位は同+3183のオージェーフアーム ハート ランカスター ET、
3位は同+2852のヘンカシーン ゴールド ドリーム、
以下順位は同センターリリース、またはこちらをご参照ください。

また、今回新たに9頭の新規種雄牛が登場し、そのうち3位のヘンカシーン ゴールド ドリームをはじめ、
7位ストレチア マウイ チルドレン ET、
9位フオレスト フエアリー エムトト オーマン ET、
10位フオレストフエアリー ブリツツ ゴールデン ET、
14位フオレスト フエアリー ジユラー ウイナー ET、
15位オムラ スイーテイー アレンジ ET、
26位YKT クリスピー フリーダム ET、
35位フリージアEJ クラウンET、の8頭の新規種雄牛が40位以内にランクインした。

なお、本評価結果をもとに、インターブルが算出を行う国際評価値については、4月5日に公表予定。

(独)家畜改良センターHPはこちら

牛白血病、マイコプラズマ性乳房炎、サルモネラ…北海道しゃくなげ会

2011 年 2 月 18 日

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北海道しゃくなげ会(伊藤篤会長)は18日、札幌市内で「第43回北海道しゃくなげ会/総会・研修会」を開催した(事務局=日本全薬工業)。
今年の研修会テーマは昨年に続き「感染症を考える(パート2)」。
基調講演は、
「牛白血病の感染防御対策」(北海道大学・今内覚氏)
講演は、
「北海道におけるマイコプラズマ性乳房炎の現状と防除対策」(北海道NOSAI連合会・草場信之氏)
「牛サルモネラ症の発症要因と発生防止対策」(北海道畜産試験場・仙名和浩氏)
「石狩管内の動物病院におけるMRSA感染の実態とその対策」(まえたに動物病院・前谷茂樹氏)
「黒毛和種ロボット哺乳牛群に対する疾病予防戦略」(中空知NOSAI・村上賢司氏)
「繁殖和牛農家における牛呼吸器病症候群の発生と対策」(オホーツクNOSAI・井上麻里氏)

今内氏は、牛白血病は血液および乳汁で伝播することを解説し、本病は国家レベルでの取り組みがなく、国家補償(淘汰補償)もなく、廃用認定のハードルも高いと指摘。
さらに、メガファームにおける清浄化に向けた取り組み事例を紹介し、清浄化には「まずは陽転率を抑えること、新たな感染牛をつくらないことから」を強調した。

草場氏は、北海道におけるマイコプラズマ性乳房炎の年間発生率は0.3%くらいだが、発見されたときは深刻な事態になっていると話し、
防除対策として、感染牛の摘発(全頭検査、その後のモニタリング検査)、感染牛の対策(隔離、淘汰、治療、経過観察)、搾乳衛生遵守(清拭、ポストディッピング、バックフラッシュ)を解説した。
さらに、初産分娩後が引き金(新規侵入)であることが往々にして見られること、感染牛を完全隔離せずに他の病畜や分娩牛がいるホスピタルペンに入れると同居牛が感染することを紹介し、
対策を一言でいうと「マイコの感染スピードと人間の知恵の勝負である」と語った。

「農場HACCP推進農場の指定」実施

2011 年 2 月 14 日

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 (社)中央畜産会(会長:小里貞利氏)は、このたび「農場HACCP推進農場の指定」を実施するとした。
 安全な畜産物が求められているなか、畜産農場における衛生管理と防疫体制の整備により、衛生管理技術の向上が重要視され、安全な品質の畜産物を生産することが最大の課題とされている。

 そこで今回、(社)中央畜産会の農場では、HACCPの普及促進の観点で衛生管理基準をクリアし、HACCP手法の基本を理解し実際に取り組んでいる農場のうち、一定の基準を満たす農場に対して「農場HACCP推進農場」として指定し、農場HACCPへの理解醸成と認証への取組(農場HACCP認証農場の認証取得)を促進することとした。

 認証は、「畜産農場における飼養衛生管理向上の取組認証基準(農場HACCP基準)」の要件を満たしているか、書類審査と現地審査によって行われる。審査員の条件は、過去に農場指導員研修を受けたことがあり、農場指導経験が3年以上ある人とされている。認証機関の決定や今後の流れに関しては、決まりしだい同会HPで公表される。

口蹄疫「清浄国」に復帰:OIEが認定

2011 年 2 月 6 日

Filed under: — admin @ 1:10 PM ニュース

2月5日、農水省は、昨年10月に申請していた
日本の国蹄疫清浄国への復帰が認定された、と発表した。

これは、OIE(国際獣疫事務局:本部・フランス)科学委員会が、
清浄国としての要件を満たしている、と認定したもの。

同省は今後、従来の輸出国に再開の働きかけを強めるとともに、
新たな輸出先の開拓にも取り組むとしている。
ただし、清浄国に復帰しても自動的に輸出が認められるのではなく、
相手先との個別交渉が必要となる。

同時に、畜産農場の防疫・衛生対策に万全を期すことを
農場や関係機関に求めている。(文責:DJ関東)

*関連記事
本誌2010年10月号付録DVD「酪農場の消毒対策」
本誌2011年連載中「酪農場における細菌コントロール」

牛乳・乳製品は最も国内自給が求められる商品―雪メグ・小原会長

2011 年 2 月 4 日

Filed under: — djito @ 6:58 PM ニュース

雪印メグミルク(株)・酪農総合研究所は4日、札幌市内で酪総研シンポジウムを開催した。
今年のテーマは「酪農現場におけるバイオセキュリティ―予防とリスク低減のために!―」で、全国から約200名が参加した。

主催者挨拶で同社・会長の小原實氏は、日本ミルクコミュニティ(株)および雪印乳業(株)の吸収合併に触れ、「変化の激しい時代に即応できる体制を整備した。4月1日から総合乳業メーカーとして新スタートする」と話し、乳へのこだわり、消費者重視、酪農生産への貢献という三つの使命を掲げていることを語った。

また、「牛乳・乳製品は国内外ともに需給はひっ迫傾向にある」とし、乳製品の国際貿易量は非常に少ないことから、「牛乳・乳製品は最も国内自給が求められる商品である。何としても国内自給を果たしていかなければならない」と語った。

さらに、2011年度の国内は需要が供給を上回ることが予測され、乳製品の過剰在庫は減少することが見込まれていることから、「需給動向を注視しながら、安定供給を果たしていくことが最大の課題である」と述べた。

その後、以下の話題提供および意見交換が行われた。
「家畜伝染病の現状と課題、その対応について」
佐藤洋平氏(根室地区NOSAI・西春別支所)
「北海道における取り組みと課題」
立花智氏(北海道農政部食の安全推進局畜産振興課)
「リスク低減のための提言」
林正信氏(酪農学園大学・獣医学部・学部長)

話題提供の詳報はDairy Japan 3月号で。

23年度生乳需給は需要が供給より大

2011 年 2 月 1 日

Filed under: — maetomo @ 12:27 PM ニュース

 j-milkは1月28日に理事会を開き、平成23年度の生乳需給予測を決定した。これによると、23年度の生乳需給は脱脂粉乳需要ベースで6万1000t、バター需要ベースで1万9000t、それぞれ需要が供給を上回る「需給ひっ迫」が予測されることがわかった。

 j-milkの予測によると、23年度の生乳生産量は北海道でほぼ今年度並みの389万t(100.2%)、都府県で今年度よりさらに減少し368万2000t、計757万1000t(98.8%)と微減する見通し。一方、用途別処理量は、牛乳等向け処理量は牛乳需要の減退に牽引され402万4000t(97.6%)、乳製品向けがほぼ今年度並みの347万9000t(100.3%)と見込まれる。ただ、脱脂粉乳・バターともに、生産量に対して需要量が上回ると見通され、「国産生乳」の需要で見ると、冒頭のような需給ひっ迫が予測されるとしている。
 j-milkは「23年度は生乳供給量と需要量、ともに減少するが、結果として今年度同様に需要が供給を上回ると見込まれるため、乳製品在庫はさらに減少する見通し」とし、「国産牛乳乳製品の安定的な供給に努め、需要の喪失が起こらないような需給調整対応を行うべき」としている。

ホクレン家畜市場:1月の初妊牛相場は57万1000円と強含みで推移

2011 年 1 月 31 日

Filed under: — djito @ 11:07 AM ニュース

ホクレン家畜市場の初妊牛相場・1月集計分が、ホクレン・酪農部・家畜販売課より発表された。

1月については、昨夏の猛暑による分娩時期のズレが懸念されるなか、春産み資源の減少が見込まれ、通常回転需要に加え、次年度生乳生産基盤の確保に向けた手当需要によって、平均価格は57万1000円(前月比4万1000円高・前年比4万7000円高)と強含みで推移している。

2月についても、前述の状況の継続が予測され、現状を維持した相場展開が予測される。

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