7月号の取材で訪れた中国四国酪農大学校で撮影した一コマです。
ジメジメしやすいこの季節、とくに注意したいのは搾乳タオルの管理ですね。搾乳タオルの衛生状況は、乳房炎にも影響してしまいます。そこで興味深い「知恵と工夫」を教えてくれました。
搾乳タオルの洗濯前に洗濯機のごみ取りネットの点検清掃と、乾燥機の掃除もルーティーンにしていると言います。乾燥機のフィルターの目詰まりは乾燥不良などの元になります。そこで、写真のように洗濯機脇に家庭用掃除機を設置し、フィルターを掃除すると言います。
掃除機を乾燥機のフィルター掃除用として常に脇にセットしておくことがポイントです。掃除のたびに移動させると、面倒になり、掃除がおろそかになりがち。今からでも簡単に取り組める乳質維持の工夫でした。ぜひ、ご参考に。
生産費高騰に対して今できることは?
先日、酪農家さんとの話の中で「エサ代が年間で600万円以上上がった」という声を耳にしました。これは、日本人の平均年収より高いです。人が一人雇えるほどの値上がりは、一経営体にとっては非常に大きいです。
では、それに対して業界では何ができるでしょうか。たびたび耳にする「酪農乳業界が一丸となって」という言葉の中には誰の、どのような行動が必要なのでしょうか? 役割ごとに考えてみました。
酪農家は
今できる管理面、ロスを見つけ、ロスをなくすにはどうするか考え、実践する(こういう時にDairyJapanは役に立ちます)。
今、生乳1Kgが何円で買われ、一方で、生乳1Kgを作るには何円の飼料やコストがかかっているのかを改めて知り、外に強く発信する。
組合組織、指定団体は
酪農家がおかれている現状を正しく把握する。
乳業メーカーに対しての乳価交渉
根本的に出口対策となる策の模索
乳業メーカーは
酪農家がおかれている現状を正しく把握する。
積みあがる脱脂粉乳、バター在庫の新たな出口、消費方法を考え、実践する。需要がコロナ禍前に戻らなかった場合に備えた対策を考える。
酪農家がいなければ乳業メーカー、組合は成り立たないですが、逆もしかりですね。今一度、各々の状況を理解し、大勢が意思を発することで、変わるきっかけが生まれるのではないかと思います。
皆さんが考えつく対策やお考えも、ぜひ教えてください。
全入口に踏み込み消毒槽
釧路管内C牧場です。
衛生管理に常に気を配り、牛舎のすべての入口に、石灰の踏み込み消毒槽を置いています。
牛舎に出入りする際は、来場者(獣医師や人工授精師など)はもとより牧場スタッフ全員も必ず踏み込み消毒します。
消毒槽は糖蜜の空き容器。「蓋(ふた)もあって便利ですよ!」とのことでした。
今日は牛乳の日!
【今日は牛乳の日!】
6月になりました。2022年も折り返し点が見えてきました。早いものです。
今日は牛乳の日、そして今月は牛乳月間です。
「牛乳、飲みましょう!」という発信も重要ですが、生乳消費増に向けて、農場レベルでできることがないか考えていました。
例えば、最近は、コーヒーなどはブランドから生産者(焙煎者・販売者)の思いやソウルを載せた売り方が流行しており、消費者も、ただ単に買うだけでなく、そのコーヒーに込められたストーリーも一緒に買うような動きがあると感じています。
生乳に対する生産者の思いやストーリーならば、酪農家の皆さんに勝るものはないと思います。牛を健康に、愛情をもって育て、安全な生乳を搾ろうと日々頑張る皆さんの姿は、私達が農場に取材に行って肌で感じているので間違いないです。
「牛乳は”愛”でできている」と教えてくれた酪農家さんの言葉を思い出しました。
酪農家の顔や人柄が見えることでより、牛乳に親しむ人も増えるのではないでしょうか。
これから先も牛乳を美味しく飲んでもらうために、生産者の皆さんからもぜひ、生乳生産や酪農に関する発信をしてみてはいかがでしょうか!
タワーサイロを展示室に
昨日は岡山県にある中四国酪農大学校にお邪魔しました。同校は県内外の酪農場などで活躍する優秀な人材を育てることでも知られています。
さて、同校には第1牧場、第2牧場の二つの牛舎があり、日々学生が実習し、技術を磨いています。そんな第1牛舎はサイクリングロードに面していて、ときより休憩で足を止める方も多いそう。足を止めた方々に酪農をもっと理解してもらおうと、写真のようにタワーサイロを酪農展示室に改造し、公開しています。
展示内容は学生が考え、作成したものだといいます。牛の生理や酪農家の日々の取り組みが、わかりやすく展示され、楽しく酪農を学ぶことができます。
皆様も近くを訪れた際、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう? なお、展示室より先は、防疫上立入禁止となっています。