水:DairyJapan9月号

【水】(DairyJapan9月号より)

連載「酪農キーワード」より8・9月号と続けてのテーマです。

日常皆さんは、どの程度「水」を意識していますか?私達も当然のように飲みますが、牛にとってもまた最重要な要素であることは間違いありません。

皆さんの農場では、どのように水を確保してるのでしょうか。井戸水や沢水でしょうか、水道水でしょうか。水道水は、水質に一定の基準が設けてあり、超安全です。水道を経由しない水では、河川、湖沼、地下水でそれぞれ水質に違いが出てきます。それぞれに特徴があり、適した浄化方法・浄化装置が違います。

たかが水、されど水です。乳牛は乳生産のためにも体の維持のためにも、毎日大量の水を摂取します。使用している水に不安を感じる人は、水処理を専門とする業者さんなどに調べてもらうと、最適な方法が見つかるかもしれません。

普段何気なく給与している水はベストな水なのか。特定の除去すべき物質に対応できているか、本稿で今一度確認してみるのはいかがでしょうか。

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安全で快適な職場に:「こうすれば農場はもっとうまく回る」

【課題解決ミーティングの進め方】(書籍『こうすれば農場はもっとうまく回る』より)

皆さんは従業員同士、または家族間でのミーティングは実施していますか?

どのように進めたらよいのか、ミーティングを実施した結果、何につながるのかはっきりしないなんてこともあるのではないでしょうか。

著者である丸山純氏が代表を務める朝霧メイプルファームでは以下のようにミーティングを進めています。

本書では、牧場の改善やレベルアップを図る最高のタイミングは「何か問題が起きたとき」とされています。

・トラブル発生

・状況を全員に共有

・なぜ起きたか?解決策も含め全員が考える

・全員で共有し、農場としての解決案を考える

・解決案を実施する

・再度ミーティングをおこない、解決案に対して検証する

・さらなる解決案を模索する

という流れになります。

まさに「PDCA」サイクルの実践ですね。

ポイントは、トラブルを「誰かのせいにしないこと」。その人が100%悪いということはあまりなく、少なからずトラブルにつながる環境を排除することで未然に防げるということです。ミスが起こり得ない状況を作ることに意識を向けようとのことです。

『こうすれば農場はもっとうまく回る』

 

フレッシュ牛の栄養管理:DairyJapan9月号

【アルバータ大学で行なった研究紹介】(P12)

7月号より集中連載でお届けしている本シリーズ最終回では、「フレッシュ牛の栄養管理を最適化する」ことをテーマにアルバータ大学で研究した結果を紹介しています。

クロースアップ期→フレッシュ期にそれぞれどのようなデンプンの濃度でエサを設計すればよいのか?本研究ではそれぞれ四つの組み合わせで(低デンプン→低デンプン、低→高、高→低、高→高)検証しています。

高→高が一番乳量が高まりそうだが代謝障害リスクも高まりそう、低→高だと急なエサ設計の変更でルーメンにストレスがかかる、など予測が立てられます。

それぞれの栄養管理の結果として、乾物摂取量、乳量、NEFA濃度、Hp(ハプトグロビン)濃度、SAA(血清アミロイドA・炎症につながるもの)濃度を表にまとめています。

本稿の試験結果では、低デンプン→高デンプンで一番乳量を高めたという結果になりました。しかし、以前の研究では、低デンプン→低デンプンが最も乳量を高めるとされています。結果に対して著者の大場真人氏も「驚きだった」と記しています。

なぜこのような結果になったのか?細かな解説と懸念される炎症や、給飼における重要なポイントは、本誌で確認してみてください。

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「濃厚・粗飼料自動給給餌機の経済性」:DairyJapan9月号

自動給飼機の導入で酪農経営のゆとりと所得アップ!(DairyJapan9月号p16)

全国で大多数を占める繋ぎ飼養での酪農経営。個体管理しやすい一方、フリ―ストール飼養に比べ、搾乳、給餌において作業性に劣り、多頭化しづらかったり、過重労働が生じやすかったりします。

そこで本稿では、繋ぎ牛舎で導入する「濃厚・粗飼料自動給餌機」の経済性を明らかにしました。

本稿での調査では、人力(手やり)、機械給餌(手動)、濃厚飼料自動給餌機、濃厚・粗飼料自動給餌機それぞれの手法で管理する農場を比較しました。

比較の内容は1日当たりの労働時間、生乳生産経費、農業所得の変化などです。そのほか自動給餌機導入に伴う投資額などもまとめられています。

詳しくは本誌を参照いただきたいですが、単純に労働時間の減少だけでなく、多回給餌による飼料効率の向上などが影響し、さまざま面で好影響が出る結果となりました。

フリ―ストール・ミルキングパーラーへの建て替え移行に比べると、省力性は劣るものの、飼養管理方法の変更が伴わないことから技術的なリスクが低く、個体管理がしやすいだけでなく、多回給餌などもしや少なると期待できます。

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飼料効率向上の取り組み③:DairyJapan9月号

エサの原料価格高騰が叫ばれるなか、いかにして飼料効率を高めるか。

【岡山県N牧場の場合】

飼料原料の高騰をヒシヒシと実感するNさん。改めて乳飼比を最適にい直し、利益を出す方向で考えています。エサ代抑制の一つの方法は自給粗飼料生産。作付け規模も拡大し、近隣への販売も行なっています。

N牧場では自給飼料生産のリスクも考えて注力して生産する品目を変更してきたそうです。稲WCSでは給与量に限界が……デントコーンでは台風の際の倒状リスクが……などのリスクが潜んでいます。そのようなことも考えながら現在はグラスサイレージに力を入れています。さらに理想のTMRに近づけるために、嗜好性が高いジュース粕や乾物率の高い輸入デントコーンなど、価格を抑えながら原料を工夫して調達。

購入・自給それぞれにリスクがあることを理解しながら時代に合わせて最適な飼料設計をするN牧場。要チェックです。