8台ロボット搾乳で『農場HACCAP』を取得 Kalm角山

Kalm角山01s

Kalm角山02s

Kalm角山03s

搾乳ロボット8台で生乳生産を急増している株式会社Kalm角山(北海道江別市、百瀬誠記代表取締役)が7月に、『農場HACCP』の認証を取得した。
農場HACCPとは、生産物の安全を保証するために、畜産農場が自らの飼養衛生マネジメントシステムを構築するもの。平成21年に農水省から『畜産農場における飼養衛生管理向上の取組認証基準(農場HACCP認証基準)』が公表され、平成24年から認証制度が開始された。今年6月までに認証を取得した酪農場は全国で12軒しかない。

●年間5600t出荷目標は1年前倒しで達成見込み
Kalm角山は、サツラク農協(札幌市)の組合員5戸によって平成24年に設立され、昨年(25年)8月に稼働した。480頭収容のフリーストール牛舎に、国内最多となる8台の搾乳ロボットを装備し、従事者は10人(事務含む)、現在の搾乳牛頭数は360頭となった。
平成30年度にフル生産の年間5600tの生乳出荷を目標としていたが、その予定は早まり、来年(29年)度に1年前倒しで目標達成される見込みとなっている。

●HACCP構築でスタッフ全員が一つに
「われわれの日頃の作業は、各々の経験や感覚に基づいたもので、いわば職人的な部分もあった。しかし、それら一つ一つをHACCP構築のために文書化していくことで、自分が今まで行なってきた作業を見直し、全員で統一することができた」と川口谷専務取締役。
さらに「構築が進むにつれてスタッフ全員の意識も向上し、全員で一つの方向に向かって歩んでいるという感覚が強まった」と手応えを語る。

●搾乳ロボットの円滑稼働・効率化にも一役
「ロボット搾乳は、とかくロボットに任せ切りになりがちだが、今回のHACCP構築で、搾乳ロボットを円滑に、そして効率良く動かしていくための作業工程を明確にすることもできた」と川口谷専務は言う。
さらに、「HACCPとは構築することが目的なのではなく、いかに遵守するかが一番大切だ」として、今後もスタッフ・ミーティングや勉強会を継続していくという。
そして、「HACCP認証を活かした生乳の付加価値化を考え、サツラク農協乳業プラントを通じて、消費者とつながっていきたい」と語る。

ズボラではありません

TMR密封保管

「自分はズボラな性格なのですが……」と言う根室管内のOさん。
いえいえ、これを見れば几帳面であることがわかります。
TMRセンター利用組合員のOさんは、圧縮梱包されて毎日配送されるTMRを朝晩2回に分けて給飼しています。
そして余ったTMRは、鮮度をできるだけ落とさないように、このようにきちんと密封して保管しています。

詳しくは、Dairy Japan 8月号で。

“新規就農者ならでは”の施設投資

blog1

blog2

blog3

Dairy Japan 次号(8月号)のルポ特集は「お金をかけるところ・かけないところ」です。
その取材で、6年前に新規就農したO牧場(60頭繋ぎ飼養)にうかがいました。
そこで、“新規就農者ならでは”の施設投資にうなずきまた。
それは、バルク室の上の“ロフト”新設です。
若い夫婦2人が牛舎作業をしている間、子ども達が安全に遊んでいられる場所が必要だからです。
ロフトの窓からは親の様子が見え、親はすぐに子ども達のところへ行けます。
約50万円の投資だったそうです。
“親子の絆/家族のやさしさ”を感じる一室です。

自家産乳で“うちの味”スイーツ

スイーツ1

スイーツ2

札幌市に隣接する江別市で家族酪農を営むW牧場。
奥様Yさんのケーキ・お菓子作りは“プロ並み”と評判です。
こだわりは、自分流にレシピをアレンジして“うちの味”にすること。
チョコレートの種類を変えて甘さを抑えたり、牛乳はもちろん、所属するサツラクの濃縮ヨーグルトペースト(ピュアブラン)や無塩バターをふんだんに使って、味や風味、触感などを調整したりします。

写真は取材時に用意していただいたスイーツです。
『蒸しプリン』は自家産牛乳と卵、砂糖、バニラビーンズで。
『ニューヨークチーズケーキ』はピュアブランとクリームチーズで。
おしゃれにラッピングされた『チョコレートフィナンシェ』は無塩バターがたっぷり。
どれも、まさに“プロ並み”です。

詳しくはDairy Japan 7月号で。

ナンボ? うちの「廃棄乳」損失額

20160520ブログ用

出荷できない乳房炎乳、出荷を控えたい体細胞数の廃棄乳――どの牧場でもあるのが普通です。
ただし、その廃棄乳量(発生量)は牧場によって、けっこう違いがあるようです。

十勝管内のW牧場はあるとき、「うちは1日、どれだけの乳を廃棄して、その損失はいくらなのだろう?」と計算して、愕然としたそうです。
以来、廃棄乳を少なくするために勉強し、情報を集め、良いと思ったことは積極的に取り組んできましたた。
今やそれらが奏功し、搾乳牛156頭の1日当たり生産乳量は6240kgで(1頭平均40kg)、平均体細胞数は6.5万/ml。
乳房炎による廃棄乳は、多いときでバケツ2杯(36L)程度です。
【詳しくは Dairy Japan 6月号で】

ちなみに平成24年度十勝NOSAIデータによると、乳房炎1事故当たりの平均治療費は1万1924円。
また、治療による生乳出荷停止による損失は、平均治療日数が約6日間で休薬期間が4日間と計算すると、約10日分の乳量損失となるそうです。
MASTITIS CONTROL 2(十勝乳房炎協議会)より】