Dairy Japan 次号(8月号)のルポ特集は「お金をかけるところ・かけないところ」です。
その取材で、6年前に新規就農したO牧場(60頭繋ぎ飼養)にうかがいました。
そこで、“新規就農者ならでは”の施設投資にうなずきまた。
それは、バルク室の上の“ロフト”新設です。
若い夫婦2人が牛舎作業をしている間、子ども達が安全に遊んでいられる場所が必要だからです。
ロフトの窓からは親の様子が見え、親はすぐに子ども達のところへ行けます。
約50万円の投資だったそうです。
“親子の絆/家族のやさしさ”を感じる一室です。
投稿者: ItoHiroshi
自家産乳で“うちの味”スイーツ
札幌市に隣接する江別市で家族酪農を営むW牧場。
奥様Yさんのケーキ・お菓子作りは“プロ並み”と評判です。
こだわりは、自分流にレシピをアレンジして“うちの味”にすること。
チョコレートの種類を変えて甘さを抑えたり、牛乳はもちろん、所属するサツラクの濃縮ヨーグルトペースト(ピュアブラン)や無塩バターをふんだんに使って、味や風味、触感などを調整したりします。
写真は取材時に用意していただいたスイーツです。
『蒸しプリン』は自家産牛乳と卵、砂糖、バニラビーンズで。
『ニューヨークチーズケーキ』はピュアブランとクリームチーズで。
おしゃれにラッピングされた『チョコレートフィナンシェ』は無塩バターがたっぷり。
どれも、まさに“プロ並み”です。
詳しくはDairy Japan 7月号で。
ナンボ? うちの「廃棄乳」損失額
出荷できない乳房炎乳、出荷を控えたい体細胞数の廃棄乳――どの牧場でもあるのが普通です。
ただし、その廃棄乳量(発生量)は牧場によって、けっこう違いがあるようです。
十勝管内のW牧場はあるとき、「うちは1日、どれだけの乳を廃棄して、その損失はいくらなのだろう?」と計算して、愕然としたそうです。
以来、廃棄乳を少なくするために勉強し、情報を集め、良いと思ったことは積極的に取り組んできましたた。
今やそれらが奏功し、搾乳牛156頭の1日当たり生産乳量は6240kgで(1頭平均40kg)、平均体細胞数は6.5万/ml。
乳房炎による廃棄乳は、多いときでバケツ2杯(36L)程度です。
【詳しくは Dairy Japan 6月号で】
ちなみに平成24年度十勝NOSAIデータによると、乳房炎1事故当たりの平均治療費は1万1924円。
また、治療による生乳出荷停止による損失は、平均治療日数が約6日間で休薬期間が4日間と計算すると、約10日分の乳量損失となるそうです。
【MASTITIS CONTROL 2(十勝乳房炎協議会)より】
酪農にも『アンジェリーナ効果』!?
4月20日付『DJニュース』で既報、『牛づくりの会』でジェネティクス北海道の伊藤克美氏が報告した、新たなゲノミック評価である、健康形質(耐病性)に重みを置いた『デーリィ・ウェルネス・プロフィット・インデックス』を聞き、『アンジェリーナ効果』を思い出した。
それは、米国の女優であるアンジェリーナ・ジョリーさんが、乳癌と卵巣癌の発生が高くなるとされる遺伝子に変異があるとして、予防のために両乳腺を切除する手術を受けたことを明かし、世界中にインパクトを与えたもの。
乳牛もゲノミック評価で、乳房炎、跛行、子宮炎、胎盤停滞、第四胃変位、ケトーシスの発生リスクが事前にわかれば、酪農現場へのインパクトが広がりそう。
ちなみに米国の大規模牧場での、上記疾病の発生率と淘汰リスクは以下という。
乳房炎12~40%・32.7、跛行10~48%・16.0、子宮炎2~37%・17.1、胎盤停滞5~15%・31.7、第四胃変位3~5%・26.9、ケトーシス5~14%・32.5
酪農家だからできちゃうんです!
ジャージー種は趣味で飼い始めて、10頭ほどに増えたという根室管内のH牧場。
「ホルスタイン乳+ジャージー乳のブレンド乳(ハーフ&ハーフ)は飲んで美味しいし、ジャージー乳はシチューに使うと最高に美味しいですよ」とのこと。
酪農家だからこそできる醍醐味ですね!