シャロレー

北海道根室管内別海町の預託OPU(経膣採卵)牛舎で、シャロレー種という真っ白なフランス原産の肉用牛を初めて見ました。
その肉は赤身が多くとても美味しいらしいです。
肉量が多いことから交雑種(F1)の生産にも使われるとのことです。
黒毛和種とのF1はワロレーと呼ばれ、その毛色は白×黒だからグレーになると聞き、冗談かと思ったら本当だそうです。
その肉はどのようなものか興味津々です。

ヒヤリハット:速やかに対処を

写真はミルキングパーラー・ピットの一部分ですが、ここだけでも5カ所、事故防止の改善がなされていました。Dairy Japan 3月号(発売中)のルポ特集『農作業事故を防ぐ現場の実際』で取材訪問した、ホクレン訓子府実習農場です。「“多少の危ないは当たり前”と思ってはだめ」とし、ヒヤリハットがあれば報告し、速やかに対処されていました。
【写真説明】
①階段に滑り止め
②踏み込み消毒槽(容器)の高さを一番下の階段の高さに合わせた
③階段からプラットフォームに移る際に空中を跨いでいたが金網を取り付けた
④洗浄のお湯が高温なのでヤケドしないよう混合栓にした
⑤丸棒だったハシゴを平鉄にした

血乳対策法

Dairy Japan 2月号に「周産期乳牛における血乳の発生要因とその対策」が載っています(黒岩朋子氏・NOSAI宮城 県北家畜診療センター・獣医師、向井和久氏・(株)林原 新領域開拓室 飼料プロジェクト、共著)。
血乳が発見されるのは分娩後の初回搾乳時がほとんどですが、分娩前にすでに血乳になっている場合もあるそうです。
血乳の発生は酸化ストレスが関連している可能性があることから、抗酸化物質を充足させることも対策法です。
本記事には、その試験効果が解説されています。

お待たせしました!『NASEM 乳牛栄養要求』2月1日発刊・予約受付開始

前版(NRC 2001)から20年。NASEM(全米科学工学医学アカデミー)は2021年12月、最新の『乳牛栄養要求 第8版』を発刊しました。
それは大幅な改定で、本版(原本)は何と500頁超えです(前版は381頁)。
デーリィ・ジャパン社は本版の和訳・出版権を取得し、特別編成された翻訳チームが総力あげて完訳しました。
本版を存分にご活用いただき、最新の乳牛栄養学が日本の酪農現場で展開されることを切望します。
2月1日発刊、ご予約承り中です。
https://dairyjapan.base.ec/items/70124359

以下は【序文】の一部です。
~~最大の改訂はタンパク質である。タンパク質/アミノ酸の供給と要求量推定システムは、第7版に比べて徹底的に改訂を行い、タンパク質よりもアミノ酸に重点を置いて構築した。乾物摂取量の方程式は、すべての段階の牛に適合するように開発され、場合によっては、家畜の特性に応じた飼料係数を用いた。子牛のタンパク質、エネルギー、ミネラルの要求量システムは大幅に改訂した。環境への影響を推定するために、窒素とリンの糞尿排泄量と同様に、メタン生成量が見積もられる。~~

新鮮空気!

冬本番となりました。この時期、コロナ予防やインフルエンザ予防などで、室内の換気の励行をよく耳にします。牛舎も然(しか)りですね。
Dairy Japan 12月号・1月号に「新鮮空気! それが生産の土台です~牛飼いが考える近代牛舎換気~」と題して、牛舎の大型化を念頭に、強制換気に絞った詳しい説明が載っています。
そして、その最後には、以下の示唆に富む文書が書かれています。
「牛舎は乳牛を収容するための単なる入れ物ではありません。乳牛の安楽性をいかに高めるかを追求した、特別な機能を備えた建築物です。~中略~とくに何十年も使用する牛舎構造については、もし欠点があれば、経済損失も何十年にもわたって発生することになります」
本記事をご一読のうえ、牛舎の換気を再チェックしてみてください。