なんと驚き元タワー型サイロの家

北海道別海町のW牧場では、使わなくなったタワー型サイロを有効利用しています。
再利用する場合、多くは車庫や資材庫にしたり、あるいは事務所として使うことがあります。
しかし、W牧場では、なんと家の一部として使っています。

今では有名な画家・大竹伸朗氏は、以前このW牧場で働いていたといいます。
そのこともあり、当初は遊び小屋として使う予定だったのを、
大竹氏の作品展を行なうギャラリーとして使っていたということです。
その後、作品展も終わり、息子さん家族の家として改増築して今の形になりました。

サイロの中の広さは驚きの20畳超えということです。
サイロの外観をそのまま使うことで、なんとも牧場に合う趣深い家になっています。
考え方によって、タワー型サイロはさまざまな利用方法がありますね。
横の電柱にある標識もかわいいですね。

大胆な移動式カウハッチ

十勝管内のM牧場では、子牛のカウハッチに驚くものを利用していました。
それはなんと、使わなくなった軽ワゴン車です。
子牛の乗っている軽ワゴン車はなんとも不思議でした。
M牧場では、基本的に、いわゆるカウハッチに子牛を入れていますが、
分娩が重なり、ハッチが足りないようなときに軽ワゴンハッチを使用しています。

牧場の施設レイアウト上、乾乳牛舎が分娩房と離れており、
分娩が近くなったら分娩房へ移すのだそうですが、移す前に産まれてしまった場合は、この軽ワゴンで乾乳牛舎まで迎えにいくそうです。
さらに、車を利用することで、雨風から子牛を守ることができ、
窓を開ければ、換気もしっかりできます。

カウハッチならぬ、カーハッチですね。

防疫意識を高めよう!

先日訪れた十勝忠類の牧場で、
町をあげての防疫意識の表れを見ることができました。
これは、改正家畜伝染病予防法にかかる、
飼養衛生管理基準および特定家畜伝染病防疫指針の見直し等
平成23年10月1日付けで施行されました。
これを受け、幕別町では、幕別・札内・忠類の3農協に所属する農家に対して、
幕別町家畜伝染病自衛防疫組合から「衛生管理区域立入記録簿」と
その表示パネルが配られました。
基本的にこの記録簿には、牧場を訪問した者すべてが記入するものですが、
納品伝票や人工授精記録、診療記録の残る獣医師や人工授精師などは、
記入を免除されるとのことです。

今回の設置により、町内全員で「防疫意識を高めよう!」
という強い気持ちが伝わってきます。

みなさん、これからも防疫意識を高く維持しましょう!

地場の特産品で、牛舎周辺のぬかるみ防止

オホーツク管内の興部町では、多くの牧場で写真のような光景を見ることができます。
地面に敷き詰められているのは“ホタテの貝殻”です。
同地域は地盤が粘土質ということで、
雨が降ると牛舎周りなどが泥濘化してしまうそうです。

今回うかがった牧場では、はじめに砂利を敷いたところ効果があり、
その上に、近くの海鮮物加工工場から入手できる
“ホタテの貝殻”を敷き詰めたところ、水はけが良く、効果てき面だということです。
なお、ホタテの貝殻を利用するにあたっては、
飼料に混入しないよう十分に注意もしています。

これは、同町の基幹産業である酪農と漁業をうまく連携させている一例です。
このように他産業との連携ができれば、また新たな発見がありそうですね。

柔軟な考えで、良質なサイレージをつくる

雨が続き、2番草の刈り取りも遅れに遅れる最中、
デントコーンの根腐れ病の蔓延も心配されている十勝管内。
同管内にあるK牧場では、早めに刈り取ったデントコーンで、
写真ように、ある工夫をされていました。

同牧場では今年、デントコーンの収穫量が多かったため、
バンカーサイロに入りきらない分をスタックサイロで積み上げ、
その頂上にラップサイレージをきれいに並べて乗せています。
これは、収穫量が多くスタックサイロが高くなったことで起こる
タイヤショベルでの鎮圧の甘さをうまくカバーできるということ。
こうすることで、良質なコーンサイレージができるそうです。

普段とは違う状況になったときでも、まわりにあるものを利用して融通が利くと、
それだけで強いなと思いました。