十勝南部の農業改良普及員さんが、飼槽に給飼されたTMRが牛達に採食されながら、時間経過とともに、どのように形を変え、移動し、中身を変えていくのか、等々を細かく調査して結果をまとめました。
この調査は、6農場において、夏季および冬季の2回、給飼から次の給飼までの12時間、飼槽のエサの動きと牛の採食行動を調査したものです(2農場では冬季24時間観察)。
その目的について普及員さんは、「皆さんネコの手も借りたい忙しさ。だからこそ、牛の採食要求と人の労働軽減に配慮した飼槽管理の方法を、生産現場での調査結果から検討したかった」とのことです。
調査結果は、牛達が最も採食する飼槽の位置(=採食ターゲット位置)は飼槽隔壁から30~60cmだったこと、牛達の鼻や舌で押されたTMRは給飼1時間後で飼槽隔壁から75cm付近を頂点とする山を形成していたこと、等々が示されています。
それらの結果から以下を提案しています。
【大前提】
□飼槽を空にしない(乳牛の採食行動を阻害しない)。
□エサ寄せはできるだけ頻繁に行なう(エサ寄せロボットは有用)。
【労働力がない場合】
《給飼のタイミング》
□夕方1回給飼
□ミキサー容量が不足する場合は朝夕2回給飼でTMRの給与配分を調整(例:夕方70%・朝30%)
《エサ寄せのタイミング》(朝夕2回給飼の場合)
□給飼後1時間以内
□給飼後4時間以内(採食行動に合わせたエサ寄せ)
《飼槽内でエサを置く場所》(給飼・エサ寄せする場所)
□飼槽隔壁から30~60㎝(飼槽ターゲット位置、給飼後1時間でTMRの高さが最も低くなった位置)
※詳報はDairy Japan 10月号「飼槽のTMRはどう動く?――給飼・エサ寄せのベストタイミングとは」で。