昨秋の北海道胆振東部地震の際、全道が大停電に陥り、多大な被害が出ました。
そのとき、「そこにバイオガスプラントがあるのに、それが使えないとは……」と歯がゆさを感じていた方々も多かったのではないでしょうか。
バイオガスプラント電力の自家使用は、本当にできないのでしょうか?
答えは、ノーでした。
江別市のKalm角山(経産牛560頭)は、牧場建築と同時にバイオガスプラントを併設した際、再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT法)の認定で「プラント電力の自家使用は認められない」と聞き、それゆえ非常時に備え、別の自家発電機を導入していました。
しかし先の大停電で、プラントは停止してもガスは発生し続けるので放出するしかない不合理と環境への悪影響をおぼえ、同牧場は経産省にその事実を、直に伝えました。
すると経産省から、「FIT法では自家使用を制限していない(ただし自家使用する場合は電力会社に変更届が必要)」との文書回答があったそうです。
ということは、FIT法においてもバイオガスプラントの電力を自家使用できる、ということです。
それを受け、同牧場は、バイオガスプラントを非常用電源として使えるようにシステム変更を計画しています。
さらに、「それならば、バイオガスプラントを持つ牧場は市町村と連携して、非常時の拠点となる仕組みを作っていくこともできる」と同牧場は提案しています。
※詳細はDairy Japan 2月号で