北海道農政部は口蹄疫侵入防止対策の徹底を図るため、「口蹄疫を農場に持ち込まないチェックリスト」を作成し、5月20日付けで、道内全戸の偶蹄類飼養農家がこのチェックリストを参考に自らが点検を実施してもらうよう通知しました。
これは家畜伝染病予防法/家畜衛生管理基準のなかから、口蹄疫に関して重要なポイントをまとめたものだそうです。
「防疫意識を高めそれを維持するためにも、ぜひご活用いただきたい」と北海道農政部は話していました。
宮崎県での口蹄疫発生に伴い、北海道は4月21-30日に牛・豚・羊などの飼養農場全戸(1万450戸)を対象にした緊急調査を行い、4月30日時点で口蹄疫の疑いがないことを発表しました。
それと同時に、口蹄疫侵入防止の徹底、農場立入時における消毒の徹底を呼びかけるポスターを全戸、関係機関に配布しました。
根室管内のJA中標津は4月26日に、家畜飼養組合員全戸に石灰と薬液(踏み込み消毒槽用)を配布しました。
以来、どの農場も入口は石灰で真っ白です。
集乳車も農場に出入りするごとに消毒しています。
「人や物資の移動がある以上、(宮崎県との)距離は関係なく防疫体制を強化しなければならない。国民全員にその認識を持ってもらうために、そうした情報をもっと報道してほしい」と関係者は話していました。
緊張が続く口蹄疫。
地元では、想像を絶する苦しみのなかにありながら、感染をこれ以上広げないために懸命の努力をされていることを思うと、いたたまれない気持ちです。
以下は、たまたま、この口蹄疫が起こる前に訪問した十勝管内と空知管内の農場の取材メモの一節です。
牧場の入り口に、「関係者以外立ち入り禁止」の看板は立てています。(10年前に)口蹄疫が出たときに、町から配られました。踏み込み消毒槽は、パーラー入口に置いています。あとは牧場の入り口に、外来の車両のために石灰を撒きます。幅6mくらいで、雪が解けてからです。白くなくなってきたら撒きます。雨が降れば撒きます。
(10年前に)口蹄疫が出たときは、牧場に入口にチェーンを張って、「関係者以外進入禁止」にしたこともありました。うちは車の往来が多い道路に面していて、間違って家畜車が入ってくることもあるので。
ヘルパーと獣医師、授精師には、うち専用の作業着と長靴を用意しています。牛舎の入り口で、それを着用してもらっています。この方式にしたのは、(10年前に)口蹄疫が発生したときからです。
いま日本中の家畜飼養農家は、防疫体制レベルを最大に引き上げなければなりません。