人間が、そういう状況に追い込んでいるのだ

「泌乳量を気にするのであれば、泌乳量を制限している要因を取り除けばいい。牛が乳を出せない状況を、自分がいろいろなところで作っている。それなのに、エサと種で乳を出す方向に持っていこうとするので、牛が体を壊してしまう」

「牛たちにとって、牛舎や搾乳室などが“嫌な場所である”という感覚があれば、それはすべてに影響する。人間にとっては、どうでもいい。あくまでも、牛たちにとって“気持のいい場所”にしなければならない」

「体が汚れている、くさい、などというのは、牛が動物だからではない。人間が、そういう状況に追い込んでいるのだ」

十勝管内のHさんにお会いしたときの取材メモです。
深いぃー話です。

借金せずに自力でやれてきた証・目印

十勝管内のY牧場は、7基目のバンカーサイロを増設中です。
毎年1基ずつ、徐々に増やしてきました。

このたびは運良く補助付きリース事業で建設しましたが、今までは毎年、全額を自己資金でまかなってきました。
「1年間の収支の中で、バンカーサイロ代を支払っても年末に組勘で多少の余裕があれば、借金せずに自力でやれた、という気持ちになるものですよ」とYさんは言います。
「何をするにもお金を借りなければならないのでは、つらい酪農をやっている、という気持ちになっちゃいます」とも。

水・水・水

一昨日から十勝にいます。
昨日の帯広市は最高気温27.8℃で今季一番でした(ちなみに朝の最低は6.4℃)。

帯広に程近い十勝管内のOファームは、飲水にとても気を配っています。
フリーストール牛舎には、水槽を足して、足して、足して――飼槽幅と同じくらいの水槽幅です。

「水を飲みたいのに、“待つ”というのはダメです。すぐに飲めるようにと配慮したら、結局、こうなりました」とのことです。

Welcow(ウェルカウ)アイス from なかしべつ

札幌郊外に、美味しいアイス、ソフトクリームのお店があります。
その名は「Welcow(ウェルカウ)アイス from なかしべつ」です。
(北広島市大曲242-9、TEL 011-788-3448)

もちろん「中標津牛乳」(85℃・15分間殺菌)で作るのが、こだわりです。
「いろいろ試してみたのですが、中標津牛乳で作ると味が全然違うんです」というオーナーの北美都里さん。
北さんは、中標津町の酪農家の娘さんでもあります。

なるほど、味が濃いのに、後味さわやか!
「中標津牛乳」も販売されています。
お店には牛の絵本などもあって、楽しいですよ。

護蹄を考慮した「木レンガ」の牛床

「男爵(だんしゃく)イモ」の生みの親として知られる川田龍吉男爵(1856-1951年)は、近代農業を実践するため、道南の北斗市に試験農場をつくり、アメリカからさまざまな農機具や農業資材を輸入しました。
大正13年に建てられたキング式牛舎は、今は「男爵資料館」として生まれ変わり、そこには川田男爵が輸入して使った農機具がたくさん展示されています(http://www15.plala.or.jp/dansyakuimo/)。

その資料館で注目したいのは、「牛床」です。
なんと「木(もく)レンガ」なのです。
そしてそこには、「牛の爪を保護するために、畜房の床一面に敷き詰められていた。素材はカリフォルニア産のダグラスファーを使用。ダグラスファーは日本の杉と松のほぼ中間の硬さを持ち、松脂成分が多く、腐食しにくい」と解説されています。

牛の護蹄を考慮した牛床素材。
昔から、ちゃんと考えられていたんですね。