アナログのTwitter(ツイッター)

十勝管内Y牧場にうかがったら、牛舎の黒板に、「今日のツイッター」と題して何やら書いてあります。

フレッシュで良く見えた牛
1015、1007、756、1024

つなぎがおもく(腫れぼったい)外側開き(エックス脚)が数頭

水槽管理30点くらいかな
重曹ひとにぎり入れてごしごしとこする

これは地元を担当する農業改良普及員がY牧場を訪問した際に、書き残していったものだそうです。
Yさんはうなずきながら、このツイッターを読んで、
「第三者の目から見た牛の状態は貴重な情報です」と真摯に受け止めていました。

弥生の風物詩となるタンチョウ

先日訪れた十勝管内豊頃町にて、
国内希少野生動植物種に指定されており、
北海道の道鳥でもあるタンチョウを見ることができました。
冬には主な生息地として北海道の釧路湿原が有名ですが、
2月下旬から4月初旬にかけて十勝・釧路・根室で繁殖するといいます。

ところで、このタンチョウを見た場所はどこだと思いますか?

実は、同町のとある牧場の中で見たのです。
酪農家さんに聞くと、この時期はいつもいるとのことで、
酪農家さんとしては珍しいものでもなくなっており、
「体が大きく声も大きいから牛が怖がるんだよな」とのこと。
しかし一方で、「これもまたこの時期の風物詩だと思っているよ」とも。

国内希少野生動植物種も大事にしなければいけませんが、
酪農家さんにとって愛牛はそれにも負けない大切な存在ですね。
自分の牛を愛し、牛に愛される酪農家さんでいましょう。

報徳の精神が宿る酪農地帯

十勝管内・豊頃町二宮地区のT牧場を取材しました。
Tさんは、「ここ(二宮地区)は二宮尊徳の孫である二宮尊信が開拓の鍬を入れ、報徳を直伝したところ。その精神が今も宿っていると思う」と教えてくれました。

「報徳」とは、二宮尊徳が独学で学んだ神道・仏教・儒教などと、農業の実践から編み出した豊かに生きるための知恵で、以下を基本とするそうです。
1 至誠(誠を尽くす)
2 勤労(自助努力とともに労働を効率化し社会に役立つ成果を生み出す)
3 分度(収入の枠内で一定の余剰を残しながら支出を図る計画的な経済)
4 推譲(分度生活の中から生み出した余力の一部を、各人が分に応じて拠出し、相互扶助、公共資本、弱者や困窮者救済に充てる)

T牧場は家族労働で、経産牛180頭・未経産牛170頭、年間出荷乳量約1700t。
Tさんの酪農経営に臨む姿勢は、とても参考になります。
詳報はDairy Japan 5月号で。

TPPは国民一人ひとりの問題

ここは札幌駅周辺地区と大通・すすきの地区を地下でつなぐ札幌駅前通地下歩行空間。
人の往来が多い場所です。

ここに今週から、「TPPはあなたの問題です/JAグループ北海道」と書かれた、
大型のボード3枚が掲げられています。

ボードは以下の3種類です。
「この国は、育てることを忘れている」
「この国は、いつも安全を見失ってしまう」
「この国は、世界を向いて地方を振り返らない」

どのボードも最後に、
「TPP問題は、明日の暮らしを思うあなたの問題。
いっしょに考えていきませんか。」
と書かれています。

目を引くキャッチコピーと、TPP交渉参加への警鐘文に、
そこを通る多くの人が足を止めて、読み入っていました。

育成管理は非常に大事

Hさんが最近重要視しているのは、育成牛の管理です。
「育成牛の管理はとかく手を抜きがちになるが、乾乳牛の管理と同様に非常に大事。この二つがきちんとできれば、牛は必ず調子良く乳を出してくれる」と言います。

育成牛には現在、牧草サイレージ、コーンサイレージをベースとしたTMRを給与しています。
育成牛の栄養管理を見直したことで成長(増体)が早まり、12から13カ月で初回授精できるようになりました。
「この経済効果は大きい」とのことです。

写真手前の柵の高さは125cm、横の柵の高さは135cmで、それと比較しながら、Hさんは常に育成牛の体高をチェックしています。