いい意味のストレスで発情を促す

根室管内のT牧場は約180頭を搾乳しています。
搾乳牛の群分けは、フレッシュ、初産、経産、搾乳後期です。

群移動は、あえて1頭ずつ行います。
「5-10頭まとめて群移動したり、いろいろやってみたのですが、大きく移動すると、群全体が大きくストレスを感じる気がするんです」とTさん。

さらにTさんは、「ストレスをかけることによって、発情を促すこともあると感じています。分娩後40-50日に群移動することによって発情が起こることもあるんです。つまり、いい意味のストレスです」と教えてくれました。
そうしたことも配慮して群分けを考えています。

育成牛、乾乳牛、初産牛の管理をもっと強化したい

釧路管内のK牧場(年間出荷乳量4000t超)の搾乳乳群の分け方は、経産牛・前期(TMRは乳量45kg設定)、経産牛・後期(同35kg設定)、初産牛・受胎前(同32kg設定)、初産牛・受胎後(同32kg設定)です。

初産牛は弱い立場にあること、まだ発育途中であることに十分配慮しています。
群を移動する際は、数をまとめてから移動するようにしています(3-10頭で)。

栄養管理担当のSさんは、「人間の場合、子供やお産が近い妊婦の栄養には気遣い、お金もかける。育成牛や乾乳牛に対しても、そうした気持ちがもっと必要だと思う」とも話していました。

スタッフ・ミーティング

十勝管内Y牧場におうかがいしたら、スタッフ・ミーティングが行われていました。
この日のテーマは「乳房炎」。
JAのNさんからも話題提供してもらいました。
そして、体細胞数はどういうときに増えるのか、を全員で確認し合いました。

ミーティングの後は、みんなでおにぎりを食べて和気あいあい。
そして「がんばっていこう!」と気合を入れて、各人、持ち場に戻りました。

社長のYさんは、いかにスタッフ同士が協調・連携し合いなら活躍できるか、を常に考えています。

子牛ペンの管理

石狩ホルスタイン協議会の研修会が今日、江別市で開催されました。
講師は伊藤紘一氏(ウイリアムマイナー農業研究所)。
写真は今朝、伊藤氏が町村農場(江別市)を視察されたときの写真です。

子牛のグループペンで、フリーストール部分がとても清潔に管理されていて、
「理想的な管理。牛は清潔感覚があり、きれいな所に寝る」
「このように、きれいなゾーンをきちんと区別して作っておくことが極めて大事」
と伊藤氏はコメントしていました。

リッキングの効果は大きい!

道央の酪農家同志が主催する道央広域酪農研究会の定例勉強会が昨日、長沼町で行われました。
今回のテーマは「哺乳子牛の栄養と管理」、講師は雪印種苗株式会社・北海道研究農場の阿部健太郎氏です。

初乳給与のポイント、全乳哺育の注意点、さまざまな異常便、哺乳ロボットを上手に使う方法、カーフハッチを上手に使う方法、スターターを優先して食べさせるコツなど、同農場でのやり方、事例やアドバイス、そしてトピックスを豊富に交えて解説されました。

そのなかで、リッキング(親牛に、生まれた子牛を舐めさせる)の効果として以下があり、
□子牛の体が乾きやすい(風邪防止)。
□マッサージ効果により血液の循環が良くなり、初乳免疫の吸収を高める。
□子牛がリラックスする。

「お金がかかるものではないので、ぜひやっていただきたい」とのことでした。

また、搾乳ロボット導入を検討している人へのアドバイスとしては、
□水槽の配置:哺乳ロボットに近いところは、子牛が集まる場所で、水槽が汚れやすいので下痢のリスクが高まる。
□哺乳ロボットの設置位置:授乳ホースが短くなるように設置すれば、ホース内にミルクが残りにくく衛生的なので、下痢のリスクが少ない。
□ペンの配置:小さい(日齢の若い)牛から大きい牛へ、という方向に除糞できるようにすること。

でした。