「TPPと私たちの暮らし」 : 東大大学院の鈴木宣弘教授が講演

2012 年 10 月 26 日

Filed under: — admin @ 9:26 PM セミナー報告,ニュース

社団法人全国開拓振興協会は26日、栃木県大田原市内で「TPPと私たちの暮らし:農畜産業と生活への影響」をテーマに講演会を開いた(後援:栃木県、那須塩原市、栃木県酪農協会など8組織・行政)。
開会挨拶で、高橋同協会専務理事は「最近は報道が少なくなったが、TPP交渉は日米で水面下で準備されている。今こそ農業、畜産、生活を考えていくべき時期だ」と述べた。鈴木教授の講演抜粋は次の通り。

「TPPの本質は1%の利益のために99%を犠牲にすること。関税撤廃に例外はなく、日本の社会システム・制度そのものの組み換えを米国は狙っている。国民生活の根幹にかかわりかねない」

「11月18日からの東アジアサミットで、日本のTPP参加について踏み込んだ決意表明をしてもらおうと関係者の働きかけが強まっている。米国からの参加承認への儀式として、1)自動車、2)郵政、3)牛肉の輸入制限(BSE)の3点があったが、後者2点は実質的に譲歩してしまった。現在の焦点は自動車問題だけ。切羽つまった気持ちを皆が共有すべきだ」

「TPPのメリットを具体的に聞いたことがない。日中FTA、日中韓FTA、ASEAN+3の3つの試算と比べても、GDPの増加率は最も低く、失うものが最大で得るものが最少の史上最悪の選択肢だ。日本にとって、世界にとって、本当に均衡ある社会の発展、人々の幸せのある経済連携を選ばなければならない」

「TPP問題が長引くと、現場の動揺と憔悴が広がってしまうことを懸念している。この議論を契機に、農林漁業者がもっと元気になるための取り組み、現場で本当に効果が実感できる政策に関心が持たれている今、地域全体で前向きに議論をする機会にしていこう」

「ASEANと日中韓、インド、豪州、ニュージーランドの16国が、近く首脳レベルで広域的なFTA交渉を開始しようとしている。アジア諸国が主導し、TPPとは違った柔軟で相互的なルールを交渉できる可能性がある。EUも動き出している」

「本当に強い農業になるには、生産者と消費者のつながりが源になる。キーワードはナチュラル、オーガニック、アニマルウエルフェア(家畜の快適性)、バイオダイバーシテイ(生物多様性)、そして景観だ」 (文責:関東支局)

気持ちの良い絵を壁面に

Filed under: — maetomo @ 5:39 AM 未分類

先週に引き続きY牧場で偶然に遭遇した光景です。
Y牧場内で、ふとD型ハウスを見ると、
なんと!壁に向かって足場が組まれており、
その高い足場によじ登った女性がいるではないですか!

その女性にお話を聞くと、
「ここに牛を描きたいとYさんに話したら、
快諾してくれたうえに、足場まで組んでくれました」と言います。
彼女は、ボラバイトで4年前にY牧場へ来て以来、
酪農にハマって、その後、何回も来ているそうです。
「牧場を飾ると、牧場が楽しくなりますよ」と嬉しそうでした。

牧場は、今後も人の心が温かくなる、
そんな場所であってほしいと思いました。

Copyright (C) 2005 Dairy Japan Corporation. All Rights Reserved.