岩手県・塩倉健一さんが黒澤賞 日本酪農研究会
2025 年 11 月 22 日
日本酪農青年研究会は、11月19日に「第76回 日本酪農研究会」を岡山県で開催した。
全国から生産者はじめ”盟友”が集まり、日々の経営の成果を発表し合い、また地域を超えた交流を深めた。
同研究会日本連盟の篠崎繁実委員長は開会に伴い、「酪農は単なる食料供給の手段に留まらず、地域社会の活性化や環境保全、食料安全の根幹を担う重要な産業であると認識している。本会では、厳しい環境下でも切磋琢磨しながら経営発表をする姿や、生産者同士の交流から、明日の営農への活力を養ってほしい」と挨拶した。
大会では研究発表6題・意見事例発表5題がなされた。演題と演者は以下のとおり。
・研究発表
「学びを大切に日々前進」 目黒 亮 氏(北海道・幌延町)
「我が家は二刀流~乳肉複合経営でリスク分散~」 赤川 雅臣 氏(北海道・陸別町)
「同志と共に次世代へ引き継ぐ酪農経営を目指して」 塩倉 健一 氏(岩手県・久慈市)
「「小野牧場があって良かったよ」を目指して」 小野 洋平 氏(新潟県・新発田市)
「酪農ミニマリスト」 梶岡 由嗣 氏(岡山県・津山市)
「低コスト戦略~粗飼料自給率100%と無理のない着実経営の実現」 椿 満生 氏(福岡県・朝倉市)
・意見・事例発表
「地域とつながり、未来へつなぐ酪農経営」 福留 優史 氏(宮崎県・都城市)
「兵庫県連歴史秘話と今度はきっと太田賞!」 西山 農 氏(兵庫県・三木市)
「相馬牧場の新たな畜産業へのスタイル」 相馬 秀 氏(福島県・南相馬市)
「ブラウンスイスに魅せられて~地域を救う第三の品種への挑戦~」 畠山 伸吾 氏(秋田県・北秋田市)
「放牧牛と歩いてゆく未来」 平原 俊哉 氏(北海道・八雲町)
最優秀賞である「黒澤賞」を受賞したのは、塩倉健一氏(岩手県・久慈市)。
昭和35年から続く塩倉牧場で、総頭数200頭を飼養する塩倉氏は、平成15年に地域に先駆けてTMRセンターを設立して自給飼料率の向上を目指すほか、5年前からゲノミック検査を導入し、積極的な牛群改良に務めるなど、常に良い経営を追求している。さらに、塩倉氏は岩手県指導農業士や農業委員としても積極的に活動し、地域農業全体の活性化にも注力している。
審査委員長の堂地修教授は「自農場に限らず地域農業の発展にも大変に貢献する取り組みは、他地域の参考にまでなる」と評価した。
