震災後の酪農をテーマに公開講座:酪農学園大学が栃木県で開催

2012 年 11 月 16 日

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酪農学園大学は16日、栃木県那須塩原市で「第44回酪農公開講座」を開いた(共催、栃木県酪農協会および応用動物行動学会)。テーマは、昨年の東日本大震災および福島原発事故の影響に言及し、「震災から学ぶ、震災後の酪農」。

2つの講演があり、同大学の遠藤大二教授(獣医学群)は北海道で福島県産の桃の販売が好評だったことを紹介し、放射性物質について概説した後、「今回、政府や県は適切な情報を提供したと思う。放射性物質の基準を順守している限り、リスクが増加することはなく、社会的にはゼロリスクだと考える」などと述べた。

森田茂教授(農食環境学群)は、「牛は、人がいないと存在し得ない。また牛に依存してこなかった民族はいない。牛には多くの役割がある」として、応用動物学行動会のチーム(6大学・8人)が、福島県内の避難区域で放牧利用型の牛群を使った、放射性物質と牛との関係についてフィールド試験を行なっている途中経過を報告し、広い視野でこれらの牛の活用の道を探っていきたい、などと話した。

なお避難区域の牛は、約1000頭が餓死、約1000頭が所有者の同意の下で安楽死、約800頭は現在、所有者らが日中、飼料を与えに行っていると、つけ加えた。上記フィールド調査は、同チームのほかに複数の研究陣が行なっている。

参加者からは「(消費者からは)ゼロリスクではなく、ゼロベクレルが要求されている」などの意見が出た。(文責支局)

*参照記事 DairyJapan 2011年6月号「トピックス」

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