牛用飼料の放射性セシウム暫定許容値は100ベクレル以下に

2012 年 2 月 3 日

Filed under: — admin @ 10:41 PM ニュース

農水省は2月3日、牛用飼料に対する放射性セシウムの改訂後の暫定許容値を、1キロ当たり100ベクレルに決めたと発表した(粗飼料は水分含有量:8割ベース、その他飼料は製品重量)。

同省では、食品の基準値を超えない牛乳や牛肉が生産されるよう改訂後の暫定許容値以下の粗飼料への切り替えを速やかに進めるとし、改訂後の暫定許容値以下の粗飼料の確保が困難な場合、乳用牛については3月15日までに改訂後の暫定許容値以下の粗飼料への切り替えを行なうとしている。

また、 今後収穫される牧草が改訂後の暫定許容値を上回ると予想される牧草地について、表土の削り取り、反転耕、耕起等による除染、デントコーン等への作付転換を進め、平成24年に圃場から収集する稲わら(春わら)については、検査したうえで、流通・利用を行なうとしている。

平成23年産牧草のモニタリング調査において、改訂後の暫定許容値を上回る放射性セシウムが牧草から検出された地域を有する県(注)では、県内で生産される平成24年産永年生牧草の飼料としての流通・利用の自粛を要請し、改めて調査を行なったうえで、流通・利用の自粛の解除を判断するよう指導するとしている。
(注) 岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉

原発事故発生県や周辺県などで、永々と自給粗飼料に励まれてきた方々にとって、まことに悔しい数字だと思う。(文責:関東支局)

子牛、飼料作物、家畜堆肥などの研究成果を発表:畜産技術協会主催で

Filed under: — admin @ 7:16 PM ニュース

2月3日、東京都内で、「新しい畜産技術の研究成果 民間活力を活用した畜産技術開発事業成果発表会」が開かれ、関係者ら約200名が参加した(主催:社団法人畜産技術協会)。

畜産の市場が小さく、商品化がしにくい分野について、民間にある技術力と研究機関が共同で開発した結果を広く周知し、実用化を目指すもの。今まで5年間で7課題に取り組み、うち以下の5題が発表された。

眞鍋昇氏(東京大学大学院農生命科学研究科教授)は、子牛へのアミノ酸混合物(アミノ酸カクテル)を補給することで、飼料効率が改善され、増体効果が上がったことを報告した。

近藤聡氏(雪印種苗株式会社)は、bmr遺伝子を利用した高消化性ソルガム・スーダングラスの開発を発表。トウモロコシと比べても遜色ない乾物摂取量と泌乳量を得ることができるほか、放牧への利用も可能と示唆した。また品種改良されたスーダングラス(リッチスーダン:商品名)の飼料特性などにも言及した。

阿部佳之氏(農研機構:畜産草地研究所)は、畜産堆肥をセメント業界と連携させ、セメント製造時の燃料として活用することができるとした。ポイントとして、1)一ロット当たり10トンの堆肥が必要、2)塩素濃度を下げること、3)環境省から公示されたオフセットクレジット制度の利用、などをあげた。

林国興氏(株式会社源麹研究所)は、麹(アスペルギルアワモリ)にある成長作用、消化促進作用などを利用した、養豚用リキッド飼料の効果を発表した。

向山洋氏(三洋電機株式会社冷熱技術開発センター)は、自然冷媒冷凍機を利用したバルクの冷却と温水の取り出しを同時に行なうシステム開発を発表。3農場で試験を行なった結果、生乳の排熱が給湯水に利用となり、温水用の灯油代、バルク稼動による二酸化炭素の排出量ともに削減できた。今後、一般市場における冷凍機価格の様子を見ながら製品化していきたい、とした。(文責:関東支局)

*関連した弊社書籍
「吸引通気式堆肥化処理によるアンモニアなど肥料成分の回収と利用」(阿部佳之)2010年増刊号「もっと知りたい環境対策」
「酪農現場の?に答える 牧草・飼料作物編」(近藤聡ら)2011年増刊号

サツラク青年同志会 創立50周年記念式典 開催

Filed under: — djito @ 3:35 PM ニュース

サツラク農協(札幌市、藤本曙三代表理事組合長)を担うサツラク青年同志会の創立50周年式典が3日、札幌市で開催され、会員はじめ関係者ら約120名が集まった。

会長の福屋智氏は「サツラク青年同志会は昭和36年に先輩の努力により設立されて半世紀が経った。50年の長い歴史を刻んでこられたのは歴代会長および役員はじめ会員各位の情熱と努力のたまものであり、深い尊敬の念を抱くとともに、本会を支え続けていただいたサツラク農協と組合員の理解、協力にお礼を申し上げる」と挨拶。
さらに「本会は事業活動を通じて強いつながりを築き、そこで得られた知識や情報を糧に、今後どのような厳しい環境になっても個々が自立した強い経営を確立してサツラク農協とともに酪農発展の道を邁進し、高品質で安全、安心な牛乳乳製品を提供していく」と述べた。

その後、以下の名誉会員(40周年以降の歴代の会長)および功労者(30周年以降の永年役員を務めた会員)に感謝状が授与された。
さらに「サツラクどうでしょう-ローカルから全国へ-」と題し、人気TV番組を産み出したディレクターらによる記念講演が行なわれた。
そこでは同志会員らも壇上に上がりユニークなディスカッション方式がとられ、いかにして消費者の心をつかんでいくかなどが話し合われた。

名誉会員表彰
第12代会長:長濱秀人氏、第13代会長:向浩実氏、第14第会長:山本裕康氏、第15第会長:小林紀彦氏

功労者表彰
牧野義幸氏、弘中敏裕氏、工藤伸一氏、川上登氏、亀田壮将氏、小川豊氏、池端規明氏、米澤健一氏

子牛専用車

Filed under: — maetomo @ 6:20 AM 未分類

1月13日付の北海道支局だよりの続編です。
北海道十勝管内のS哺育育成牧場では、子牛の集荷のために、宅配業者が使用していた箱車(1.5tカーゴトラック)を改造し、利用しています。
ちなみに定員は最大で12頭です。
内装は牛床マット貼りで、床は麦稈でフカフカです。

さらにこの車の工夫しているところは、本来バックモニターとして使われていたカメラを箱の内部に取り付け、運転席から子牛の状態をモニターできるところです。
これにより、荷台を開けずとも子牛をチェックすることができます。
輸送は子牛にとってストレスがかかるため、細心の注意を払っています。

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