これは良い!パーラーで水浴び

【これは良い!パーラーで水浴び】

栃木県那須町の牧場にて

「一昔前この辺は避暑地として有名だったが、今や夏は猛烈に暑い。ところによっては暑熱対策が遅れがち」と話を聞いたことがありましたが、先日訪れたO牧場では、屋根散水、換気扇増設など万全ともいえる暑熱対策。牛も元気にエサを喰い込んでいました。

なかでも「おっ!」と思ったのはパーラー上部に取り付けたソーカーシステム(散水システム)。牛の首元に散水ミスとが散水され、搾乳中に牛を濡らします。その後牛舎に帰り、扇風機に水を吹き飛ばしてもらい体温を下げるそう。牛舎内に取り付けられたミストはたまに見かけますが、パーラーでは初めて見ました。

Oさんは「牛舎で水を撒くと牛舎内の湿度も上がり牛床も濡れやすくなるので、パーラーにつけてみたところ、とても良い」とのこと。

仕組みも単純で、水道のように蛇口をひねるだけ。壊れてもすぐに直せるところがまた利点なのだそう。

牛もよくエサを食べます。

O牧場は『DairyJapan10月号』に掲載されますので、発刊したらぜひ読んでみてください。

まだまだ暑熱対策が必要な時期だとは思いますが、これからの参考になれば嬉しいです。

 

自助努力では対応の限界 十勝管内TMRセンターにて

「TMR製造コストが上がり続けている。もはや何を削ればいいのか……」と十勝管内のTMRセンターの代表は言葉を詰まらせます。「このままでは構成員の経営はもとよりTMRセンターの存続も危ぶまれる。そうなってしまえば地域の酪農も……」と同代表は再び言葉を詰まらせます。
さらに、「国で掲げた酪肉近の目標、食料自給率の目標に向かって国内生産を上げきた。それを抑えろと言われても、生き物を扱う酪農は、そんな簡単に生産量を上げ下げできるものではない。エサを減らせば乳量は抑えられるだろうが、そんなことをしたら牛は不健康に陥り、二度と立ち直れなくなる。そのことを理解してほしい」とリスク計画を加味した政策を切望しています。

飼料給与の順番

以前も当ブログで紹介した三重県の牧場での一コマです。
哺乳子牛の管理が優秀なこの牧場で、スタッフが教えてくれたのが、飼料給与の工夫でした。
1ペン当たり四つのエサ箱が設置されていますが、それぞれに番号が振ってあります。写真奥から1・3・4・2の順に振られた番号順にエサを給与すると言います。これは子牛にエサを均等に食べてもらうための工夫。
1にエサを給与すると、子牛は1に集中し、採食します。その間に2のエサ箱にエサを給与すると、別の子牛がエサを求め集まります。同様に3・4とエサを給与するタイミングをずらすことで子牛達が全頭、均等にエサにリーチすることができるというもの。
給与の手間はかかりますが、とくに弱い子牛にとってはありがたい給与方法。
こうした一工夫が健康な子牛を育てることにつながるのだな、と納得しました。

家事子育ても重要な仕事の一つ

【家事子育ても重要な仕事の一つ】

先日取材で伺った岩手県のM牧場。ご夫婦で酪農を経営しており、取材を受けてくださったのは哺育を担当する奥様。

哺乳ロボットや哺育舎に投資し、省力化を狙いました。話を聞くと、「搾乳、家事、子供たちの送迎などをするだけでも1日が終わるので、哺育の省力化に投資して良かった」と話します。ただでさえ子育て世代のご両親は忙しいうえに牛舎仕事も加わると、時間が足りませんね。

ここで得たゆとりをどうするか、というのも重要な経営ポイントかと思いますが、Mさんは飼養環境の衛生状態をさらに向上させることに。

続きは次号『DairyJapan9月号』にて。

 

乳牛1頭を受胎させる重要性

暑中お見舞い申し上げます。
この時期、日本全国の家畜人工授精(AI)師さん・受精卵移植(ET)師さんは、少しでも受胎率を上げようと奮闘されていることと思います。
根室管内にある繁殖プロ会社は、そうした取り組みの一環として、業務車内を改造していました(写真)。
これは、受精卵を融解する際、直射日光や風が当たらないように、車内で作業できるようにしたものです。
「酪農を取り巻く環境が日々変化していて、乳牛1頭を受胎させる重要性がより増してきている」と同社は言い、さまざまなことに挑戦しています。
詳しくはDairy Japan 8月号をご覧ください。