知能型自動搾乳システムと健康状態監視システムの最新情報

2009 年 2 月 28 日

Filed under: — djito @ 8:28 AM 発表会

「新技術を活用した乳牛管理システムの開発成果発表会」(主催・(社)畜産技術協会)が2月27日、東京都内で開催された。
柏村文郎氏(帯広畜産大学教授)の基調講演後、今回の開発プロジェクト「知能型自動搾乳システムと健康状態監視システム」における最新の研究発表として、オリオン機械?)の全分房が同時搾乳終了するよう制御できて、異常乳の搾り分けも可能な「分房別搾乳システムを基軸とした知能型自動搾乳システムの開発」(同社・岡谷利幸氏)、産乳・繁殖・疾病情報をデータベース管理して通知する北原電牧?の「システム総合飼養管理プログラムの開発」(同社社長・北原慎一郎氏)を含む4題が発表された。
このほか展示、パネルディスカッション「酪農技術の未来を拓く―次世代の酪農を俯瞰して―」も行われた。

業務形態の垂直的発展へ:コントラ連絡会議で九大の福田准教授が示唆

2009 年 2 月 27 日

Filed under: — admin @ 7:10 PM 発表会

2月27日(金)、東京港区の発明会館で、平成20年度全国コントラクター情報連絡会議が開かれた。

基調講演で、九州大学大学院の福田晋准教授は、豊富な事例を基に、次のように示唆した。
「コントラクターは飼料収穫の部分的な作業受託から、飼料生産全作業の受託・借地による飼料生産および販売へと進み、農場制土地利用を前提としたTMRセンターへと発展しつつある」
「不特定多数の委託農家との契約取引をするのではなく、特定の基準や目的に基づいた農家に限定した受託構造が大事」
「飼料生産の効率化に向けた農地の集積、栽培様式、飼料供給のあり方など、コントラクターと畜産経営が相互の経営にとって望ましい一定の条件を取り決め、そのうえでサービスを提供するという環境を構築すべき」など。

地域事例発表では、「米より儲かる耕畜連携」(岐阜県・?笠郷営農センター 小野敏氏)、「粗飼料共同生産から集落型TMRセンター設立までの取り組み」(岩手県・?TMRうべつ 澤口松男氏)、「地理情報システムを駆使したコントラクターの運営」(熊本県・?サウスウインド 山下英男氏、?パスコ 三谷歩氏)がそれぞれ発表し、その後パネルディスカッションが行われた。

なお現在、全国のコントラクター事業体は489組織、受託面積は11万8000ヘクタールに及んでいる。

健康な子牛とは、健康な母牛から生まれた、胸腺の充実した子牛である

Filed under: — maetomo @ 5:49 AM 未分類

江別酪農研究会の例会が24日に開催されました。
今回は『子牛の疾病予防管理』をテーマとした、小岩正照先生(酪農学園大学・獣医学部・教授)の講習会が行われました。

○米国の調査によれば、母牛体重比7%で生まれた子牛、妊娠期間が282日(つまり、ほぼ予定日どおり)に生まれた子牛は死亡率(分娩後4時間以内)が一番少ない。
○子牛は酸欠で生まれてくる。酸素の戻りが悪いと、初乳を与えても抗体が上がらない。

《下痢子牛に対する処置》
○吸乳欲ある(指を出すと吸う)→拍水音(腹を触るとバシャバシャ音)ある→断乳、ネッカリッチサプリメント
○吸乳欲ある(指を出すと吸う)→拍水音(腹を触るとバシャバシャ音)ない→ミルク給与(回数を増加)、ネッカリッチサプリメント
○吸乳欲ない(指を出しても吸わない)→強制哺乳しない→輸液が必要、ネッカリッチサプリメント
※ちなみに子牛に差し出す指は、指のなかで細菌学的に一番きれいな「小指」がよい。

○虚弱子牛は「胸腺」が形成不全であり、充実した胸腺は肺炎予防につながる。
○子牛の健康は胎子(生まれる前)で決まる。
○子牛の病気の原因は、妊娠母牛の栄養(分娩前2カ月、アミノ酸、微量ミネラル、ビタミンA)に起因する。

などを小岩先生から解説してもらい、質疑応答も活発でした。
その後、同研究会会員の子牛の発育調査結果が発表され、来年度はさらに発育調査を充実させることなどが、深夜まで話し合われました。

「第35回家畜診療等技術全国研究集会」

2009 年 2 月 26 日

Filed under: — admin @ 4:10 PM ニュース,業界情報

「第35回家畜診療等技術全国研究集会」(主催:NOSAI全国)が、2月25(水)?26日(木)東京・新橋のヤクルトホールにて開催された。大会1日目は全国から22題になる獣医師の研究結果が発表され、2日目は平成20年「家畜診療」賞の表彰がおこなわれた。今回受賞は下記の通り。

(敬称略・順不同)農林水産大臣賞:高橋 恵(千葉県)、吉田賞:石井 一功(大阪府)、経済局長賞:杉山 美恵子(愛媛県)、西川 晃豊(北海道)、難波 範之(長崎県)、住吉 俊亮(神奈川県)、三浦 潔(岩手県)、清水 大樹(群馬県)、奨励賞:山本 昇(宮崎県)、高橋 純子(山形県)

国内産を前面に押し出して、チーズ市場を拡大していく【雪印乳業/春季新商品・政策発表会】

2009 年 2 月 25 日

Filed under: — admin @ 3:50 PM 業界情報,新商品,発表会

雪印乳業?「平成21年春季新商品・政策発表会」が2月25日、東京都内にて行われた。

開会に先駆けて同社社長・高野瀬忠明氏は、「日本ミルクコミュニティ?との経営統合により、シナジー効果で経営資源の活用拡大が図れるだろう。当社の強みである商品力、提案力により、国内産を前面に押し出した、さらなるチーズ市場の拡大をしていく」と述べた。
今回の新商品は、家庭用では、お酒のおつまみに最適な「雪印北海道100さけるチーズとうがらし味」、子供を対象とした「雪印おやつにチーズキャッチプレーン」などをはじめとする8品、粉チーズ、ベイクソフトシリーズなどの業務用5品のほか、チェスコ新商品19品がラインナップ。

牛乳もアイスに学びたい:アイス協が20名を表彰

2009 年 2 月 24 日

Filed under: — admin @ 6:58 PM 業界情報

(社)日本アイスクリーム協会は2月24日、東京都千代田区のホテルKKRで、第43回通常総会ならびに平成20年度アイスクリーム類製造業衛生功労者協会会長賞表彰式を開いた。

表彰式で挨拶した古川紘一同協会長は「食品の安全、信頼を確保すべく、これまでさまざまな法改正が行われてきたが、安全にかかわる事故は多々発生している。その中で我々の業界は法令を遵守し、食品の安全確保に一層努める所存だ」などと述べた。

今回、表彰されたのは次の20名。外島一信氏(ロッテアイス)、後藤隆夫氏(明治乳業)、矢吹淳氏(協同乳業)、小出一幸氏(スカイフーズ)、飯島庸男氏(富士乳業)、中山光司氏(フタバ食品)、秋田明生氏(ロッテアイス)、渡辺法秀氏(B-Rサーティワンアイスクリーム)、澤上隆男氏(赤城乳業)、丸野敬一氏(森永エンゼルデザート)、小出順一氏(ロッテ)、宝尺政和氏(森永乳業)、平野政文氏(ポレア)、長坂芳彦氏(知多セントラルシステムズ)、橋本長二郎氏(フタバ食品)、稲田洋一氏(ネージュ)、松浦久雄氏(蜂屋乳業)、仲本真希氏(やまひろ)、中野収氏(竹下製菓)、真戸原洋二氏(セイカ食品)。

来賓の厚労省医薬品局食品安全部・石原正敏部長は「国民の食の安全への関心は高い。アイス類は信頼感があるが、これが将来もずっと続くかどうかは、業界皆さんの日頃の取り組みにかかっている」と述べた。

また、(社)日本乳業協会の浅野茂太郎会長は「アイス類の消費は1994年をピークに10年近く低迷していたが、平成16年からプラスに転じた。一方で、牛乳は4年連続、前年比を下回っている。牛乳もアイスに学びたい」などと挨拶した。

「第1回牛乳・乳製品独創性商品コンテスト」開催される

2009 年 2 月 23 日

Filed under: — admin @ 4:01 PM ニュース,業界情報

(社)日本酪農乳業協会主催(講演:農林水産省、(独)農畜産業振興機構)による
「第1回牛乳・乳製品独創性商品コンテスト」が 2月23日、東京・明治記念館にて
開催された。
今回が初めての試みである本コンテストに、全国の乳業者から77商品の応募があり
その中から「オリジナル・アレンジ賞」10点、「審査員特別奨励賞」1点が選ばれた。
なお審査員特別奨励賞の審査には服部幸應氏(服部栄養専門学校校長)も加わり
審査委員長として総評を述べた。
表彰式の後に、懇親会ならびに試食会が行われ、第1回として盛大なスタートを
切った。

【オリジナル・アレンジ賞 入賞商品】
《飲用牛乳類》
●四季の牛乳(春の牛乳、夏の牛乳、秋の牛乳、冬の牛乳) 四国乳業?(愛知県)

《ヨーグルト類》
●高知育ち 青汁ヨーグルト ひまわり乳業?(高知県)
●栗駒こまちヨーグルト ?栗駒フーズ (秋田県)
●球磨の恵みヨーグルト 球磨酪農農業協同組合 (熊本県)

《チーズ類》
●ヨーグルトからつくったフロマージュ ?ヤスダヨーグルト (新潟県)

《乳等を主要原料とした食品》
●すっごい豆腐inヨーグルト ?メイセイ (愛知県)
●ジャージー牛乳のこだわり
 宇治茶の風味・ジャージーミルクジャム ?丹後ジャージー牧場 (京都府)
●ミルクジャムミニ ?十勝しんむら牧場 (北海道)

《その他 乳・乳製品を使用した食品》
●しょうがミルクキャラメル ?加藤牧場 (埼玉県)
●「ミルクの森工房」塩バニラプリン 東北協同乳業? (福島県)

【審査員特別奨励賞 入賞商品】
乳清のジャム  財団法人蔵王酪農センター (宮城県)

二つの「ワクワク」

2009 年 2 月 20 日

Filed under: — maetomo @ 6:03 AM 未分類

今週は、外国人を講師として招いたセミナーを二つ、取材しました。
一つは、全酪連の酪農セミナーで、講師は、米国ニューヨーク州で活躍している、栄養・飼養管理コンサルタントのダニエル・ホタン氏。
もう一つは、北海道アルバータ酪農科学技術交流協会のセミナーで、講師は、カナダ・アルバータ・ミルクの総括部長であるマイク・サウスウッド氏。

その二つのセミナーで、くしくも“ワクワク”という言葉が出てきました。

前者の“ワクワク”は、「成功する酪農家は、毎朝起きると、新しいチャンスを発見することに“ワクワク”している」というもの。

後者の“ワクワク”は、「消費者に、“ワクワク”する新商品を開発して届けたい(オーガニックミルク、オメガ3乳製品、メラトニン強化ミルク、共役リノール酸、プロバイオティック・ヨーグルトやチーズ、エスニック・チーズなど)」というものです。

どの仕事においても、こうした“ワクワク”は大事ですね。
みなさんも、“ワクワク”していますか?

繁殖性と長命性、そしてジェノミクス

2009 年 2 月 6 日

Filed under: — maetomo @ 5:22 PM 未分類

石狩乳検主催の研修会が2月3日、北広島市で行われました。
講師は中込稔氏(?野澤組・札幌営業所長)、テーマは『遺伝子と牛群検定の利活用による酪農経営の向上』です。

そのなかで中込氏は、
「遺伝改良の目的は、それを上手く取り入れて、自分の経営をより安定させること」
「改良目標は、酪農家個々に設定すべきものである」
「理想的な牛群、最も収益性の高い牛群とは、高能力、高成分、健康で繁殖性、長命性に優れている牛群であろう」
「それらなかでも、繁殖性と長命性は、世界的に最大のテーマである」
と述べ、アメリカとカナダの改良方針や内容、また繁殖と生産寿命に影響を与える要因などを解説しました。

さらに、アメリカとカナダが精力的に取り組んでいる『ジェノミクス』が、今後、遺伝改良や酪農経営にどのようにインパクトを与えるかも解説しました。
ちなみに『ジェノミクス』とは、まだ日本語が無いようです。
いわゆるDNAで遺伝子型を測定するもので、それによる改良能力評価の信頼度はかなり高いのだそうです。
そして北米では、実用化の時代に来ているそうです。

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