編集部の日常、感じたことを書いています

酪農キーワード

月上旬の今、月刊誌の進行は最終を迎える6月号と次の7月号の進行が重なるタイミングでもあります。
7月号の原稿を整理し、作業を進めている最中なので進行の一部について紹介します。
月刊Dairy Japanでは「誰にも聞けない酪農キーワード」が好評連載中です。連載タイトルのとおり、酪農のさまざまなキーワードを解説していただく企画です。
「知っているようでうる覚え」「今さら、この言葉の意味って人に聞けないな」というものからセミナーなどでよく耳にするものの、その実、深く内容を知らないもの、新しい言葉などを広島大学・杉野利久教授を筆頭に、さまざまな方に解説していただいております。
7月号は21回目で、キーワードは「GLP-2」です。GLP-2の詳細は本誌解説をお待ちいただきたいのですが、腸管粘膜の増殖や消化吸収能力の促進、粘膜バリアの増強などを担うホルモンです。ここでポイントになるのが初乳給与とGLP-2の関係。初乳給与の量や質、給与までのタイミングによって、血漿GLP-2濃度が低推移する傾向があると杉野教授は解説します。
酪農には多くの専門用語が存在します。そのなかから「次はどのキーワードにするか」を、担当である私と杉野教授で相談して連載を進めます。とかくこうした連載は、回を重ねるごとによりミクロなテーマに行きがちです。また、より新しいキーワードを探そうとします。
そんなとき、杉野先生と私は一歩下がって、マクロな視点でキーワードを探ることにします。もちろん、読者や取材先の酪農家さんからリクエストがあれば、それを優先しますが……。
今日、GLP-2の原稿の確認をしながら、次のキーワードについて話し合いました。8月は暑い、飲水量も増える、水は最も基本的な飼料、ということで次回は水をテーマにしようと。
同連載は、大きなボリュームを占める「はじめに」も好評です。編集をする際、文頭から目をとおしていきますが、「この導入から、どう本題に行くのか」といつもワクワクしています。そして「はじめに」の締めでは、きとんと本題に着地する、この流れが同連載の味でもあります。
ぜひ、毎回の解説を楽しみにしていただければと思います。
また、解説してほしいキーワードも随時募集しています。ご要望は弊社e-mailまで。

https://www.youtube.com/watch?v=l5CP0OtODRc

昨日、広島大学の杉野利久先生より、興味深いセミナー動画をご紹介いただきました。
動画は、第6回広島大学酪農技術セミナー オンライン限定特別編集バージョンです。
新型コロナウイルス感染症の影響で、第6回広島大学酪農技術セミナーの開催は中止になりました。そこで、広島大学で行なわれている研究の一部を「小ネタ集」として動画にまとめ、公開したものです。
杉野先生は動画のなかで、初乳の重要性、とくに初乳と消化管ホルモン(GLP-2)との関係について詳しく解説しています。
そのなかで、初乳をきっちり飲めていない子牛は、血中のGLP-2濃度が低いまま推移し、消化管の絨毛の発達に影響し、増体に負の影響がでる可能性があると杉野先生は指摘しています。
また、移行乳の重要性についても解説しています。杉野先生は移行乳にも免疫物質や成長因子が高く含まれていて、初乳給与後、移行乳を数日給与した子牛はGLP-2が高く推移すると話します。
このオンラインセミナーでは、このほかにも暑熱対策の研究や乳房炎の意外な原因、簡便な雌雄産み分け方法など興味深い話題が解説されています。
いつでも、どこでも視聴できるオンラインセミナー。ぜひ、皆さんもご覧になってみてください。
セミナーの視聴はこちらから。

蹄の健康をもう一度

現在編集中のDairy Japan4月号の連載「誰にも聞けない酪農キーワード」は、蹄底潰瘍がテーマです。
本誌読者の皆様は、常に蹄の健康に注意を払っていることと思いますが、お手元に届きましたら、ぜひご一読ください。改めて蹄を考えるきっかけになると思います(発刊までまだ1カ月強ありますが……)。
本稿の「はじめに」では著者が、蹄病で脚が痛い牛の行く末を「生産寿命の短縮」と表現しています。それは、脚の痛みによって採食量の低下や固め喰いをし、蹄病以外の疾患にかかりやすくなってしまうこと、明瞭な発情徴候を示さなく成ることによる繁殖成績に低下、難産・子宮捻転のリスク増と、さまざまなリスクが高くなることにあります。それだけでなく、管理する人の労力も増加してしまいます。
裏を返せば、健康な蹄は、それらのリスクを低くし、乳量のロスを減らし、管理労力も増加しないことになり、メリットがたくさんあることになります。
著者は蹄底潰瘍の対策として、1.蹄を整える、2.横臥時間を確保する、3.栄養管理、4.蹄病の早期発見、をあげ、それらについて詳しく解説しています。
農場によって蹄病の発生傾向や発生要因はそれぞれだと思います。ぜひ、それぞれの農場の特徴や蹄病の発生傾向を踏まえて対策を考えてください。

今年もありがとうございました

2020年も残すところあと1週間。

今年も色々ありました……あれ?あまり何もなかったかもしれません。新型コロナウイルスが大半でしょうか。

各方面コロナ禍で業界単位で影響を受けている中でも、途絶えることなく生乳を搾り続ける、仕事が続いている「酪農」という仕事は本当に価値のある仕事です。外出できない状況のなかでも、牛乳が人々の健康守る一因になったことは間違いありません。改めて誇り高い仕事だと思いました。

私も編集の仕事をはじめて1年が経ちました。何も知らなかった私は、伺う先々で酪農家はじめ皆様に多くのことを教えていただきました。本当にありがとうございました。

これからまた新しい農家さんに出会えるのが楽しみです。来年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

ほかの人はどうしてる?

DairyJapan月刊誌では、時々オンライン座談会を開催しています。

先日は第4回目、テーマは「乾乳期の管理方法」についてお話を伺いました。オンラインならではの手軽さで、全国各地の酪農家さん同士のつながりが生まれています。

ほかの人がどういう酪農しているかって、気になりますよね。

「こういう時どうしていますか?」「そんなやり方知らなかった!」なんて会話がすぐできる環境、すごいなと感じています。

 

※まじめに話しつつ、脱線したりもします。

 

読んでいただいている皆様、

「こんなテーマで聴いてみたい!」「うまく話せないけど参加してみたい」などがありましたら是非ご連絡ください。

【こちらで受け付けております】

セミナーや実際に会う機会が少ない1年でしたので、皆さまのお話聞かせてください!