ネクタイをして搾乳しよう!

タイトルはT牧場が数年前に掲げたキャッチコピーです。
これは実際にネクタイをするのではなく、「他産業の企業と何ら差がない職場にしよう」という意思表明でした。
そして働き方改革に取り組み、休日や労働時間を大幅改善。完全週休2日(連休)制を5年前に実現しました。
さらに2年前から長期休暇として9連休を年2回とれるようにもしました。1日労働時間は8時間に収めています。

そのT牧場が今取り組んでいるのが“やりがい”創出。
その一環として独自で作成・活用している「サポートシート」を見せてもらいました。
そこにはクレド(=スタッフ全員が心がける信条や行動指針)が冒頭に書かれていました。

●牛の豊かさの先に
1 良質な牛乳の安定的出荷→牛が豊かだからこそ能力を最大に引き出せる
2 やりがいのある仕事→牛が豊かだということが仕事が正しかったことの証
3 プライベートな生活の豊か→牛が豊かでいられることで安心して休暇を満喫できる
4 地域とのつながり→牛が豊かだからこそ周りにそれを誇れ認めてもらえる
5 理想を現実にする発想→牛が豊かだからこそ次のステップが見えその先を望むことができる
●でも牛の豊かさってなんだ?
産業動物である中で最大限に牛の望むことをしていく
・質の良い飲食の提供
・気持ちよく寝、安心して歩く
・ストレスの無い対人関係
・安心できるいつもと同じ環境

※詳しくはDairy Japan 5月号で。
http://dairyjapan.com/backnumber/dairy-japan-2022%e5%b9%b45%e6%9c%88%e5%8f%b7/

パイルダーオーン!?

好評連載中、マンガで学べる『こばなしこうし』〔島本正平獣医師(NOSAI宮崎)著〕。
4月号のテーマの一つは「哺乳ロボット、成功の秘訣」です。
そのマンガで、子牛が哺乳ロボットに入るたびに、社長が発する掛け声「パイルダーオン!」「レッツコンバイン!」「レッツボルトイン!」。
当方がわかったのは「パイルダーオン!」まで、でした。懐かしい……
※関連書籍:マンガで学べる『お気酪獣医 クスリの処方箋』〔島本正平獣医師(NOSAI宮崎)著〕

牛は選べない

堆肥の温度を測りながら「ひいては乳房炎予防にもつながるんです」とSさん。その理由は「良いものを畑に入れなければ、牛の健康度が上がる良い草が採れないから」と言います。
Sさんはそのことを、ほうれん草農家から教えられたそうです。
そのほうれんそう農家いわく「人間は自分が食べる野菜を選べるけれど、牛舎内の牛は酪農家が与えてくれる草しか食べられないでしょ。だから良いものを与えなければ!」。
とても印象深いエピソードでした。

もぐもぐタイム

十勝管内N牧場の事務所の一角で、お菓子がたくさん入っているカゴを発見!
N牧場には「おやつ係」という当番があって、担当者はこのように「おやつ」を調達してきて定期的に補充します。
「ちょっとつまめるものが常にあるようにしてるんです。これで皆のモチベーションが上がりますよ」とS代表は楽しそうに笑っていました。

哺乳ロボット舎での一工夫

釧路管内にあるH哺育センターの、ロボット哺乳舎のスターター用飼槽です。
糖蜜ブロックと鉱塩が入れてあります。
こうすることで飼槽に来る機会が増えて、哺乳ロボットに行く子牛と分散され、哺乳ロボット混雑解消の一助になるそうです。
また、糖蜜の上にスターターを被せて(ふりかけて)おくと、スターターの摂取量が上がるそうです。
詳しくはDairy Japan 2月号で。
http://dairyjapan.com/backnumber/dairy-japan-2022%e5%b9%b42%e6%9c%88%e5%8f%b7/