スタッフミーティング

うかがったのは十勝管内O牧場(酪農部門320頭・肉牛部門900頭・従事者16名)。
この日は、酪農コンサルティング巡回のあと、毎月定例の酪農スタッフミーティングでした。

ミーティングの最初の議題は、乳検成績の確認と、それに関連する現場状況。
乳量傾向、泌乳立ち上がり、良かったこと・気になることなどが話し合われました。
足痛の牛を発見したら直ちに情報共有することを再確認し、LINEでの緊急連絡やホワイトボードにも記述するなどして早期治療を図ることを申し合わせました。

次の議題は、繁殖成績の確認と課題。
「ひと月の受胎頭数」の目標はクリアしていることが伝えられ、発情発見の徹底などが話し合われました。

続いての議題は……Dairy Japan 9月号で。

「摩周珈琲」&「摩周珈琲あいす」


一昨日、釧路管内弟子屈町のJA摩周湖さんを訪問した際、「いいものあるよ!」とKさん。
同町には、蕎麦や摩周和牛などの特産品がありますが、「さらなる特産品を」と5年前から大豆を試験作付け、完成したのが「摩周珈琲」(昨年8月発売)と「摩周珈琲あいす」(昨年9月発売)。

同町産大豆「ユキホマレ」、同町産「生乳」で作られています。
ノンカフェインだから、妊婦さん、授乳中のお母さん、子ども、カフェインが気になる人も安心。
しかも、大豆タンパクとイソフラボンは身体にうれしい栄養成分です。

さっそく、その場でいただきました。
おーっ、美味しい! コーヒーと間違えるほどです。

「摩周珈琲」は、淹れた後の粕(かす)も食べられるので、アイスやいろいろなものにふりかけて二度楽しめます。
いただいている最中、Kさんは「地場産の農畜産物にもっと付加価値を付けていきたい」と熱く語ってくれました。

※写真は「摩周珈琲」(ドリップパック)と「摩周珈琲あいす」、そして焙煎した大豆

ゲノム評価:CCR(経産牛受胎率)とFS(飼料節減)を検証中

「ゲノム評価」と聞くと、「難しそう」「うちには関係ない」「使い方がわからない」という方もおられるでしょう。
それならば、Dairy Japan 7月号のルポ特集「ゲノム評価を酪農経営に活かすには」を、ぜひご一読ください。
北海道根室管内のO牧場(700頭)は、ほぼ全頭のゲノム評価データを得ています。
そして、そのデータ項目で注目しているのが、CCR(経産牛受胎率)とFS(飼料節減)。
CCRは、1.0ポイント高ければ、経産牛の受胎率が1.0%高いというもの。FSは、数値が上がれば飼料が節減できるというものです。
O牧場は、この二項目に着目し、「繁殖成績が良いうえに飼料を減らせる牛群作り」を進めています。
Oさんは、「うちで検証して、その成果が普及されて地域の酪農が発展すれば嬉しい」と話していました。

「搾乳マニュアル」インドネシア語版

十勝管内のS牧場は、インドネシア人実習生のために、インドネシア語の搾乳マニュアルを作成・活用しています。
無料でダウンロードできる酪農現場マニュアル作成のテンプレート「デーリィNavi」を使ってアレンジし、Google翻訳を使ってインドネシア語バージョンにしたそうです。
「搾乳作業が統一され、もはや実習生に完全に任せられるほど。実習生が入れ替わっても対応できる」と重宝していました。
同牧場は「デーリィNavi」を使って、ほかに分娩・子牛・乾乳・繁殖・給飼と水・蹄・農場衛生も、皆の作業が標準化されるようマニュアルを作成していました。
※詳細はDairy Japan 6月号で。
※デーリィNavi:https://946nokyoren.or.jp/dairynavi/

想定以上のダメージ

「生産抑制で昨秋に数十頭を淘汰したが出荷乳量は若干下がったくらいだった」と言うSさん(十勝管内)。
そこで年明けにさらに数十頭の淘汰と早期乾乳でようやく計画数量以下にした。
搾乳頭数は結局、2割以上減ってしまった。
Sさんは「生乳の減産は想定以上に搾乳頭数を減らさなければならないものだ。何のための寝床なのか……」と空間が目立つ牛舎で顔をしかめる。
こうした乳牛頭数の減少は、それこそ想定以上の生乳生産基盤の弱体化、産業の後退となり兼ねない。