エサ代が安くなった! 驚くほど繁殖が良くなった!

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北海道家畜管理研究会シンポジウムで話題提供した吉川要氏(DJニュース参照)。
帯広市の農場は、乳牛240頭(うち成牛140頭)、牛群平均乳量は1万1000kgで、その優れた遺伝資質は広く知られています。

吉川氏は、選果場残渣物として規格外人参のサイレージ、パン工場から出る食品残渣物(小麦粉・パンくず・ライス)などをTMR調製して、好結果・好成績を得ているそうです。
そして、エコフィードを原料に加えたTMRがもたらした影響として、以下をあげています。

《牛の体調面》
・人参サイレージが加わることでエサの喰い込みが良くなり、夏場でも喰い込みが落ちないので、乳量への影響がなかった。
・分娩後の立ち上がりが良くなり、ケトーシスや第四胃変位での治療牛がなくなった。
・ビタミン剤や消化を促進させる添加剤を1年以上使用していないが、牛群は全体的に健康を維持している。
・糞便はいくらか柔らかくなったが、食滞などによる下痢ではない。
・乳房炎によるダメージが軽減されている。

《繁殖面》
・発情時に牛が泣き叫ぶようになり、誰でも発情に気づき、発情の見落としがかなりなくなった。
・分娩後の初回発情が以前よりも早く来るようになった。
・発情粘液は排出血の量が増えた。
・受胎率が向上した。

《飼料費》
・飼料代が安くなった。
・単純に飼料費が安くなったことよりも、牛の体調面、繁殖面のような変化のように経済的飼料効果価値が上がった。

周産期病が今年多い農場は来年も多い

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道央圏の酪農家有志による道央広域酪農研究会が昨日、長沼町で行われました。
講師は本誌でお馴染みの田中義春氏(空知農業改良普及センター・空知南西部支所・支所長)で、テーマは「疾病を防ぐ技術的対応」です。

酪農場100戸、経産牛5203頭を調べたところ、1年間の周産期病の平均発症率は21%、その幅は0?48%だったそうです。
それは飼養頭数、個体乳量とは関係がなかったそうです。

そして、発症率が去年少なかった酪農家は今年も少ない、去年多かった農場は今年も多い、そうです。
つまり、周産期病が今年多い農場は、同じ管理をしていたら、来年も、再来年も多いということです。

「周産期病は確実に減らすことができる」として田中氏は、その方法を詳しく解説してくれました。
その内容は、本誌連載でも紹介されます。

パーティクル・セパレーター

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昨日、パーティクル・セパレーターの正しい使い方を取材しました。

パーティクル・セパレーターの使い方は、以下の四つがあります。
1 粗飼料を収穫する際、切断長を決めるために、収穫直後に粒度分布を測定する。
2 TMRが均一に混ざっているかどうかを測定する。
3 TMRそのものの粒度分布が適切かどうかを測定する。
4 TMRが選び喰いされているかどうかを測定する。

4は、まず朝の給飼直後のTMRをサンプリングして測定。
そして、その6時間後の残飼をサンプリングして測定。

昨日はこの冬一番の寒さで、日中でも氷点下。
寒かったー。
でも、とても勉強になりました。
その模様は、そのうち誌面、およびDVD(付録)でお伝えします。

忠犬ハチ公の臓器

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昨日、東京大学・農学部に行きました。
正門を入ってすぐに資料館があり、そこに立ち寄ってびっくり!
忠犬ハチ公の臓器の標本が展示されていました。

ハチ公は東京大学・農学部・上野教授の飼い犬で、昭和10年3月8日に亡くなり、ここで解剖検査されたそうです。
ハチ公の死因はフィラリアだったそうです。

エコフィードを求めて酪農家が同士討ち

最近よく話題に出るエコフィード(食品加工副産物)――。
昨日開催された北海道TMRセンター連絡協議会の研修会(DJニュース参照)で、栃木県那須町の那須TMR(株)の代表取締役・藤原基男氏が、その食品加工副産物の利用について興味深い提言を述べました。

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「最近、食品加工副産物の値段が非常に上がっている。それは多くの人たちが副産物工場へ行き、“うちは1円高く買うから売ってくれ”と買い求めているから。つまり、同じ牛屋同士で値段を上げているということだ。この件も含めて、低コスト生産をもっと真剣に考えるべきである」

ちなみに同社では、ビール粕、茶粕、豆腐粕、醤油粕、きのこ菌床、焼酎粕…などを利用しているそうです。