ちょっとした知恵

【ちょっとした知恵】

先日お邪魔した家畜改良センター岩手牧場は、種雄牛生産をする役割もあり、万全の防疫対策を敷いています。

各施設に入る前は必ず消毒をしますが、消毒液の効果を持続させるためにも状態で保たなければなりません。

そこで岩手牧場では、消毒槽に蓋をして汚れや雨を防いでいるのですが、持ちやすい棒を付けたことで屈んで蓋を取る作業が格段に楽になりました。

些細な改善ですが、こういうの、良いですね。

条件不利地での飼料生産

先日、岡山県津山市にお邪魔しました。津山市は中山間地で、まとまった土地や条件の良い土地が少ない地域。そのため、購入飼料を主体とした経営が多いのだと言います。購入飼料主体経営が直面する飼料費の高騰が経営に与えるダメージは、想像に難くありません。
そこでNさんらは耕種農家や粥農家などで生産法人を設立し、水田を借り受けて稲WCSや飼料米などの生産に取り組んでいます。
稲を選ぶ理由は、「苗さえ供給すれば、比較的誰でも栽培できるもの」という理由。また堆肥が少ないことや、鳥獣害、風による倒伏リスクの高さでデントコーン栽培を積極的に選ぶに至らないことも理由の一つと言います。
Nさんは、こうした「地域産飼料」の面的拡大を目指し、まずは近隣他地域での飼料生産とその地域への供給も視野に入れているといいます。
「条件不利地だし機械もないし……」そうした方にはぜひ、11月末にお届けするDairy Japan12月号をご参考に。

いま反芻している牛、何割?

十勝管内T牧場の飼料設計を担当しているKさん、某日の昼時、反芻モニタリング中です。
「反芻はバッファ効果でルーメンを健全にします」というKさん。
「牛舎に入ってぱっと見渡したときに、目に入った牛達の5割が反芻していることがボーダーラインで、理想は8割です」と反芻のモニター方法を解説してくれました。

哺乳ボトルの洗浄に強力な助っ人

先日、愛知県のM牧場を訪ねました。M牧場のSさんは就農から約10年。さまざまな改善と投資をしてきました。
約3年前に搾乳ロボットの更新を計画したM牧場は、事業審査や工期の遅れによって今年4月に最新の搾乳ロボットに更新が完了したといいます。
ちょうど酪農情勢が非常に厳しい状況での返済スタートになってしまったことは、大きな負担であることは明白です。しかしSさんは、「搾乳スピードや搾乳性が上がったことで、結果的に乳量は伸び、売り上げを高めることができた」と満足げに話してくれました。
さて、そんなM牧場で「買ってよかった」機材を紹介していただきました。それは、業務用食洗機。
乳肉複合経営で規模も大きなM牧場。日々の哺乳ボトルの洗浄も一仕事です。また哺乳ボトルはブラシで強くこすれば、徐々にこすり傷が付くもの。そこで、業務用の食洗機を導入したところ、洗浄の手間が省けることはもちろん、高温で高い水圧によって洗浄できるため、哺乳ボトルの衛生状況も良好とのこと。Sさんは、「おすすめの機材」と太鼓判を押します。

ドローンで圃場を確認

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先日、静岡県のS牧場にお邪魔しました。

S牧場は自給粗飼料としてイタリアンを11ha作っています。11haという広さの圃場の状態を目視で確認するには、多くの手間を要します。そこでSさんが取り組んでいるのは、ドローンを使った圃場の確認です。

ドローンを使えば、わずか数十分で圃場の状態を確認できるうえ、上空からの撮影のため、裸地の確認なども容易に行なえると言います。実際に圃場を撮影した動画などを見させてもらうと、圃場を鳥瞰で確認すると、その状態は一目瞭然でした。

ドローンをめぐる規制は厳しくなってきているとSさんは言いますが、圃場面積の広い牧場では、その利用価値は高いと思います。

※写真提供:S牧場