牛床に何敷く?

【牛床に何敷く?】

取材で全国を回っていると、様々な経営形態の農場に行くわけで、一軒一軒全然違うわけですが、地域? 考え? によってまちまちなのが、牛床だと感じています。

繋ぎ牛舎やフリ―ストールの場合、北海道では麦稈が、都府県ではおが粉が多いですが、そのほかにも、もみ殻、戻し堆肥、コーヒー粉などさまざまです。併せてよく耳にするのは、「おが粉はクレブシェラが」という声。確かによく聞きます。

それに対しても、あらかじめ殺菌処理をするもの、石灰を混ぜるものなどありますね。先日伺った農場では、おが粉に混ぜる石灰の量を数倍にしてみたら上手くいったとのことでした。「熱くなって乳房に良くないんじゃ?」と思ったそうなのですが、試しにやってみたら好調だそうです。

皆さんのマイベストベッド、どんな形態でしょうか。オススメ教えてください。

飼料費削減のヒント

先日、新潟県のS牧場とO牧場を訪ねました。
両牧場は日本でも有数の米どころに位置するため、稲WCSはもちろん粉砕玄米といった地域生産飼料を上手に飼料設計に取り入れていました。
しかし今回の取材のメインは「もやし残さ」。もやし残さは、もやしの原料豆や製造ラインから外れたもやし、根切り処理の際に発生した根などを脱水したうえでギ酸添加したもの。水分含量は80%程度と高いものの、粗蛋白質など試料成分はアルファルファに近い特性があります。
嗜好性も高く、価格も安価なもやし残さ。輸入乾草の高騰や入手困難な状況が続く今、注目の副産物飼料かもしれません。
詳細は5月下旬にお届けするDairy Japan6月号で。また、もやし残さの飼料特性については弊社発刊『飼料特性を理解して上手に設計に活かす』をご参照ください。

長期雇用のために

先日、京都府のB牧場を訪ね、酪農場の雇用管理について伺いました。
B牧場は「スタッフの心と体とともに、家族の健やかな暮らしを守りたい」を信条にスタッフのワークライフバランスの向上などさまざまな取り組みを行なっています。代表のTさんは、「スタッフの心や体に余裕がないと、スタッフ間で技術を教えたり、教わったりすることが難しくなる」──そう実感したと言います。
さまざまな取り組みの詳細はDairy Japan5月号でご紹介しますが、実にユニークな制度の設計・導入のほか、スキルアップのための制度の導入など、農場全体のレベルアップにつながるヒントが盛りだくさんでした。
スタッフには長期で働いてもらいたい──そう考えたとき、考えるべきことの一つが人それぞれのライフスタイルと時々に訪れるライフイベントを考慮すること。今回の取材を通じて、そのことを強く感じました。
詳細は4月下旬にお届けするDairy Japan5月号で。

堆肥を極めし者

四国は某所に取材で訪れたときのお話です。

酪農場で出た糞尿は地域の堆肥処理センターに委託してとても助かっている。とのことで、訪ねてみました。

そこには100m×2の大きな施設があり、管理する皆さんの堆肥に対する考え方に感動しました。

同センターでは、発酵促進剤など人の手で外から何かを添加することは一切ないのだそう。

牛の腸の延長線をここで再現しているとのことでした。

菌、バクテリアが活発に活動する環境を実現するのに何年も試行錯誤を重ね、今ではできた堆肥は地域の畑に還元され活躍しています。

堆肥が良くなると作物も美味しくなるようで、さらにその堆肥は牛が良い糞尿をすることが大切なようです。

そのためには牛を健康に育てなければ。ということですね。

まさに、糞尿は宝ということを体感しました。

牛は選べない

堆肥の温度を測りながら「ひいては乳房炎予防にもつながるんです」とSさん。その理由は「良いものを畑に入れなければ、牛の健康度が上がる良い草が採れないから」と言います。
Sさんはそのことを、ほうれん草農家から教えられたそうです。
そのほうれんそう農家いわく「人間は自分が食べる野菜を選べるけれど、牛舎内の牛は酪農家が与えてくれる草しか食べられないでしょ。だから良いものを与えなければ!」。
とても印象深いエピソードでした。