24年度は需給ひっ迫の見通し

2012 年 1 月 23 日

カテゴリー: — maetomo @ 5:22 PM ニュース

 一般社団法人 日本酪農乳業協会は1月23日、第4回理事会で平成24年度の生乳および牛乳乳製品の需給見通しと今後の課題をまとめた。これによると、平成24年度は脱脂粉乳需要ベース、バター需要ベースともに生乳供給量が需要量を下回り、自然体では需給はひっ迫気味で推移する可能性がある。

 j-milkがまとめた需給見通しは、生乳生産量が750万2000t(全国:23年度実績見込み比99.7%)とほぼ23年度並みで推移する一方、牛乳等の生産量は486万4000kl(同98.3%)と23年度を下回ると予測される。その結果、乳製品向け処理量は347万6000t(同102.4%)と増加するものの、脱脂粉乳・バターそれぞれの需要量を満たすには至らないと見通しだ。

 ただ、今回発表された需給見通しはあくまで現段階で予測される自然体の生乳需給であり、24年度生乳計画生産や国の施策等で生産現場では積極的な増産対策が今後推進され、生乳生産意欲が向上することも期待されるため、生産は予測より増加する可能性もある。

 ちなみに、中央酪農会議は先に中期生乳計画生産として、今後3年間の増産を骨子としてまとめた。今回の予測では需給ひっ迫が見通されるが、国産生乳の需要を代替製品や緊急輸入品によって喪失しないよう、関係団体などの生乳の増産対応を含めた需給調整対応が今後の生乳需給の課題となる。

農と食のストーリーで感動させる:東北地域の復興・活性化シンポ、開かる

2012 年 1 月 22 日

カテゴリー: — djkanto @ 10:07 PM ニュース

1月22日(日)、宮城県仙台市内で「東北地域の農山漁村の復興・活性化に向けて」シンポジウムが開かれた。参加者は約200名(共催:東北農政局、農林水産政策研究所)。これは、東日本大震災からの農林漁業の復興に向けた課題を出し、討論しようというもの。

基調講演で、筒井信隆・農林水産副大臣は、昨年秋に公表された「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」について、同方針はTPP交渉参加とは別問題のものとしたうえで、「利益のあがる農業・漁業の創出が東北の復興につながり、その一つの手段として再生可能エネルギーの促進があるだろう」などと述べた。

農林水産政策研究所からは「農漁業再編と集落コミュニティの再生:過去の災害復興事例から学ぶ」(吉田行郷氏)、「6次産業化の展開方向と課題」(小林茂典氏)、「木質バイオマスエネルギー導入の効果とその評価」(林岳氏)の3題が報告された。

シンポジウムは、金子勝氏(慶応義塾大学教授)をコーディネーターに、1)災害からの復興、2)再生エネルギー、3)6次産業化 の3つを柱に、パネリストから意見が出された。

「有機栽培で果樹園を営み、消費者との交流などを通して直接、生産物を販売している。風評被害などもあり、農地の除染を早急に行なって欲しい。除染が進まないと顧客が離れてしまう」(安齋さと子氏:株式会社安齋果樹園代表・福島県)

「環境と経済が両立する社会システム、地域づくりをめざして研究している。その一つとして、間伐材を利用した木炭発電の実用化などのプロジェクトを進めている」(両角和夫氏:東北大学大学院農学研究科教授)

「養豚と食肉製造、レストランなどを展開し、地域の資源を利用した「ここでしかないもの、オンリーワン」の循環型の農業=食業をめざしてきた。今後、エネルギーも循環の中に入れていきたい。TPPは、農業だけでなく国民全体に関わるのに、歪曲化されて議論されているのは、農業からの情報発信力が弱いのが一因だ。農と食のストーリーを楽しく語り、消費者を呼び込むこと、農を体感させることが大切だ」(伊藤秀雄氏:有限会社伊豆沼農産代表・宮城県)

「震災による食料備蓄調査を行なったが、家庭の3分の1が備蓄をしていると回答していた。今回の震災の大きな課題は雇用の場が失われたこと。農の基本である土壌が汚染された。原発は復興するうえで避けて通れない課題だ」(森田明氏:宮城大学食産業学部准教授)

「東北には風力発電の可能性が十分にある。畜産バイオマスも実用化した。ないものねだりではなく、「あるもの探し」を徹底して行い、葛巻高原牧場は預託牛約3000頭を預かっているほか、チーズ、牧場体験、グリーンツーリズムなどで日本一の公共牧場となった。すべてのエネルギーを風力、太陽光、バイオマスで自給することをめざしている」(中村哲雄氏:葛巻町畜産公社顧問、前葛巻町長・岩手県)

これらの意見を総括し、金子教授は、「21世紀は地域分散型の社会となっていくだろう。その意味で、パネリストからは次代の社会を創造していく力を感じた。今まで遅れていると思われていたものが、次は先頭を走るのではないか」などとまとめた。

*関連記事
「ミルクの本2011」 2011年増刊:牛乳乳製品の普及と今日的な課題(森田明氏)
本誌2011年12月号 マイオピニオン:「農業」から「食業」へ変える(伊藤秀雄氏)

*取材メモ:「大量生産=規模の経済性」と「高付加価値=プレミアム」との選択で伊藤氏は後者を選んた。一方で、それは結果として、メインの顧客が富裕層になりがちで、市場は限定的になり、販売リスクも大きくなる。そのことを森田教授は指摘した。この構図は海外産品との競争だけでなく、国内の産地間競争でも同じだ。農の価値は、パンフや通販だけでは伝わりにくく、農の実体験によって肌身で感じるものだろう。それが可能な生産農場は、記者の知る限り、数少ないと思われる。今回のシンポはテーマが幅広く、焦点がまとまりにくかったが、記者は、政策や行政は6次産業化を復興のメインフレームに描いているように感じた。しかし、過度にこれに期待できるものではないと思われる。(文責:関東支局)

「TPP -私たちは知る権利がある」 札幌の消費者団体が講演会

2012 年 1 月 15 日

カテゴリー: — djito @ 5:40 PM ニュース

コープさっぽろ、生活クラブ生協などの消費者団体で構成される「TPPを考える市民の会」が15日、札幌市内で「TPP -私たちは知る権利がある。 -政府が語れないその本質に迫る-」を開催し、市民など370人以上が参加した。
「TPPの情報をもっと得たい」と企画されたもので、世界の貿易動向および穀物メジャー企業の実態についての調査研究者の第一人者であるブルースター・ニーン氏(カナダ在住)の講演を予定していたが、同氏の体調不良により、同氏および夫人からのメッセージVTR上映、そして代読講演が行なわれた。

同氏はメッセージVTRで、
「TPPは、企業が好きな場所で好きなように事業を展開できるように特権を与える協定であり、目的は人々の幸福ではなく企業の幸福である」
「日本にとって、この貿易協定に参加するということは、コメを含めた食料自給の完全な放棄を意味する」
「TPPは健康や環境に関する安全基準を引き下げ、それを国際基準として統一するものである」
と語った。

代読講演では、TPPは何が問題なのか? 参加すると日本にはどんな危険があるのか? 参加すると私たちの生活はどう変わるのか? などが解説された。
そして、「日本が守り続けてきたことがTPPによって破壊される恐れを考えると、その影響はあまりにも大きい」と報告された。

家畜堆肥で多様な土壌微生物叢の土づくりを:エコファーマー全国交流会で

2012 年 1 月 13 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:38 PM ニュース

1月12日(木)、埼玉県深谷市内で、エコファーマー交流会が開かれ、全国から約200名が参加した(主催:全国エコファーマーネットワーク、事務局:日本土壌協会)。全国のエコファーマーが20万戸を超え、販売農家戸数の約1割に達した現在、先駆的な取り組みを行なっている農業者らが集り、消費者、流通関係者らと、情報を共有するために開かれたもの。

農水省環境対策課の鈴木良典課長が「農地の除染及び農作物への吸収抑制対策」を講演。農地の除染費用は、本年1月1日に施行された放射性物質汚染対処特例法に基づき行なわれるなどと述べ、安全な農産物を供給する産地体制の構築を支援する、とした。

基調講演で、東京大学名誉教授の松本聡氏が「微生物が息づく土づくり」と題し、家畜堆肥を適切に使用した多様な土壌微生物叢に基づく農地の維持と環境保全型農業の重要性を強調した。

事例として「消費者との絆で築いた安心農産物生産体制の構築」(埼玉県:農事組合法人埼玉産直センター・木村友一代表)、「生産者、消費者、企業、地域を繋ぐ経営の展開」(兵庫県:有限会社夢前夢工房・衣笠愛之代表)が発表された。

二つとも、生産者が主体となり、消費者や地域を巻き込み幅広く営農しており、「誇りのもてる農業者へ(木村氏)」、「夢は叶えるもの、そして伝えるもの(衣笠氏)」などと述べた。共通項は「連携」と「変革させる力」だ。(文責:関東支局)

宇都宮賞は枳殻勝久氏と佐藤裕司氏に

2012 年 1 月 12 日

カテゴリー: — djito @ 9:45 AM ニュース

(財)宇都宮仙太郎翁顕彰会(理事長=黒澤信次郎氏)は11日、今年度「第44回宇都宮賞」の表彰者を以下のとおり決定した。
表彰式は宇都宮仙太郎翁の命日にあたる3月1日に札幌市で開催される。

【酪農指導の部】根室市/枳殻勝久(きこく かつひさ)氏
ホクレン代表理事副会長、中央酪農会議理事、日本酪農乳業協会副会長、ジェネティクス北海道副理事長、北海道酪農畜産協会会長など、酪農畜産会における多くの要職に就き、北海道のみならず全国的な生乳需給調整対策をはじめ、牛乳乳製品の普及促進、乳・肉牛の改良増殖の促進など、酪農畜産経営の安定向上や生産振興に努めた。

【酪農経営の部】猿払村/佐藤裕司(さとう ゆうじ)氏
乳牛改良、良質粗飼料の確保、きめ細かな飼養管理による生産効率の向上などの取り組みにより、平成13年から10年にわたり平均乳量1万kg以上を維持し、収益性の高い酪農経営を実践努力している。JAひがし宗谷代表理事組合長に就任後、大型生産法人を基軸としたTMRセンターの設立に尽力するとともに、後継者、担い手の育成と確保を図るため、研修、実習の受け皿としての雇用を含めた受け入れ体制の確立に尽力した。

国際酪農連盟日本委員会:光岡賞(23年度)は斉藤忠夫氏に

2012 年 1 月 11 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:19 PM ニュース

国際酪農連盟日本委員会(JIDF)は、
平成21年度に創設したJIDF光岡賞の平成23年度の受賞者に、
下記の研究者が決定した、と発表した。

 受賞者 :齋藤 忠夫 (さいとう ただお)氏
 所 属  :東北大学大学院 農学研究科・教授
        生物産業創成科学専攻食品機能健康科学講座
        動物資源化学分野
 研究題目:プロバイオティック乳酸菌の機能性に関する研究

なお、平成24年2月6日(月)に表彰式および記念講演が行なわれる。

*光岡賞:光岡知足博士(東京大学名誉教授)が、国際酪農連盟(IDF)からメチニコフ賞(微生物学部門)を授与された際、同博士の意思により、その賞金をJIDFに寄付され、それを基に設けられたもの。
*メチニコフ賞:腸内フローラの重要性を指摘したメチニコフの著作「長寿の研究:楽観論者のエッセイ」発刊100年を記念して、IDFとパスツール研究所らの協賛を得て設けられた賞。発酵乳の研究(微生物学部門、バイオテクノロジー部門、栄養と健康部門)に対して、優れた業績をあげた科学者に授与される。(文責:関東支局)

震災から浮かんだ三つの課題へ取り組む

2012 年 1 月 6 日

カテゴリー: — maetomo @ 1:00 PM ニュース
年頭挨拶をする古川紘一会長

年頭挨拶をする古川紘一会長

 日本乳業協会ら乳業13団体は1月6日、都内で平成24年新年賀詞交歓会を開催した。開会に際し乳業協会・古川紘一会長は東日本大震災による多くの被災者に対して「一日も早い復興と自立をお祈り申し上げます」とお見舞いを述べた後、「乳業の課題は、生乳から製品までの安全性の確保、乳業工場におけるエネルギー確保、乳業工場や在庫、流通拠点などの再配置やトレーサビリティを含めたリスク対応であり、乳業協会としてこれら三つの課題を検討し、問題点を洗い出し、本年度中に対応を具体化していく」などと挨拶した。

 乳業団体の賀詞交歓会では「牛乳で乾杯」が恒例となっているが、今年は福島県の酪農乳業の復興と発展への想いを込め、福島県産牛乳が乾杯に供された。

乾杯で提供された福島県産牛乳

乾杯で提供された福島県産牛乳

乳用牛評価報告を発表

2011 年 12 月 27 日

カテゴリー: — maetomo @ 5:47 PM ニュース

家畜改良事業団は12月27日、乳用牛評価報告2011年-11月を発表した。同期の総合指数全国1位は北海道・石崎直さん所有の「エンドレス ジユデイ L フロステイン」で総合指数+5,675、乳代効果+243,259だった。
2位はヘンカシーン ヒラリー デイ ハーシエル(北海道・五島順二さん)、3位はシーレーク プレミアム ヒラリー ET(北海道・株式会社SEA?LAKE)だった。

牛乳の放射性物質規制値は50ベクセル/kgに:来年4月から

2011 年 12 月 22 日

カテゴリー: — djkanto @ 11:00 PM ニュース

厚労省は12月22日、薬事・食品衛生審議会:放射性物質対策部会に、食品中の放射性セシウムの新しい規制値を提示し、了承された。「一般食品」は1kg当たり100ベクレル、「乳児用食品」と「牛乳」は同50ベクレル、「飲料水」は同10ベクレルとした。原則として来年4月から適用する方針。

新しい規制値は食品を4つに分類。「飲料水」を、世界保健機関を参考に1kg当たり10ベクレルと厳しく設定。「料理などにも多く使うため、より安全を求めた」としている。野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他は「一般食品」にした。

「乳児用食品」は、「乳児用」の表示許可を受けた粉ミルクのほか、乳児向けのベビーフードや飲料、栄養食品など。大人より放射線の影響を受けやすいとして、上限を「一般食品」の半分にした。

牛乳・乳製品は「牛乳」(加工乳・乳飲料含む)と、その他の乳製品(乳酸菌飲料、はっ酵乳、チーズなど)を「一般食品」に分類し、二つに分けた。

粉ミルクの同50ベクレルは飲料水より高い、と指摘もあったが、同省は、飲用時には約7倍に薄めるため、実際は飲料水より厳しいと説明した。

同省によると、この値の上限で食べ続けても年間被曝線量は0.8から0.3ミリシーベルトで、食品からの被曝上限とした年1ミリシーベルトを下回り、実際の被曝はさらに低いとしている。(文責:関東支局)

エコバックを展示:容環協が「エコプロダクツ2011展」に出展

2011 年 12 月 15 日

カテゴリー: — djkanto @ 7:24 PM ニュース

12月15日から東京都内で開かれた日本最大級規模の展示会、
「第13回エコプロダクツ2011」に、全国牛乳容器環境協議会(容環協)が、
今年も出展した。

出展は、牛乳パックのリサイクルの現状を展示、
あわせて、全国パック連と協働で、紙パックの再生紙つくりなども行われ、
多くの人たちが立ち寄った。
容環協の年次報告によると、最新データではパックの回収率は43.5%。
その殆どが再生紙としてトイレットペーパーなどの原料となっている。

また「牛乳パックで遊ぶ・学ぶ」コンクールで
最優秀賞を受賞したバック(宮城県涌谷第一小学校3年・南部彩華さん)
なども展示された。

乳業では、明治が軽量の牛乳ビンや物流の変更による環境負荷の軽減、
明治飼糧が、エコフィード認証を受けた「もろみ(醤油)粕」などを展示した。

同展示会は、17日(土)まで開かれ、期間中、「エコ(環境)」をテーマに
多くのセミナーやイベントなども開かれる。(文責:関東支局)

容環協ホームページ:http://www.yokankyo.jp

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